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マーケティング×PRで目指す第一想起ブランド

はじめまして。元エンジニアのマーケター田平です(@yoshi_tahi)。
今回は、ベルフェイスのマーケティングチームで実践しているマーケティング×PRの取り組みについてご紹介いたします。以下のような方に読んでもらえると嬉しいです。

・限られた予算で認知獲得をしたいマーケターの方
・戦略的にPRを行いたい広報担当者の方
・そもそもPR・広報ってどんなことやってるの?と思っている方

そもそも「あんた誰やねん」と思った方は、キャリアの棚卸しに使える『Myブランド』というフレームワークと共に、自己紹介をしていますのでぜひ読んでみてください。

0. ベルフェイスの”マーケ”チームがPRに注力することになった経緯

ことの始まりは、2021年度の頭にチームとして「第一想起率」を追っていこうと決めたことです。詳細な理由は後述しますが、この「第一想起率」が高いということは他のブランドを押しのけて自ブランドが選ばれる確率が高いことを示しており、マーケティングにおいて重要な意味を持ちます。

そもそも、第一想起率とは何か。認知には2種類あり、そのひとつであるUnaided Awareness(ブランド名で誘導されないで計測された認知)が「想起」に当たります。その中で一番最初に想起される確率を「第一想起率」と言います。

Aided Awareness(ブランド名で誘導されて計測された認知)
・認知の最大面積を測定するのに適している(量)
・例)「USJを知っていますか?知らないですか?」

Unaided Awareness(ブランド名で誘導されないで計測された認知)

・消費者の頭の中にある「買っても良いと思っているいくつかのブランド群」(Evoked Set)の中に入っているかを測定するのに適している(質)
・第1ブランド想起率や第2ブランド想起率
・例)「テーマパークのような集客施設として思い浮かぶブランドは何ですか?

Evoked Set(想起集合)とは
・何かをしよう(買おう)とした時に、頭に浮かぶ好意的な選択肢の集合体
・広告宣伝活動、広報活動、販売促進活動、店頭マーケティング、過去の購入(使用)経験、友人や知人との会話や、ネットのクチコミなどの総合力によってつくられる
・たいていの製品カテゴリーにおいて、Evoked Setには3つ(少ない場合は1つ)しか入っていない

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上図は「ブランドカテゴライゼーション」と呼ばれるもので、第一位選択になる確率が「第一想起率」となります。第一位選択になると何が良いかというと、消費者が自社ブランドを選ぼうとする際に「検討」ではなく「検証」になることです。どういうことかというと・・・

検証(第一位選択のブランドを買おうと情報収集している時の心理)
・「みんな満足しているんだよね?」「買っていいよね?」「買って後悔しないよね?」と、買うための証拠(自己弁護集)を集めている
・そのため、「買って後悔した」「不良品だった」というクチコミ(レビュー)を見ても、「うん、君には合わなかったんだね」「運が悪かったね」と、好意的に判断してくれる

検討(第二位選択以下のブランドを買おうと情報収集している時の心理)
・「買って後悔した」「お金の無駄です」などのクチコミを見ると、すぐに心が折れてしまい、「あっぶね!買わなくて良かった~」となる。
・トライバルの調査では、第一位選択ブランドは、クチコミ(レビュー)閲覧後7割が購入、2位は2割、3位は1割という結果が出ている

闘いはゴングが鳴る前(いざ購入しようという時)から始まっているといったあたりでしょうか。
想起集合やブランドカテゴライゼーションについてもっと知りたい方は、ぜひ以下のnoteを読んでみてください。

引用元:これからは「一番最初に思い出してもらえる第一想起ブランド」しか生き残れない

(前置きが長くなりましたが・・・)
では、この第一想起率を上げるためには何が必要なのか?その要素を独自に整理したのが以下の図です。

02_想起確率を上げる(検討のテーブルに上がる)ための要素

細かくて見づらいので、テキストに起こすと・・・

①-1:接触範囲(多くの人にリーチする)
・アプローチ範囲(メディア選定など)
・二次情報(SNS、メディアに取り上げられる等)の接触範囲

①-2:接触頻度(記憶に入り続ける)
・アプローチ間隔(頻度)
・アプローチ範囲(メディア選定など)
 └範囲が広ければ、リーチ可能性が上がり、頻度も上がる
・二次情報(SNS、メディアに取り上げられる等)になる頻度
・二次情報(SNS、メディアに取り上げられる等)の接触範囲

①-3:接触強度(インパクト)
・独自のブランド資産(元々持っている資産)
 └独自性・UIC(ユニーク識別特性)
 └知名度
 └一貫性
・接触方法に起因する要素
 └興味喚起
 └インパクト
 └情動変化

②-1:自発的(アプローチなし)に思い出す頻度・確率
・想起シーン(CEP)の多さ
・接触頻度と接触強度も影響する

②-2:自発的(アプローチなし)に思い出す時のインパクト
・想起シーン(CEP)とブランドの結びつきの強さ

③-1:ニーズ発火確率(カテゴリー購買検討時)
・自然発火
・外的要因による発火(上記の要素たちが影響する)

③-2:ブランド候補群に入る確率(カテゴリー購買検討時)
・カテゴリーからの直連想
・他ブランドからの連想


消費者(顧客)1人に着目して、時間経過と想起確率を図にすると以下のようになります。

03_第一想起率を上げるアイデア

この7つの要素の中で特に重要なのが、①-1:接触範囲(多くの人にリーチする)①-2:接触頻度(記憶に入り続ける)です。人間は基本的に忘れる生き物なのでブランドに関わる機会がなければ簡単に忘れてしまいます。

しかし、この2つの要素はやっかいな代物なのです。接触範囲を広げる手っ取り早い手段は何でしょうか?テレビCM等の大規模な広告ですね。そして接触頻度を担保するためにテレビCMを定期的に打つと・・・、そうお金がとてもかかるのです。

これはまいりました。

そこから紆余曲折があり、たどり着いた一つの案がPRの戦略的活用です。
以降の章では、ベルフェイスで実際に行ったPR戦略とその参考となった書籍を紹介します。参考元の書籍を読むと、より理解が進むのでぜひ読んでみてください。

1. ハブとなるメディアを探せ!

参考書籍:メディアの循環「伝えるメカニズム」

04_情報拡散のメカニズム

1-①:ハブとなるメディアとは?

PRを戦略的に活用するためにまず考えたのが「メディアを介してどのように情報を拡散させるか」です。そのメカニズムのカギとなるのがハブとなるメディアです。ハブとなるメディアとは、ひとことで言うと「インフルエンサーのメディア版」です。

特徴①:各メディアへ転載される可能性の高いメディア
自社が重視しているメディアへ転載される可能性の高いメディアは特に重要

特徴②:独自の記事・コンテンツ作成を行っているメディア
質の高い独自コンテンツをもっているメディアは、他メディアからも重要視されている可能性が高い

特徴③自社に興味を持ってくれそうなメディア
・自社のサービス・商品に興味を持ってくれそうなメディア
・自社の取り組み(人事制度など)に興味を持ってくれそうなメディア

なぜハブとなるメディアを重要視するのか?
・そもそもPRへ注力し始めた理由は、低コストで認知を広げる手段になり得ると考えたから
・低コストで認知を広げる(情報を拡散させる)には、メディアからメディア、そして我々のターゲットへとバイラルに拡散させていく必要がある
・その情報拡散のハブとなるメディアを抑えることがカギとなる

それではメデイアを介してどのように情報が拡散してくのか見ていきましょう。ここを俯瞰して考えられると、どこに注力すればより多くの人に情報を届けられるか見えてきます。

1-②:情報拡散の構造と流れ

①1次情報メディアに取り上げてもらう

05_情報拡散の流れ①

②取り上げてもらった記事がハブとなるメディアに転載される

05_情報拡散の流れ②

ハブとなるメディアから各種メディアに転載、記事ネタとなって拡がっていく

05_情報拡散の流れ③

④各種メディアから個人の閲覧、SNS・ブログ等でのシェアに拡がる

05_情報拡散の流れ④

⑤個人間でシェアされた情報が再び各種メディアの記事ネタとなり、情報が循環する

05_情報拡散の流れ⑤

ハブとなるメディアに対するアプローチ
もちろんハブとなるメディアに直接アプローチしてもらい、取材してもらう(記事にしてもらう)のも有効な手段です。

06_情報拡散_ハブ①

06_情報拡散_ハブ②

どうやってハブとなるメディアを見つけるの?
・自社が重要視しているメディア(n次情報メディア)の記事をチェック→よく掲載されているメディアを洗い出す
・自社が重要視しているメディアの記者に情報収集の際によく見ているメディアをヒアリングする
・多くのメディア、自社が重要視しているメディアに多く転載されるメディアは重要なハブとなるメディアである可能性が高い

ここまでメディアを介した情報拡散のメカニズムを解説しました。2章では、情報の中身(PRテーマ)について解説します。

2. メディアの興味をひくPRテーマの考え方

参考書籍:戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則

07_PRテーマ

1章ではどのように情報を拡散させていくかについて説明しましたが、拡散させたい情報に中身が伴っていないと意味がありません。我々が発信した情報に触れた人が、ものの見方の変化(Perception Change※)によって促される行動変容(Behavior Change※)を起こしてくれるには、どのようなPRテーマ(ネタ)を用意すればいいでしょうか?
その問いのヒントとなる「関心テーマフレーム」について解説します。

※Perception Change:認識の変化。理解、興味関心、好意度、購買意欲などの喚起向上。
※Behavior Change:選ぶ、買う、使う、広めるなどの具体化された行動を喚起すること

08_ビヘイビアチェンジ

出典:『戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則』本田 哲也(著)

2-①:関心テーマフレーム

09_関心テーマフレーム

出典:『戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則』本田 哲也(著

「商品便益」「世の中の関心事」「生活者の関心事」の3つをつなぐ
人の行動を変えるための土俵として、
社会関心(みんなが気になること)を喚起して、
『買う(選ぶ、使うなどを含めた行動を起こす)理由』につなげる

3つの要素
・① 商品便益:商品やサービスが提供する機能、競合との差別化ポイント
・② 世の中の関心事:世間や第三者が気になっていること、世間の話題
・③ 生活者の関心事:商品やサービスを使う人が抱えている問題、その解決

これらの3つの要素をつなげて間を取ることがポイントとなります。

2-②:PRテーマを見つける6つの要素

3つの要素(商品便益・世の中の関心事・生活者の関心事)を繋げたPRテーマを見つけるための6つの要素があります。

1, 「おおやけ」の要素、「社会性」の担保
・世の中のニーズや社会課題と自社や商品を結びつける視点

2, 「ばったり」の要素、「偶然性」の演出
・情報洪水の中で、偶然出会う(そう思える)情報の価値

3, 「おすみつき」の要素、「信頼性」の確保
・インフルエンサーなどの第三者発信によって得られる信頼性

4, 「そもそも」の要素、「普遍性」の視座
・普遍的なテーマが持つパワーの効用について

5, 「しみじみ」の要素、「当事者性」の醸成
・情緒的要素が結果的にもたらす当事者性

6, 「かけてとく」の要素、「機知性」の確保
・ウィットや頓知にみられる機知とリアルタイム性に富んだコミュニケーション

例えばベルフェイスでは、1,「おおやけ」の要素を軸としたPRテーマ「サステナブル営業」を世の中に広めようとしています。

10_サステナブル営業_ベルフェイス

サステナブル営業の詳細はこちら:https://bell-face.com/sustainable-sales/

今まさに社会課題となっている「持続可能な社会の実現(SDGs)」を軸に
社会の関心事である「ビジネスの持続性」「ガバナンス」「環境問題」
生活者の関心事である「キャリア・働き方」「サービスの体験(CX)」
・これらを商品(bellFace)の便益と結びつけています。
例)インサイドセールスによる場所に縛られない働き方の実現など

他には、調査レポートも社会課題と紐づけやすいテーマです。

金融メディア「The Finance」への寄稿記事
【調査レポート】証券購入における3つの壁 ~信頼構築と手軽さの両立がCX向上のカギに~

こちらもベルフェイスのリリースですが、
社会の関心事である「日本における資産運用への関心の低さ」
生活者の関心事である「お金に関する困りごと」
・これらを商品(bellFace)の便益と結びつけています。

bellFaceの便益に結びつけるストーリーはざっくりこうです。
・資産運用の経験に関わらず多くの人がお金に関する困りごとを抱えている
・資産運用の経験がない人も担当者にじっくり話を聞いて理解を深めれば「資産運用が解決策のひとつになり得る」と考えるのでは?
・そのためには信頼関係構築のための時間が必要となるが、一方で時間的制約に対する懸念が大きいという相反する課題が浮き彫りになった
・そこで相反する2つの課題を解決する「対面とオンラインのいいとこ取り接客」(bellFaceの便益)を提案する

こちらの調査レポートですが、ありがたいことに以下のメディアに掲載させていただきました。ITmediaビジネスが1章で解説した「ハブとなるメディア」になっています。

プレスリリース
証券購入に関する消費者の意識調査をベルフェイスが実施

ITmediaビジネスに転載
株式購入経験有無問わず、お金に関する困りごとは「老後資金」が1位に(ITmediaビジネス)

Yahoo!ニュースに転載
株式購入経験有無問わず、お金に関する困りごとは「老後資金」が1位に(Yahoo!ニュース)

2-③:PRテーマのブラッシュアップ

詳細は3章で解説しますが、
メディア(記者の方)に「このPRテーマは取材になるか」「(取材にならない場合)どこを改善すれば取材になりそうか」ヒアリングを行い、PRテーマをブラッシュアップしていきましょう。記者の方々は世の中の関心事と生活者の関心事に敏感なプロです。

3. メディア(記者)との関係構築

参考:【小さな会社】逆襲の広報PR術

11_メディアリレーション

3章では、メディア(記者)とどのように関係構築をすればいいのか、そしてどのようにすれば報道の連鎖を起こせるのか解説します。

3-①:メディアとの関係構築

目指すは「取材活動をするうえで有益な情報を提供してくれるパートナー」
相手の興味・関心を十分に把握したうえで、その相手が求めている情報を継続的に提供しましょう!
そうすることで、マスコミ関係者(記者・編集者など)にとって、「プレスリリースを押し売りしてくる赤の他人」から、「取材活動をするうえで有益な情報を提供してくれるパートナー」に変わります。

記者と良好な関係を築く15の質問
記者の興味・関心ごとを知り、良好な関係を築くための具体的な質問集です。これらの情報を把握しておけば、それ以降、その相手とのコミュニケーションはぐっととりやすくなります。

相手の興味・関心等を把握して、今後の適切な情報提供につなげる質問
・1.「○○○○さんのご担当の分野はどの辺りなんですか?」
・2.「最近、注目されている取材テーマはありますか?」
・3.「いま、担当されている連載やコーナーはどれですか?」

相手の行動パターンを把握して、今後のコンタクトを容易にするための質問

・4.「いつもは何時ごろに出社されるのですか?」
・5.「記事を書かれるのは、いつも何時くらいですか?」
・6.「連絡はメールがいいですか? それとも、携帯電話がいいですか?」

より有効なプレスリリースの送り方を確認する質問

・7.「プレスリリースって、ご覧になりますか?」
・8.「どんなプレスリリースなら取材したくなりますか?」
・9.「プレスリリースをお送りするなら、ファックスとメール、どちらがいいですか?」

相手の経歴や、異動の時期などを確認するための質問

・10.「以前は、どんな部署にいらっしゃったのですか?」
・11.「いまの部署に配属されて、どのくらい経つのですか?」
・12.「御社の記者さんのキャリアパスって、どんな感じなのですか?」

所属部署の組織体制や、意思決定の仕組みを把握するための質問

・13.「現在の部署には、ディレクターの方は何人くらいいらっしゃるのですか?」
・14.「企画会議は、どのくらいの頻度で、いつ行っているのですか?」
・15.「取材するかどうかの決定権を持っている方はどなたですか? デスク? 編集長?」

3-②:報道の連鎖

12_報道の連鎖_メディアの構造

出典:逆襲の広報PR術 野澤 直人(著

報道の連鎖とは?
メディア(記者)は、他媒体が報道したニュースを参考にして自社媒体の企画を考えたり、取材先を探したりします。
つまり、小さなメディアでも取材を受けることで他メディアから取材される確率が上がり、連鎖的に報道が増えていきます。

報道連鎖までの5つのステップ

ステップ1:報道分析
自社に興味・関心を持つ可能性のあるマスコミ関係者を探し出す

ステップ2:電話プロモート
リストアップしたマスコミ関係者に電話でコンタクトする

ステップ3:メディアキャラバン
マスコミ関係者と面談して、情報提供と取材依頼をする

ステップ4:PDCAサイクル
発信する情報やメディアリストを更新しながら、継続的に報道を実現させ

ステップ5:報道連鎖
マスコミ報道の連鎖を起こすことで、大量のマスコミ露出につなげる

報道の連鎖の例(※書籍内に出てくる例です)
・日経MJに記事が掲載→ワールドビジネスサテライトから取材依頼がくる
・SPA!に記事が掲載→とくだね!から取材依頼がくる
・自社商品について書かれたWeb記事が掲載→その記事を見たテレビのディレクターから連絡が入る

テレビの情報番組は後追いメディア
・テレビの情報番組は最先端の情報を取り上げるメディアではない
・Webニュースや新聞、雑誌などで数多く報道され、世の中ですでに具体的な現象となっている事柄を、後追いで報道するメディア
・報道の連鎖においても一番最後にやってくるのがテレビ

3-③:実際にやってみた

ベルフェイスでは、以下の4つの観点でヒアリング+スコアリングを行いました。このように点数付けまで行うことで、取材に繋がりそうか、改善すべき点がどこか等、客観的に判断しやすくなります。

・切り口(PRテーマ)への興味
・トレンド性
・媒体(メディア)との相性
・書きたいかどうか

13_記者ヒアリング_ベルフェイス

4. PRを戦略的に実行するための組織構造

14_PRを戦略的に実行するための組織構造

1章では、メディアを介した情報拡散のメカニズム(情報の広がり方)についてお伝えしました。ハブとなるメディアを介してより多くの人にリーチできるメディア(2~3次情報メディア)に掲載されていきます。
2章では、PRテーマ(情報の中身)についてお伝えしました。社会課題、顧客課題、商品便益を紐づける「関心テーマフレーム」を活用することでメディアとその情報を届けたい人たちを惹きつけることができます。ベルフェイスでは特に社会課題と自社サービスを紐づけるテーマ作りを実践しています。
3章では、メディアとの関係構築(情報提供の方法)についてお伝えしました。記者の興味・関心ごとを知り、記者が欲しい情報を提供することで良好な関係を築いていけます。積極的にヒアリングをしましょう。

最後に、ここまでお伝えしてきたことを実践するための組織体制や組織のあり方について、私が感じたことをお伝えしようと思います。

マーケティングとPR・広報
PR・広報は、低コストでブランド認知を広げることができるマーケティングにおいても重要な施策となり得えます。また、PR・広報では最終的に第三者(メディア)が情報を届けるため、客観的な情報になるのでブランドの信頼性向上というメリットも見込めます。
組織体制として理想的なのはマーケティングとPR・広報のメンバーが同じチームにいる体制だと思います。

PR・広報担当者とマーケティング担当者
戦略的にブランディングを行うマーケターと、メディアを開拓していく広報担当者が同じチームで同じ目標に向かうことで戦略的なPR活動が実現できます。
広報担当者が持っている記者との繋がり、各媒体の知識、どのようなPRテーマにメディアが食いつきそうかの感覚はマーケターにとっても大きな財産となります。繰り返しになりますが、互いの強みを生かすには同じチームで同じ目標に向かって協力し合うのが一番です。

広報視点でのチームへのプラス、“脱ひとり広報”までの道のりについては、ベルフェイスの敏腕広報こと小正さんがnoteに書いてくれています。こちらもぜひ読んでみてください!

私がここまでPRに注力してきて得られた一番の財産は、PR戦略の発見でもメディアとの関係構築でもなく、ましてやプレスリリースの書き方でもなく、互いの強みを生かせる関係性がPR・広報担当者との間にできたことだと思っています。
小正さんが書いている通り「苦楽を分かち合える仲間ができる」のは素晴らしいことです。互いの強みが生かし合える組織体制をあらためて考えてみてはいかがでしょうか?

ここまで読んでいただきありがとうございました!
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https://twitter.com/yoshi_tahi

参考書籍・記事
メディアの循環「伝えるメカニズム」
戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則
【小さな会社】逆襲の広報PR術
確率思考の戦略論
これからは「一番最初に思い出してもらえる第一想起ブランド」しか生き残れない

ベルフェイスのマーケチームで実際に設定しているKPIについてもおまけで書いていますので、良ければ読んでみてください!

(おまけ)KPI設計の具体例

15_KPI_ベルフェイス

KPI①(アウトプット指標)メディア掲載ポイント
・メディアごとにポイントを決める
 └アンケート調査でターゲットの人達が多く見ているメディアを出す
 └見ている人の多さに応じてポイントを決める
・掲載されたらポイントを加算する

KPI②(アウトカム指標)サービスサイト新規訪問者数
・記事がリーチした結果、行動変容を起こせたか?を測る
・メディア記事閲覧→もっと知りたくなる→指名検索or関連ワード検索→サービスサイト流入

16_外部メディア露出→サイト新規ユーザー数の流れ

(補足)KPIとしては設定していませんが、アウトカム指標としてSNSシェア数も計測しています。

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