部下を動かすリーダーの7つのコミュニケーション術/二つ目、指示ではなく質問する
◆『泣いて馬謖を斬る』の意味
ご存知の方も多いと思いますが、
中国の三国時代の格言です。
現代では『どんなに親しい間柄でも規則違反をした者は厳しく罰せなければならない』という意味で使われています。
なぜ、この格言が生まれたのか?
三国時代に時間を遡(さかのぼ)ってみましょう。
蜀(しょく)の国に天才軍師の諸葛孔明(しょかつこうめい)とその愛弟子の馬謖(ばしょく)がいました。
ある時、孔明は馬謖に敵と戦うために
「山の上に陣地を築いてならない!」と何度も命令しました。
命令された馬謖は、どうしたでしょうか?
そうなんです。
命令違反をして、山の上に陣地を築いたんですね。
しかし、山の上に陣地を築いために敵に包囲されて戦いに敗れてしまったのです。
いくら愛弟子であっても、命令違反をした者を許す訳にはいきません。
可愛い弟子だったけれども泣く泣く馬謖を断罪に処したのです。
ここから『泣いて馬謖を斬る』の格言が生まれたそうです。
◆馬謖が命令違反をした理由
なぜ、馬謖は命令違反をしてまでも
山の上に陣地を築いたのでしょうか。
これは私の考えでもありますが、
馬謖は孔明の誰でもわかるような命令を
何度も言われて頭にきたのだと思います。
『そんなことは言われなくてもわかっている!
馬鹿にするな!』と。
だから、絶対に無理だと言われた
山の上に陣地を築いて敵に勝って
自分の優秀さを証明してやろうと考えたのはないかと。
しかし、そうはいかなかった。
(悲しいですね)
◆もし、あなたが諸葛孔明だったら!?
では、諸葛亮はどんな風に馬謖に言ってあげたら良かったのでしょうか。
それは、質問してあげれば良かったんです。
例えば、こんな風に質問してあげたらどうでしょう。
「馬謖よ!今度、敵が攻めてくるんだが、
馬謖ならどんな戦い方をする?」と。
馬謖はどんな気持ちになるでしょうか。
『おお、私に戦い方を聞いてくれている。
私に任せてくれているんだな』
と自分を認めてくれたことに嬉しくなります。
すると、積極的に敵に勝つための作戦を考えるに違いありません。
孔明が命令した
『山の上に陣地を築くと敵に包囲されるから
麓(ふもと)に陣地を築こう!』という作戦になったかもしれません。
もし、意図した回答がでなかったときは
「どうして、そう考えるのか?」と
作戦の意図を聞き意見交換すれば、より良い作戦が立てられたかもしれません。
孔明にとっても、可愛い優秀な部下を失うこともなかったでしょう。
◆自主性を引き出す質問
同じようなことが私たちの職場にも起きていないでしょうか。
例えば、「会議をもっと効率的にしなさい」と、
指示だけで終わっていないでしょうか。
これでは、指示待ち部下を量産するか
ストレスが溜まり、心の病になる可能性があります。
「会議をもっと効率的にしよう!」と
号令を掛けるもの一つの手段ですが、
ここまで読んでいただいた読者なら、
「今度の会議をもっと効率的にしたいと思っている。
どんな進め方が良いと思う?」と
質問して部下を巻き込むのではないでしょうか。
部下はやる気になり良いアイデアを出してくるでしょう
質問で部下は勝手に動き出すのです。
◆今回の質問
【どんな質問なら部下は主体的に動き出すでしょうか?】
次回に続けます!お楽しみ!
参考文献:篠原信著「自分の頭で考えて動く部下の育て方」文響社
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