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短編小説

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短編小説です。0円です。どうぞ。
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記事一覧

ショートショート【春ギター】

「遅くなってごめんね、ちょっと寝坊しちゃった」 春ギターを持った彼が、恥ずかしそうに笑う…

よしいもあい
1か月前
6

掌編小説【秋の山】

 ショートケーキのイチゴはよく話題に上がるのに。モンブランについての議論は一度も聞いたこ…

よしいもあい
1か月前
5

短編小説【コールドブリュー】

 秋の空をそのまま映したような、青く透き通った目。その目を笑わせたいといういたずらな心で…

よしいもあい
4か月前
5

掌編小説【スニーカー】

 子どもは、好きではない。  よく喋る。よく喋るくせに、要領を得ない。だが、聞かぬと怒る…

よしいもあい
4か月前
7

ショートショート【写真】

 目が覚めた時にはもう昼時だった。最近はいつもこれくらいの時間に起きる。昨夜も遅くまで作…

9

ショートショート【夏だから】

「今週末は海へ行こう、夏だからね」父さんが言った。  見渡す限り田んぼが広がるような土地…

5

ショートショート【彼女の話】

「先にお飲み物お伺いしましょうか?」  席に着くなり店員が声をかけてくる。 「あー。ええっと……」  返事ともならない返事を返す。予想外の残業で疲れ切っていた私は、すぐに注文を決めることができなかった。そもそも居酒屋お決まりのこのセリフが私はあまり得意ではない。特に決まって好きなお酒もないし、居酒屋ごとにメニューが違うのだから最初の一杯からゆっくり選ばせてほしいと思ってしまう。  しばらくメニューを眺めている私を確認した店員は「お決まりになりましたらお呼びください」との言葉を

短編小説【レモンとうずら】

茶色の瓶から注がれる琥珀色の液体を眺める。上出来だ、きれいな泡を作り心の中で自画自…

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ショートショート【人の貯金箱】

 太郎が届いた。  ピンクの、柔らかくふわふわした、よく見ると豚のような形をしている包み…

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ショートショート【助手席のメガネ】

昨日の残業の後、彼から久しぶりに連絡が来た。 「今日時間できたんだけど。暇してたりする?…

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