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追っかけ kindle小説 vol.1

 今回は「noteのクリエーターさんがkindleで出版されたもの」で、私が読んだものをご紹介したいと思います。

 ちなみに前回はnoteで読める「note小説」をご紹介しました✨

 まずは直近で読んだ「琥珀ベイビー」さんの著書。


 これは…実は読むのに勇気が必要な本でした。

 というのも私、正直なところ12年ほど経過してもペットロスから立ち直れない部分があって(『駐妻記』「突然の別れ」参照)、

ワンちゃん猫ちゃんが出てくる作品を読むのを、いまだに躊躇してしまうのです。

 写真で、今飼っていらっしゃるワンちゃんや猫ちゃんの元気な姿を見るのは大好きなのですが、やはり亡くなる様子が描いてあると怖いんです。200%泣いてしまうし、とにかく当時のことを思い出してしまって。

 ですのでこの本は、琥珀ベイビーさんのnoteやTwitterでものすごく気になりながらも、どうしても読む勇気が出なかった本なのでした。

 でも、こんなことじゃあいけないと。
 いつまでも愛犬のことが「トラウマ」とか「傷」だとか言っていたら、愛犬も浮かばれないよと。思い直しまして。

 読んでみました。
 ええ。ええ。
 もちろん、泣かずに読めるはずがないのですが、だがしかし。
 この本は、確かに飼っていた動物の死について書いてありますが、決して涙をそそるだけのものではなく、この世界に生きとし生ける全動物(代表として犬猫、人間も含む)の幸せを願って書かれた本だというのが強烈に伝わってきて、胸が熱くなりました。

 私はいい飼い主ではなかったので、亡き愛犬のことを琥珀ベイビーさんのように大きな愛で包んであげることができなかったし、お世話ができなかったのだけれど、そしてその激しい後悔がロスから立ち直れない大きな原因なのだけれど――それでもこの本は「ああ、あの子とこの世で逢えてよかった。幸せだった」と思わせてくれる本でした。

 これほど強く感銘をうけたのは、町田康さん『猫にかまけて』を読んで以来です。素晴らしい本です。Amazon評価がすべて星5つは当然で、できたら星無限大というのをAmazonさんに準備していただきたいくらいです。

 琥珀ベイビーさんの創作大賞応募作品もすごいのです。応援しています。



 さて、遡ってご紹介してまいりますと、その前に読んだのは福島太郎さんです。

 福島太郎さん、現在「文学フリマ岩手」のほうに行っていらっしゃるようです。楽しんでいらっしゃることと思います。

 さて、福島さんを知ったのは拙著『駐妻記』にAmazonでレビューを書いてくださったのがきっかけです。Amazonのレビューは、本名で登録していたり身バレの危険性を孕んでいたりするので躊躇われる人が多いのですよね。正直に申しますと、私もその一人です。でも福島さんは、全編しっかりと読んでくださったんだと感じられる、誠実なコメントをくださいました。とても感謝しています。

 福島さんはいくつかkindle本を出版されているので、その中でどれを読もうか迷いましたが、まずは会津のワインの話を読ませていただきました。『会津ワイン黎明奇譚』です。

 都会から来た人と地元の人との交流が、最初はそっけないようでいてじわじわと深くなっていく田舎ならではの味わいがとても良く描かれていて、自分の郷里もこういう感じだったなぁと思い出しました。

 登場人物が同世代だったり、私にとって個人的に縁のある地名が出てきたのも心惹かれましたが、会津でワインを作っていることやその歴史を全く知らなかったので、とても勉強になりました。

 爽やかな恋愛も描かれていますが、何よりもワイン作りに懸ける人の思いに胸が打たれます。

 noteのクリエーターさんでkindle出版されている人はとても多いですし、やはり全部を片っ端からと言うのは無理です。でも、自分もkindle出版を経験してオンデマンド出版には大変な時間と労力が割かれていることを知って以来、心惹かれたkindle出版はできるだけ読みたいと思うようになっています。

 これからもできるだけ、note発kindle出版の本を読んでいきたいと思いますし、こちらでも紹介したいと思っています。

 記事を書いている間に福島さん、ご帰宅された模様です。お疲れ様でした!


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