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大学に関わる仕事

おはようございます。
「大学のソウルフード!」も、首都圏は東京・神奈川を残すのみとなりました。
お気づきの方も多いかと思いますが、ここからが長いのです(笑)。
これからはより細かくエリアや大学を区切って紹介していくことになりそうです。

「北海道編」の時にも少し書きましたが、私がこうしたテーマに関心を持ったのは、前職時代に多くの大学を回ったからです。

ただ、いきなりソウルフードには辿り着かず、最初は『地図ラー』で大学立地の歴史を調べて書いていました。
そうするうちに、地域への思い入れとソウルフードの関係は深いのではないかと思うようになり、こちらの記事を書き出したのですが、
もともと取り組んでいた大学立地については、『地図ラー』に加えて日本私立大学協会が発行する『教育学術新聞』にも書かせていただいています。

最近では、9月6日発行の第2937号に寄稿いたしました。

長く同じ場所にあることだけではなく、大学移転の歴史にも物語はあるはず、という話。

その前には、仏教系大学の移転という、ちょっと変わった切り口で寄稿もしました。

こちらはカラーです笑

そういうわけで、各地を訪れる中でその土地土地のストーリーに興味が出てきたのですが、
これだけだと、前職時代の仕事が色々な大学に行くことだけだという誤解も招きかねないので(笑)、
一応補足しておきますと、本の企画をして、編集していました。
著者が大学の先生で、学術書や大学テキストなどを作っていたわけですが、打ち合わせのために先生の研究室を訪れたり、学会に参加してテーマや著者を探していたりしたわけです。

今日は、そうした仕事に絡めたお話しを。
少し前ですが、以下のツイートが目に止まりました。

慶應義塾大学法学部の粕谷祐子先生が、世界政治学会の次期会長に選ばれたとのこと。
要は、世界中の政治学者の集う学会の会長なのですが、1949年の創設以来、日本人が選ばれるのは3人目。
最初は昭和の末期に平和学の武者小路公秀先生、次は、現早稲田大学総長の田中愛治先生、そして次の粕谷先生になります。
もちろん、日本人女性としては初。その粕谷先生についてですが、前職時代、先生の本を2冊担当する機会に恵まれたのです。

『アジアにおける大統領の比較政治学』

1冊目はこちら、粕谷先生編著の研究書です。2010年に出た本ですが、アジア諸国における大統領と議会の関係性に注目して比較政治学のアプローチから研究したものです。
それ以前の比較政治学では、欧米の先進国を研究対象にすることが多く、アジアの研究は少なかったようです。そんなことを言っていたのが既に遠い過去のようですが…。

比較政治学

単著の教科書です。主に政治学科の学生向けのテキストですが、比較政治学を学ぶ人には是非お薦めしたい一冊です。
注も豊富にあり、基礎をおさえたい人にも、研究をさらに詳しく知りたい人にも満足いただけるものになったと思います。
「比較政治学」という、直球タイトルをつけることができたのも、よかったな、と。
大体、本というのは刊行したとした一番売れて、その後は全く売れなくなるか、徐々に売れ行きが下がっていくのですが、本書は色々な大学の授業で活用していただく機会が増えていき、年々売り上げが増えていったのを覚えています。
そういうテキストは貴重なので、それだけでも十分に嬉しいのですが、世界政治学会会長になられた方の単著を担当する機会に恵まれたのは、非常にありがたいことだと思います。

学術系の場合「俺が彼を発掘して育てたんだ!」なんて偉そうなことは言えず、単に先生のお力がある中で発表のお手伝いをする、というのがせいぜいなのですが、
他社の編集者さんよりも先にお声がけすることができたのは素直によかったなあ、と。
私自身にとっても、『比較政治学』は京都から東京に異動するタイミングで編集をしていて、新しい世界で頑張ろうとしていた時だったので、とても思い入れのあるテキストです。
かつてお仕事で関わった方が、その後ご活躍されていると、やはり自分のことのように嬉しくなります。
転職して5年経ちましたが、過去と今の繋がりを感じたツィートでした。

次回は大学ソウルフードの話に戻ります!


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