YoshidaTakao0513

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『星の王子さま』による上演の死。展示の死。

「大人って変だ」 生身の人間が、この台詞を発話するのはとてもとても難しい。 無邪気な子供が、ふとした時に、周りの大人たちに向けて、勇気を振り絞って言った時に、初めて成立する台詞だ。 ましてや、舞台の上演の中で、成立させることは、人工的に自然を作り出すような魔法に近いトリックが必要になる。 2024年6月20日~24日にWAKABACHO WHARFにて、上演されたサン・テグジュペリの原作による『星の王子さま』でまさにそのようなマジックが起きていた。 出演・人形製作である大

    • エロカンターレ、Mr.ドンファン

      作・吉田高尾 ▼登場人物 ・紀州のドンファン ・小川項羽(大川隆法) 男が二人、舞台中央で立っている 紀州 朝目覚めると、なぜだか涙が止まらない。こういう事が俺にはよくある。 小川 朝目覚めると、なぜだか涙が止まらない。こういう事が私にはよくある。 紀州 俺は、だれか一人を、あの人だけを、探している。 小川 私は、だれか一人を、あの人だけを、探している。 紀州・小川 あとほんの少しだけでいいから。 小川 あなた、死に別れた奥さんにもう一度会いたいと思いませんか? 紀州 

      • 繰り返される問いとしての『プラットフォーム資本主義』書評

         資本主義とはなんなのか?  本書は、この問いに関する昨今の状況を分析した本であり、理解するための本である。  資本主義とはなんなのか? 繰り返しの問いになってしまうが、この問いの「繰り返し」こそが資本主義の構造である。しかも、それは繰り返されるほどに拡大する。お金(Money)が、ただ消費されるだけでは、それはお金でしかない。お金が、設備投資などによって、確実にさらなる利益を生み出す時、それは資本(Capital)に変容する。そして、拡大再生産を繰り返す。労働者が労働者を

        • 星野源が「自由の押し付け」と言われる時、神の子どもたちはみな踊れるのか?〜アートサイト神津島2024に寄せて〜

           日本のポップスターと言っていい星野源がフェスで、 「あの、(身振りを交えながら)こういうやつ、この時間だけはやめましょう! 好きに踊ってください!」 と言う時、星野源と一つになりたい観客の欲望は宙吊りにされ、「自由が押しつけられた」と観客の欲望が祟りだす。そこにいる数万人の人々が、「星野源」というポップスターと一つになる。ことを望んでいる。その気持ちはわかる。そして、それをなんか嫌だなと思う星野源はまさしく「大人計画」だろう。  自由(自分で自分のことを決める)と幸福

        『星の王子さま』による上演の死。展示の死。

          「序章」としての『ゲーム的リアリズムの誕生』の書評

           「動物化するポストモダン2」という副題にある通り、本著は前著「動物化するポストモダン」の続編である。「序章」で、東浩紀はそう記述している。ここで東がいう「序章」は、あくまで、前著のまとめ要約、前提知識の共有のためのものでもあり、本論の要約ではない。前著『動物化するポストモダン』はつまるところ、本著『ゲーム的リアリズムの誕生』の「序章」であったとも言える。  その本論の構成は、第1章が「理論」、第2章が「作品論」となっている。さらに各章が3つに別れに別れており、第1章は社会

          「序章」としての『ゲーム的リアリズムの誕生』の書評

          オセローが「Active Analysis」するとき、ハムレットは、「STRONG ZERO」を飲むのか?

          あなたは今まで、誰かに嫉妬したことはありますか? 生まれた時に、既に先に生まれていて、自分より優位に立つ兄や姉に、または、一人っ子だったはずなのに、後から生まれてきたにも関わらず、両親の愛を奪っていく弟や妹に。 学力やスポーツで、自分よりも優秀な同級生に。 相思相愛だと思っていたのに、自分のただの思い込みで、その人の本命が別の人だった時に。 嫉妬によって構成されている、ウィリアム・シェイクスピアの四大悲劇『オセロー』、こまばアゴラ劇場にて2024年1月31日[水] - 2月

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