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死なないデザインシステムを作るために必要なこと

電子契約サービス「クラウドサイン」プロダクトデザインチームの松本(業務委託)です。

第3回目は「仕組みづくり」についてです。
今回は、クラウドサインで行っているデザインシステム運用のための仕組みづくりについてご紹介させていただければと思います!

連載の目次

第1回 デザインシステムを作る上で最初にやること
第2回 デザインシステムのコンテンツづくり
第3回 仕組みづくりについて(👈 今回の記事です)
第4回 組織への浸透について
第5回 デザインシステムの今後について

デザインシステムは運用してこそ真価を発揮する

当たり前のことですが、せっかく時間をかけてデザインシステムを作ったものの、作って終わりでは意味がありません。「おにぎりを握って、食べない」と同じですね。
情報のアップデートなどメンテナンスを怠っていると使い物にならなくなり、どれが最新の情報なのか、そして一体何を信じたらいいのかわからなくなり「頼れるのはベテランのあの人の頭の中だけや」的なことになります。たぶん。

そうならないように、作成したデザインシステムをしっかりと運用させることが、生まれてきてくれたデザインシステムもきっと幸せになれると思いますし、私たちも幸せになると思います。
ですので、運用も大変重要なことだと考えています。
ウンヨウダイジ。

実際に行ったこと

デザインシステム関連の定例MTGの実施

定期的に下記MTGを実施していいます。

  • 月曜日(毎週):デザインシステムタスクのプランニング

  • 木曜日(毎週):デザインシステムについての議論

  • 木曜日(隔週):新規追加されたタスクのリファインメント

デザインシステムタスクのプランニングは、その週に行うデザインシステムタスクをメンバー間で共有し、どこまで対応するか計画します。
デザインシステムについての議論と、リファインメントのMTGでは月曜日で計画したタスクの状況と、新しく追加されたタスクのリファインメントを行います。
ちなみにデザインシステムのタスクはスプレッドシートで管理しています。

デザインシステムタスク管理表

スプレッドシートに記載したタスクは優先度順で管理しており(バックログ的なイメージ)、その中から稼働状況を考慮しつつ、それぞれが対応できそうなタスクを着手していくといった感じで運用しています。

デザイナー以外のメンバーから意見を取り入れる

デザインシステムは日々アップデートしていくものであり、さまざまな意見を取り入れ、共通言語として存在するべきだと考えていますので、先述のスプレッドシートにはデザイナー以外のメンバーからのお問い合わせを自動で取り込むよう仕組み化しています。

意見をもらう方法としてGoogleフォームでお問い合わせフォームを作成し、デザインシステムに関する不明点や、改善してほしい点をzeroheight、slackからいつでも誰でも問い合わせできるような仕組みを作りました。

デザインシステムについてのお問い合わせフォーム

フォームの内容を少しご紹介すると、

  • zeroheightのどのページへのお問い合わせなのか
    zeroheightというツール、またその導入経緯については「第1回 デザインシステムを作る上で最初にやること」でご紹介していますので、まだお読みになっていない方は是非ご覧ください。本当お願いします。

  • お問い合わせ詳細の記載
    より具体的な内容を記載いただきます。

  • デザイナーからの返信がほしいか、その期限

お問い合わせをいただいた内容はスプレッドシートに記録、そしてSlackのオープンチャンネルに投稿され、誰でも確認できるようにしました。
また、過去にいただいたお問い合わせもよくある質問としてすぐ見えるような場所に置いています。

デザインシステム大臣制度の導入

では、先述のお問い合わせいただいた内容への回答は誰がするのかといいますと、デザインシステム大臣が行います。
デザインシステム大臣とは、主にデザインシステムに関するお問い合わせへの回答と、デザインシステムタスクの管理を行う大変素晴らしいお方です。
大臣は、プロダクトデザインチームのメンバーが月ごとに持ち回りで担当することにしました。

持ち回りの大臣制度導入の理由としては下記が挙げられます。

  • 担当を決めないと他チームからの問い合わせに対して誰が回答するか、都度時間がかかり対応が遅くなってしまう

  • 他の問い合わせとの兼ね合いなど、全体を把握している人が必要

  • 持ち回りにすることによって、一人に負担が集中することを避ける

  • また属人化を避ける

  • そして全員がデザインシステムに対しての責任をしっかりと持つ

これで平和が約束されましたね。

デザインシステムの更新ルールの策定

作業のフロー
クラウドサインではJIRAを活用してタスク進行を管理しています。 デザインシステムタスクに関してもJIRAのチケットで進行管理することにしました。
作業はFigma、またはzeroheight上で直接編集します。
zeroheightを編集する際は、作業しているページタイトル先頭に一時的に[WIP]をつけ、編集中であることが一目でわかるようにしています。

レビューのフロー
作業が終了したら、レビューチケットを切ります。
チケットタイトルと概要を記載し、「デザインシステム」ラベルをつけてレビューチケットを切り、プロダクトデザインチーム宛にレビューを依頼します。

作業完了後
作業チケットとレビューチケットを完了に。
スプレッドシートのステータスも完了にして終了です。

まとめ

デザインシステムを作って終わりにしないために、クラウドサインが行なっている運用のための仕組みづくりについてご紹介しました。
デザイナー外からの問い合わせ窓口を設置するなど、デザイナーだけで運用しないことはデザインシステム作成開始当時から意識していました。
それをなるべくコストがかからない形で仕組み化することが実現できたと感じています。
また、各方面からのデザインシステムへの問い合わせ窓口とその対応方法、タスクの管理や進捗状況の確認、そして作業とレビューのルールをデザインシステム運用開始前に決めたことにより、現状は大きく躓くことなく運用できています。
もちろん改善の余地はまだまだあると思っています。
これまでお話しした運用方法を実践していく中で、新たな問題点・改善点など見えてくることは多々あると思いますが、その度に運用方法も最適化して、関わる人が幸せになれるようなデザインシステムを目指していきます。マジです。嘘じゃないです。

デザインシステムのコンテンツと同じく、運用方法も進めながら柔軟性をもってより良いものにアップデートしていくことが死なないデザインシステムを作っていくために必要なことだと考えています。

次回は、組織への浸透について執筆予定です。お楽しみに!

一緒に働く仲間を募集しています!

現在プロダクトデザインチームでは、一緒に働いてくださるデザイナーを募集しています!

デザインシステムのことはもちろん、クラウドサインのプロダクトデザインに興味がある方は、ぜひお気軽にご連絡ください😊

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