noteでできた友達のこと
noteでよかったことはいろいろあるけれど、今回は、noteでできた友達について書く。
■環境の変化により、インターネットをするようになった
2017年まで山小屋で働いていて、2018年からフリーランスのwebライターになった。
山小屋は住み込みなので、常にまわりに話し相手がいる。一方フリーライターは自宅仕事だ。夫以外に話し相手がいない。ときおり無性に、夫以外の人と話したくなった。
その頃、東京に友達が激減していた。もともと出身は札幌だし、山小屋の友達は山にいるし、東京の友達は少ない。その数少ない友人たちも、地元に帰ったり、田舎に移住したり、転勤で引っ越したりしていく。さみしい。
吉玉サキとしてnoteを書きはじめたのは、そんなときだった。
それまでは、あまりインターネットをするほうではなかった。
ネットで買い物や調べものはする。SNSアカウントも各種持っている。でも「ネット民」と呼ばれるほどよく見ているわけではない。そんな感じ。
だけど、webライターになり、noteを毎日書くようになってからは、どっぷりSNSをするようになった。主にnoteとTwitterだ。
■どんどんnote友達が増えた
そのうち、noteで出会った人たちと、ネット上で言葉を交わすようになった。
昔も、(今とは別の)Twitterアカウントを持っていたので、ネット上で知らない人とやり取りするのははじめてではない。
だけど、昔はそこまで夢中になれなかったネット上のコミュニケーションがこのときはすごく楽しく、のめり込んだ。10年勤めた山小屋を辞めた寂しさを、ネットで埋めていたのだと思う。
やがて、吉玉名義の仕事が増えてきた。
ちょうどその頃(2018年夏)、はじめてnoteの非公式オフ会に参加した。ネットで知り合った人とリアルで会うのは人生初だ。
それからはどんどんnote友達が増え、リアルで遊ぶ機会も多くなった。
いつの間にか、本名と同じくらい、「吉玉さん」と呼ばれるようになった。
■noteから距離を置いていた
昨年6月に本を出版してから、少し風向きが変わった。
なんていうか、noteで知り合った人から、noteの話ばかりされるようになった。
共通の話題だから、相手は盛り上がると思ってその話題を選んでいるのかもしれない。
でも、私はnoteをたくさん書いているわりに、あまりTLを見ていない。なので、たとえ相互フォローでも、個人的にやり取りしている人や、リアルで会っている人以外はよく知らない。
他のnoterの話をされても、「名前聞いたことあるなぁ」くらいしか認識していないことが多いのだ。
なのにやたらと、noterや記事、関連イベントの話をされるようになった。なぜか、私が知っている前提で。
ごめん、知らないし興味ない……。
また、「フォロワー数」「影響力」「note編集部のおすすめ」「ブランディング」みたいな話をされることも増えた。
会う人会う人に同じような話をされるので、正直飽きる。
めずらしい名前の人が、初対面の人に「めずらしいですね! どういう字書くんですか?」と言われ、今まで何百回と繰り返してきたそのくだりに「またか……」とうんざりする。そんな感じ。
こういうことを言うと、今度は「そうだよね、フォロワー数なんてクソくらえだよね!」と言い出す人がいる。
だけど、私はそっちの意見にも飽きている。「フォロワー増やそう」も「フォロワー数クソくらえ」も、どっちにせよ、インターネットの話題じゃん。
もっと、いろんな話しない?
世界は広いし話題は無限なのに、せまい界隈の話ばかりしてるの、退屈だよ。それしかない人生みたい。
そう感じることが増えて、私はnoteから距離を置くようになった。
更新は続けていたが、イベントの登壇や参加は断り、コミュニケーションを絞った。昨年の秋のことだ。
■「しょうもない話」をできるのが嬉しい
すでに友達になっていた人とは、対面で会ったりDMでやり取りしたり、クローズドな場で接するようにした。
それが良かった。
noteの話・意識高い話・ビジネスの話ばかりの人を遠ざけたことで、しょうもない話ができる人が残ったのだ。少女漫画のキャラと付き合う妄想の話とか、架空のロバの話とか。とても楽しいし、嬉しい。
私はしょうもない話を愛している。
大人になってから出会った人とは、しょうもない話がしにくい。大人ってあまりふざけないから、真面目な話のほうがハードル低く、しょうもない話のほうがハードル高い。
だから、しょうもない話ができる相手は貴重。私はnoteで、そんな友人たちと出会えた。
今、noteの月間アクティブユーザーは4400万人いるらしい。そんなにたくさんの人の中で出会うことができたなんて、奇跡みたいな確率じゃないか。
出会ってくれてありがとう。
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