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経済リスクとロスと行動経済

経済の考え方その①「2者択一」

経営を行っていると前年比○○%UPと言う表現があります。
これは前年度からどれだけ上がったのか?
と言う指標です。
私も会社に属していた時は、
中期的に5年毎の事業計画書を立てるのですが、
前年度からの売り上げや経費を組み立てて作成するので、
その指標は活用していました。
しかし…
コロナ禍となった今、
単純に前年比と計れなくなってきました。
コロナ禍の影響はまだまだ続いていくからです。
行動経済を記載しているので経済ネタを書きますが、
経営は良い事ばかりが続かないのは世の常です。
「リスク」と「ロス」を常に考えていく事が必要です。
このままリスク(危険)を冒してリターン(報酬)確保を考えていくか、
もしくはロス(損切り)を視野に入れて見切りを付けて再生策を考えるか…
常に2者択一を迫られているのです。

経済の考え方その②「損失回避性の罠」

ロスは損でしかないので…
ある意味デメリットだらけの気がしますが、
諦めがついて次への道が拓きやすい!
と言うメリットはあります。
リスクは危険と言うワードですので、
リターンと言う反対の振れ幅も見え隠れしているのです。
しかしこれがなかなか厄介なのです。
国際通貨基金(IMF)の発表では、
「新型コロナによって金融システムは劇的な影響を受けている」として、
コロナ禍による世界の損失リスクを9兆㌦(900兆円)強と見込んでいます。
これは低格付け債(ハイイールド債)と言われる、
デフォルトリスク(信用リスク)の高い債券の損失リスクなのです。
しかしリターンも否めない…
ココに損失回避性と言うプロスペクト理論が入ってくることで、
逆に人は深みにはまっていく可能性を秘めているのです。

経済の考え方その③「前年比の考え方」

冒頭に私がなぜ対前年比の話を入れたかと言うと…
コロナ禍が落ち着いて飲食業界へ顧客が戻った状態でも
良くて80%辺りが妥当だろう!と言われているからです。
例えば…
2019年4月の売り上げが10,000,000円としましょう!
そこへコロナの影響で2020年4月の売上が、
前年比80%まで落ち込んだとします。
しかし!
2021年は奇跡の回復を遂げ、
前年に落とした分を跳ね返す120%増だったとしましょう。
2019年100%→2020年前年比80%→2021年前年比120%
単純に考えれば2019年に戻っていると感じませんか?
実際の数字にあてはめてみます。
2019年10,000,000円→2020年8,000,000円→2021年9,600,000円
となるのです。
この場合ですと…
2019年度ベースに戻すには、
前年比125%を超えて来なければいけません!
今までと同じ考え方ややり方で、
年間通して130%近く上げて行くと言うのは、
なかなか容易な事ではないのです。

コロナ禍の一つの新しい考え方として

単に前年比だけを見ている人は意外と多かったりします…
20%落ちたから20%上げればいいと言うモノではないのです。
しかも必要経費は毎年確実に上がっていく。
経営のリスクは年々増えていくのです。
これは正しいかどうか置いておいて…
コロナ禍後の時代に再生を帰すために、
一旦リセットさせる事は必要であると感じます。
これは会社を倒産させる、
長年続けてきたお店を閉業させるというだけでなく、
「時間を掛けて真剣に考えてみる」と言う意味もあります。
そして…
その結果に新しく創業支援を受ける!
と言うのはありだと思っています。
当たり前ですが…
あえて書いてみました。

教育的観点で行動経済を当てはめてみる。

さて、
日本人の教育はお金の勉強はしてくれません。
私も学びませんでした…
しっかりと学んでいたら、
ひょっとしたらもっと違った人生があったのかもしれませんが、
証明しようがありませんので割愛しておきます。
行動経済はまさに!
金融教育の学習意欲を促進させる役割があると考えています。
例えば…
1ヵ月のお小遣いを渡す際に、
その日のレートで1,000円分だけ「米ドル」で渡してあげるとか
もしくは「クウェート・ディナール」で渡してあげても良いかもしれませんね(笑)
子どもたちが…
なんでクウェート・ディナールなの?となれば、
これだけで何か起きる気がしますよね。
常に興味喚起を示して、
自らがその世界を学んでみようと思えるように、
選択肢の中から誘導してあげる仕組みが重要です。

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