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デザインシステムを作る上で最初にやることとは?

電子契約サービス「クラウドサイン」デザイングループ プロダクトデザインチームの吉林(よしばやし)です。

クラウドサインでは、現在デザインシステムの整備を進めています。

今後、全5回に分けて作成に至った背景や、実際の内容・運用の様子などをお伝えできればと思っておりますので、お付き合い頂ければ幸いです!

連載の目次(予定)

第1回 デザインシステムを作る上で最初にやること(👈 今回の記事です)
第2回 内容面について
第3回 仕組みづくりについて
第4回 組織への浸透について
第5回 デザインシステムの今後について

CloudSign デザインシステムの紹介

CloudSign Design System "Delta Wing"のトップページ
CloudSign Design System "Delta Wing"のトップページ

社内での公開から約7ヶ月が経過しており、デザイナー内はもちろん、開発チーム内でのデザインの擦り合わせにも活用しています。

今回は「デザインシステムを作る上で最初にやること」と題して、デザインシステムを作る前に取り組んだことをご紹介します!

これからデザインシステムを作成する方の参考になれば幸いです。


最初にやることとは何か

まず最初にやるべきは「何を実現させたいのか」をチーム内で明確にすることだと思います。

当たり前のことだとは思いますが、デザインシステムの構築はあくまで課題解決の一つの方法です。

したがって、まずは実現させたいゴールを深掘りし、現状とのギャップに対するアプローチを考えます。もちろん方法はデザインシステムに限定せず、検討していきました

実現させたいゴールを決めて、深掘りしていく

ゴールの状態を深掘りした図
最初にゴールを決めた上で、深掘りしていきます。

早速「何を実現させたいのか」「どのような状態が理想なのか」を考えた上で、私たちは下記のようにゴールを設定しました。

私たちが決めたゴール:速度・クオリティ向上のための仕組みを誰でも活用できる状態

ゴールを決めたら、ゴールを構成する要素に疑問を投げかけつつ深掘りしていきます。

  • 速度を上げるために必要な条件とは何か?

  • クオリティを向上するために必要な条件とは何か?

  • 誰でも仕組みを活用できる状態とは、どのような状態か?

チーム内で議論した実際の画面
ゴールの状態を深掘りし、必要な要素をチーム内で議論しました。

そして、チーム内で得た様々な意見をもとに、ゴールの条件を定義します。

①コンポーネントの定義・用途が明確に定められている。
②デザインルールなどの情報は、誰でもわかる場所に明記されている。
③デザインルールなどの情報は、常に最新化されており、全員が認知している状態である。

上記を実現することができれば、速度やクオリティを今よりもさらに向上できるのではないか?(=ゴールを達成できる)という結論に至りました。

ギャップの分析と解決方法の検討

ゴールが明確になったところで、現状とのギャップの分析と解決方法を考えます。

ギャップから課題解決方法を考える図
ギャップの分析と解決方法の検討

①コンポーネントの定義や用途が定められておらず、認識を統一できていない。
👉  情報のフォーマットを決め、ドキュメント化した上で全員に共有する。

②コンポーネントやデザインルールを調べるのに、時間がかかっている。
👉  情報を1つの場所に集約し、一元管理する。情報はすぐに見つかるようなわかりやすい構成に変更する。

③デザインの更新ルールが特に決まっておらず、何が最新かわからない。
👉 更新ルールを決め、情報を常に最新に保つ。更新した場合は全員に周知されるような仕組みを作る。

この①〜③の解決方法となり得るようなドキュメント、仕組みを作ることができないか?という考えが、デザインシステムの構築に課題解決を求めたきっかけでした。
ここからやっと、実際にデザインシステムをどのように作成するかを考え始めます。

文章がかなり長くなってしまいましたが(やっとデザインシステムの名前が!笑)、「なんとなくデザインシステムはあったら良さそうだから…」という理由で作るのではなく、

「何を実現させるためなのか」を考えてから作ったことで、化石になってしまわない、常にアップデートされ続けるデザインシステムを構築することができました。


使用ツールの検討

解決方法が明確になったところで、実際にどのようなツールでデザインシステムを構築するべきか、検討を進めました。

不可欠な機能は何か、なくても困らないけどあったら良い機能は何かなど、チーム内で話し合いを重ねます。

ツールの選定条件を議論した実際の画面
MUST(絶対に欲しい)とHOPE(あったらいいな)に分けて、意見を出しました。

ツールを選定する上で、軸を固める

チーム内での意見をもとに、ツール選定の軸となる要件を固めていきました。

  • 情報の検索が可能である。

  • ディレクトリを作成可能である。(階層構造化できる)

  • Figma上のComponentライブラリーを活用できる。

  • デザイナーが編集可能である

  • 学習コストがかからない使いやすいUI(マークダウンレベル)

ツールの検討結果

軸が決まったところで5つのツールを比較検討し、実際にツールを触りながら、軸となる要件を満たすかどうか、じっくり選定していきました。

ツールの比較勝敗表
ツールの比較勝敗表

その結果、私たちの要望の全てを満たしていた zeroheight に決まりました 🎉

zeroheight とは?

zeroheight 公式サイトのトップページ
公式サイトのトップページより

デザインシステムの構築に特化した、ドキュメント作成ツールです。

通常のドキュメント作成ツールですと、コンポーネントの更新があった際には、コンポーネントの画像や情報の差し替え作業が必要だったり…と、更新作業でかなり骨が折れますが、

zeroheightはFigmaのComponentデータを簡単に同期可能なので、そこが一番の導入の決め手となりました。

zeroheightでのComponentの登録方法
公式のヘルプセンター より

他にも、コードが得意ではないデザイナーも使用できるようなUIになっており(まさしくnoteを書いている感覚と近いです!)、使用感で全員の納得が得られたのもzeroheightでした。

ちなみに、zeroheightについてはeurekaさんの記事がかなり参考になりました。ありがとうございます!

おわりに

電子契約サービス「クラウドサイン」のデザインシステムについて、今回は「デザインシステムを作る上で最初にやること」をご紹介しました。

次回は内容面について執筆予定ですので、お楽しみに!

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