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水井真希さんと金子遊さんの裁判について、性暴力問題に詳しいライターの小川たまかさんの記事が掲載されました。

2023年7月23日にご逝去された俳優・映画監督の水井真希さんと多摩美術大学准教授(休職中)の金子遊さんの裁判について、性暴力問題に詳しいライターの小川たまかさんの記事が掲載されました。

しかし、記事中に仮処分決定に関する間違いがあると思いますので、補足させて頂ければと思います。

私の理解では、水井真希さんの2022年7月〜12月の投稿(約50件)に対して、金子遊さんは訴訟を起こしていたわけではなく、これらの投稿が名誉毀損だと判決で法的に認定されたわけでもありません。

あくまでも仮処分決定であり、金子遊さんが法務局に30万円の担保金を支払って、削除の必要性を仮に認めてもらったに過ぎません。しかも、その対象となったのは、全部で約50件あるうちの約35件のみです。

2023年7月31日に金子遊さんが自身のブログに仮処分の決定を告げるただの通知書の画像とともに発表した文章には、「名誉毀損を認定」「判決書類の一部」「判決文の一部」などと、あたかも本案訴訟の結果であるかのように書かれていますが、これらは虚偽記載です。

水井真希さんの一連の投稿は、法的に何ら問題はありませんので、「不法な投稿記事」では全くありません。したがって、「リツイートして拡散したり、引用をして投稿」したところで、刑法上の「名誉毀損罪に問われる」はずもありません。事実、水井真希さんの一連の投稿は、現在に至るまで削除されていません。

また、私自身も横浜地裁、東京高裁、千葉地裁の判決文を全て確認しましたが、一字一句同じではないにせよ、水井真希さんの告発内容は、裁判の認定事実とも全く齟齬はありません。

水井真希さんと金子遊さんの事件は、2017年と2023年の二度の性犯罪刑法改正前の2013年〜2014年に民事裁判(横浜地裁と東京高裁)で不法行為に基づく損害賠償請求という形で争われましたが、性被害に関する司法判断は、当時の刑法上の性犯罪(旧刑法177条の強姦罪及び準強姦罪)の構成要件(とりわけ抗拒不能)に厳密に影響され、性被害に関する当時の司法の無理解と偏見が反映されたものに過ぎません。

なお、理由は不明ですが、2022年7月11日、7月12日、9月30日に投稿された以下の4つのツイートは2023年8月下旬に削除されました。

この事件に関するこれまでの経緯は以下の通りです。

多摩美術大学は、2023年8月8日付けで発表した「本学教員のSNS上で言及されている件への対応について」という文章を、8月28日頃にホームページから削除しました。「この内容この3週間程の僅かな掲載期間で、既に説明責任を果したと考えたからとのこと」との情報がありますが、教育機関として、このような対応は極めて不適切であると思いますので、こちらに文章を再掲させて頂きます。

2023年9月6日に私も金子遊さんから以下のメッセージを受け取りました。

また、金子遊さんは2023年8月8日に自身のブログに発表した「故人へのお詫びと活動中止のご報告」という文章を2024年1月1日頃に削除しました。

元映像研究者の那田尚史さんが金子遊さんについて書いていたブログがまだ1本残っていました。

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