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理想どおりにモテなくてもさ

昨日、「一切の努力をせずともハイスペック男子が私にベタ惚れ」という状態を理想とする友人の話を書いた。

(略)彼に好かれる努力をしなくても恋が実る。もちろん、ダイエットも、服装を彼の好みに合わせることもしなくていい。だって、彼はありのままの私が大好きだから——という状態だ。

まさしく理想だ、と思う。

モテファッションやモテメイクを研究しなくても、飲み会でサラダを取り分けなくても、好きな人から好かれる。

これ以上望ましい恋愛があるだろうか。

頑張って手に入れるよりも、頑張らずに手に入れたい。

誰だって、本当はそう思ってるんじゃないのか。

◇◇◇

友人のメグミはそういった願望をたびたび口にする。

しかし、彼女自身もそれが「都合のいい理想」であることは重々承知している。

また、「望む結果が得られていない」という現実も、「今より努力すれば望む結果を得られる確率が上がる」ことも、重々承知している。

この「重々承知」こそが大切なことなんじゃないか、と私は思う。

◇◇◇

以前、知人のHさんがこんな話をしていた。

「相手に好かれるために自分を偽っても、結局は付き合ってくうちに本性がバレてフラれる。それなら最初からありのままの私を見せて、それを好きになってくれる人と付き合いたい」

バレたらフラれる本性ってどんなだよ、と思うがそれは置いておいて。

Hさんとメグミの理想は同じだ。

しかし、「ありのままの私」を見せ続けた結果、Hさんは10年くらい恋人ができずにいる。出会いがないわけではない。かなりのハイペースで恋をして、積極的にアプローチもするのだが、ことごとくフラれ続けているのだ。

それでも、「ありのままの私」を見せる戦略(?)を崩さない。

そして、

「男に媚びずに自分を貫いて何が悪いの!?」

と言い出す。

いや、何も悪くない。誰も悪いだなんて言ってない。

私も周囲の人間もみんな、Hさんのやり方に口を出していない。「そうなんですね」とか「いいんじゃないですか」しか、言っていない。

Hさんのやり方は、別に悪いことではない。

ただ、Hさんにとって望む結果が出ていないだけだ。

つまり、得策ではないのだ(少なくとも彼女においては)。

◇◇◇

もちろん、得策ではないポリシーを貫く権利はある。

「ありのままの私」を貫くのも、方向転換するのも、Hさんの自由だ。

しかし彼女は、恋人ができないことを世の男性の見る目のなさのせいにし、モテを意識している女性を激しく罵倒する。

「ありのままの私」がモテない事実を他人のせいにして喚くのだ。

これが、メグミとHさんの決定的な違いだ。

もちろん、愚痴も罵倒もHさんの権利だ。私は彼女を咎めない。

だけど、私は彼女から誘われると脊椎反射で「すいません、その日は予定あるんです~」と答える。

汚い言葉を吐く権利もあれば、それから身を守る権利もあるのだ。

◇◇◇

努力せずに望みが叶うなら、それに越したことはない。

だけど、それが叶わなかったとき。

「ですよね~w」と笑って焼き鳥をつつける女とだけ、友達でいたい。



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