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待つ女③


【「Miss&Mister Idol」という本を出版致しました! よろしければどうぞ!】

 私の趣味?アイドル鑑賞。

 1年前までは本当に興味がなかったが、なーにが切欠だったかなー。ああ、そうだよヒャダインさんだ。知らない?京大出身の作曲家だよ。ヒャダインさんの曲が好きで、聴いていたらアイドルに結構曲を提供しているから聴いてたらすっかりはまってしまったんだ。私は「ヒャダインさんの曲を歌うアイドル」が好きで、ヒャダインさんがそのアイドルに曲を提供しなくなるとすっかりそのアイドルに対して興味が薄れるのである。アイドルって言っても曲は大事だよね。

 過去に様々なアイドルのコンサートにも行ったし、写真集を購入したり、好きなアイドルのブログをコメントしたり、インスタを見てそのアイドルの髪型を真似したり、私の人生はつまらなくなればなるほどアイドルにはまっていった。
 魅力はその懸命な姿だ。最近のアイドルはやたら振付が激しい曲に合わせて元気いっぱいに踊るというのが主流らしいが、感動する。事務所に無理矢理やらされていたとしても、ハードスケジュールの中、活発に踊る彼女達に感動するのだ。
 
 でも逆にそんな自分に嫌悪感を覚え始めた。これは所謂「自己投影」という奴で、自分の人生で出来ない事をアイドルに託しているだけだ。まあ、アイドルファンっていうのはそういうモチベーションで応援する方は多いけど、何か、嫌だなって思った。

 最近アイドルもtwitterやインスタ等で「自己発信」するようになり、単ににこにこするだけのアイドルが逆に珍しくなってしまった程だ。アイドルフェスで自分のファンがマナーが悪くなったら注意をするし、またその注意をするアイドルを叩く輩もいる。

 悪意に底がないのだ。「熱海に旅行に行った」と何の他意のない文章に対しても「金持ちは良いですね」、とか不満が募る人もいるような社会だ。自分の人生がうまくいっていないからアイドルに投影して、自分によって心地が良くない発言があったら叩く、叩く、叩く、人格否定をする。それは自分に対する「埋め合わせ」の行為のように思えた。自分の欠落している部分を他人の力を使って埋めようとしている。

 アイドルのファンの世界の覗き込むと、ドロドロしていて、大抵何かがうまくいっていない気怠さが一言、一言の言葉に絡まっているのだ。まあ、全員ではないかもしれないが、見た限りそうだった。怖かったのだ。

違う、アイドルは全員だ。生きている人間皆アイドルだ

違う、アイドルは全員だ。生きている人間皆アイドルだ。
誰かに、自分を重ねて、自分の代わりに頑張ってもらうなんてうんざりだ。
自分の人生を生きたい。

 
今日もアイドルのtwitterを見る。
すると、「35歳まで応募できるアイドル2017」の広告を見つけたのだ。

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