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ぬいぐるみの恩返し

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ぬいぐるみにも心があることを知っていますか? ぬいぐるみが主人公の物語です。
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#ライトノベル

【ぬいぐるみの恩返し】1「決断」

 ぼくはウサギのぬいぐるみ。水色のシャツを着て、青いズボンを履いている。後ろから見ると、…

【ぬいぐるみの恩返し】2「計画」

 ぼくはこの家を出て、新しい家族のところに行くことにした。新しい家族を見つけるためには、…

【ぬいぐるみの恩返し】3「ゴミ箱の上」

 ぼくは昨日の夜、エコバッグに入り込んだ。そして今朝、ジェニファーはぼくの入ったエコバッ…

【ぬいぐるみの恩返し】4「絶望」

 ゴミ箱の上に置かれて、何時間たったのだろう。  ぼくは何百回も子供に拾ってもらうところ…

【ぬいぐるみの恩返し】5「女神」

 もうだめだ。終わりだ。  ぼくがそう思った時、誰かがぼくを持ち上げた。女の人だ。ぼくが…

【ぬいぐるみの恩返し】6「名前」

 助かった。死なずに済んだ。ぼくはほっとしたけど、まだどきどきしていた。すると、「ねえ、…

【ぬいぐるみの恩返し】7「お散歩」

 ぱん田がぼくに聞いた。  「プトラ、どこから来たの?」   「持ち主の鞄からうっかり落ちて道に倒れてたら、このおばさんに拾われたんだ。」  「それは大変! プトラの持ち主、きっとプトラのことを探してるよ。」  「そうだね。でも、このおばさんに拾われたのも運命だ。ぼくはこのおばさんについていくよ。」  「プトラ、それでいいの? 本当に? じゃあ、うちにおいでよ。一人ぐらい増えても養えるから。」  ぱん田はそう言い、ドラちゃんはにっこりした。  養える? それはそうだろう。ぬい

【ぬいぐるみの恩返し】8「初めての気持ち」

 ぼくたちは白馬から取り上げられ、トートバッグの中で再び揺られた。ぱん田がこのおばさんの…

【ぬいぐるみの恩返し】9「新しい名前」

 その後もバッグの中で揺られていると、ぱん田が言った。  「佳乃さんはきっとプトラに新し…

【ぬいぐるみの恩返し】10「新しい家族」

 その日の夜、ぼくはぱん田の隣に寝かされた。ベッドで寝るのは初めてだ。持ち主と一緒にベッ…

【ぬいぐるみの恩返し】11「ガーの写真」

 次の日、佳乃さんがぼくを抱き上げ、ぼくに写真を見せた。  壁にガーの写真がたくさんはっ…

【ぬいぐるみの恩返し】12「二人きりのお散歩」

 次の週末、佳乃さんはぼくをトートバッグに入れて散歩に連れて行ってくれた。佳乃さんは散歩…

【ぬいぐるみの恩返し】13「ここはどこ?」

 その翌日、佳乃さんはまたぼくだけをトートバッグに入れて出かけた。今度はお散歩ではなかっ…

【ぬいぐるみの恩返し】14「お花のイベント」

 今日は佳乃さんのお休みの日だ。ぱん田が朝からそわそわしている。どうしたのだろう。  「佳乃さんは今日、お花のイベントに行くんだ。ボクも連れて行ってもらえるかなあ。」  お出かけか。ぼくも行きたいな。ぼくも連れて行ってもらえるだろうか。  「ガーは行くよ。佳乃は特別なお出かけにはガーを必ず連れて行くんだ。」と、ガーが自信たっぷりに言った。  佳乃さんは朝食を済ませると、いつものトートバッグに水筒と傘を入れた。それから、ドラちゃんをクローゼットから出し、ぬいぐるみたちを見る。