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キャリアに悩めるあなたに、「Myブランド」でキャリアの棚卸し | 『苦しかったときの話をしようか』要約

はじめまして。元エンジニアのマーケター田平です(@yoshi_tahi)。
今回は私自身を題材にして、キャリアの棚卸しに使える『Myブランド』というフレームワークを紹介します。
これから就職活動や転職活動を考えている方はもちろんのこと、キャリアに対して漠然とした不安がある方にもおすすめのフレームワークです。

1. 自己紹介

本題に入る前に今回の題材となる私の自己紹介をさせてください。
あらためまして、ベルフェイス株式会社でマーケターとして働いている田平と申します。
冒頭で名乗った通り、元々はエンジニアで、マーケター歴は1年くらいのひよっこマーケターです(2021年10月時点)。

ストレングスファインダーは以下のようになっています。相反する資質(弱み)も併記しておきました。これらの資質を持っている方々は私の弱みを補ってくれる貴重な方々です(ポジティブで社交的な方お待ちしております)。
ベルフェイスのマーケティングチーム内で弱みを補い合うペアを見つける、フィーリングカップル的な取り組みをしました。なかなか面白かったので、機会があればその時の話もnoteにまとめようと思います。

ストレングスファインダー

参考:最も多い&珍しい組み合わせ【ストレングスファインダー徹底分析】

話は私のキャリアに戻りますが、職務経歴書をみるとエンジニアとマーケターのスキルが入り乱れてカオスになっています。
そんなカオスな私のキャリアを『Myブランド』で綺麗に整理していきましょう。

2. 『Myブランド』とは何か

Myブランド_自己紹介用

Myブランドは、元USJの伝説的マーケター森岡毅さんの著書『苦しかったときの話をしようか』に出てくるフレームワークです。
自分自身をひとつのブランドと捉えて、市場定義・WHO・WHAT・HOWのフレームに沿って整理することで、自分の市場における価値を見つけられます。マーケターには馴染みのあるフレームですね。

しかし、キャリアの話をしてたのに急にマーケティングの話が出てきたと思われた方もいるでしょう。
マーケティングの本質は「価値をつくって、伝えて、届けて、交換すること」です(『マーケターのように生きろ』より引用)。これはまさしくキャリアも同じで、社会にとっての価値をつくって(みつけて)、伝えて、届けて、交換してもらう。最後の「交換する」はわかりやすいところで言うと給与です。このようにキャリアとマーケティングは似ているところがあるのです。

少々脱線してしまいましたが、Myブランドを書く時は1~2年後に自分がなっていたい状態を思い描くのがコツです(いわゆるAs-Is / To-Be)。
では、自分が社会にどのような価値を届けられるのか探しにいきましょう。

3. 攻略する市場 〜適切なポジショニング〜

Myブランド_自己紹介用_市場

まずは市場定義です。自分がどのような領域で仕事をしたいか、もしくは価値を発揮できる領域がどこか考えます。
就職や転職のシーンで言うところの会社選びの軸です。わかりやすい例だと業界・業種や職種という切り口があります。高収入を得ることを目的とするなら、需要が多く、供給が少ない領域が当てはまります。目的によって切り口は様々です。

私の場合は「負が大きく(多く)」「顧客(が抱える負)との距離感が近い」領域に大きなチャンスがあると思っているので、それに近いことを書いています。

4. WHO 〜自分の価値を伝えるべき人は?〜

Myブランド_WHO

次に、誰に自分の価値を提供するか(伝えるか)です。先ほど定義した市場の中でどんな人に価値を提供し、実感してもらいたいか考えましょう。その人たちの顔と名前が思い浮かぶくらい具体的だと理想的です。就職や転職のシーンを例にとると、面接官やその企業で働く人たちが当てはまります。
コツは、”自分の価値を理解してくれる(必要としてくれる)可能性の高さ”と”その人に価値を理解してもらえた時のインパクト”の2軸で考えることです。"インパクト"とは、「その人に価値が伝わった場合、他の人にどれだけ伝播するか」です。まずは「必要としてくれる人がどんな人か」から考えると良いと思います。

ちなみにターゲットは以下の2つで考えます。
・Strategic Target(戦略ターゲット):ブランドがリソースを必ず投下する最も大きなくくり
・Core Target(コアターゲット):ブランドが最も手厚くリソースを使用する相手・グループ​

私のターゲティングはシンプルです。戦略的ターゲットは現在の自分の職種であるマーケターに近い職種の人たち。コアターゲットはその中でも人事評価の権限を持っている人(マネージャー)たちです。まずは近い領域で働く人たちに価値を感じてもらい、その結果としてマネージャーに評価してもらう。そうすることでチャンスの機会を増やすという戦略です。

5. WHAT 〜自分が提供できる価値は?〜

Myブランド_WHAT

ここが一番の山場かもしれません。自分が提供できる価値や便益を根拠(エピソード等)と共に洗い出します。まずは、”便益”です。
4. WHOの章で定義したターゲットの人たちの顔を思い浮かべながら、どんな便益や価値を欲しているのかイメージしてみましょう。書き出してみてもいいかもしれません。その中で自分が応えられそうなものを探してみましょう。自分起点で探すなら、ずっとやっていても苦に感じないことやシンプルに好きなこと(仕事以外でもOK)をイメージしてみましょう。もちろん後からそれがターゲットにとって便益になるか考えないといけませんが、とりあえず思いつくままに書き出しましょう。

次に、それを信じるに値する”根拠(Reason To Believe)”です。どれほど良い価値も信じてもらえなければ意味がありません。これを聞いた人が腹落ちできれば何でもいいのですが、一番伝わりやすいのはエピソードです。人間はストーリーを求めるものです。上記で洗い出した便益や価値に紐づくエピソードを洗い出しましょう。もちろん学生時代のことでもOKです。

私の場合は、「顧客/消費者起点であること」を土台に、「価値の発見」と「価値の具現化」という便益を定義しています。そしてそれに紐づくエピソードを根拠として記載しています。
エピソードは際立っているかどうかも重要です。エンジニア時代にサービスを提供している事業者のもとに話を聞きに飛んでいった(東京→九州)エピソードを入れています。私自身、理屈で考えるタイプという印象を与えがちなので、このような実行力に紐づくエピソードでギャップを作っています。「こいつ理屈ばかりかと思ったら、意外と行動力もあるぞ」と思ってもらえれば最高ですね。
便益を理解してもらうだけでは足りません、エピソードを用いて腹落ちしてもらいましょう。

このようにWHATはかなり深堀りが必要な要素なので、私は以下のようにマインドマップで分解して整理しました。よければ参考にしてください。

便益_分解

6. HOW 〜どのように価値を提供する?〜

Myブランド_HOW

最後に、HOWです。ここはWHATがしっかり洗い出せていればそこまで苦労しないと思います。
どのようなスキル(ハード/ソフトどちらでも)でWHATに書いた価値を提供できるのか具体的に記載します。
5. WHATの章でお見せしたマインドマップの枝葉部分がこのHOWに該当してきます。HOWで詰まった時はWHATの深堀りをもう一度しましょう。

そしてブランド・キャラクターの設定をします。ブランド・キャラクターでは、そのブランドを人格に見立てたときにターゲットからどのような人柄だと思われたいかを規定します。ターゲットに与えたい印象が何なのか考えましょう。

7. まとめ

私のキャリアを題材に、”市場定義・WHO・WHAT・HOW”に沿ったキャリアの棚卸し方法を解説しました。
マーケティングフレームワークに沿って整理することで、自分のブランドとしての価値を客観的に見つめ直すことができます。また、このMyブランドを定期的にアップデートすることで自分の成長を実感できるので、ぜひ試してみてください。

ここまで読んでいただきありがとうございました!
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参考書籍
苦しかったときの話をしようか
マーケターのように生きろ―「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動

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