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AS友の会(強直性脊椎炎の患者会)役員。人材組織領域のコンサルティング&実務経験20年…

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AS友の会(強直性脊椎炎の患者会)役員。人材組織領域のコンサルティング&実務経験20年。2011年に強直性脊椎炎と診断され、生物学的製剤6年、漢方薬8年。これまでのキャリアを活かしつつ、患者が活躍できる社会を目指した活動を行う。

最近の記事

20年経っても、社会は変わっていなかった

数年前、難病のこども支援全国ネットワークのチャリティーウォークで、日本にNICUを持ち込んだ仁志田先生と、山梨県は北杜市の道を歩きながら、なぜ先生が難病のこどもたちのための宿泊施設づくりに参画したのか、伺っていた。その中で、強烈に印象に残っているのは、以下のような趣旨の言葉である。 1/3の赤ちゃんは助かる。1/3の赤ちゃんは助からない。残る1/3は、重度の障害が残るが助けることができる。ただ、助けたとしても生きていくにはとても苦労することから、非常に葛藤がある。 そんな時

    • 紙上インタビュー:中金さんにきいてみよう

      RDD 適職 in 東京 「難病と就労を考える」開催にあたり、講師の中金竜次さんと打合せをしました。お互いの専門領域は異なるものの、目指す方向性が同じで意気投合し、あっという間の2時間半。中金さんの熱い想いを、事前に少しでもお伝えしたく、紙上インタビューにお答え頂きました。 Q. これまで、どのようなお仕事をされてきたのですか?A. 20年程、精神科重症病閉鎖病棟や、療育医療、がん病棟などで看護師として臨床に携わってのち、東京障害者職業センタの東京リワークセンターにて、メン

      • RDD 適職 in 東京開催に向けて

        日本AS友の会は、今年、初めてRDD Japanの世界希少・難治性疾患の日のイベントに参加し、「RDD 適職 in 東京」というテーマ設定で、「難病と就労を考える」対話集会と講演会を実施することに致しました。開催にあたって、炎症性腸疾患患者を対象としたオンラインコミュニティ・Gコミュニティを運営されている実績のある㈱ジーケア・宮崎拓郎さんに相談させて頂く中で、皆さんにも詳しくお伝えしておいた方が良いと思われる点をまとめました。是非、お読み頂き、関心を持って下さった皆さんと、お

        • 医療費が高い社員には辞めてもらいたい?!

          2015年頃に、ある大会社の人事部長が私に面と向かって発した言葉です。「同じ働きしかしていないのに、病気の社員に数百万円も多く払わなければならないのは不公平だ。」と言うのです。高額療養費制度の下、企業健保が支払う医療費負担が高まっていることに対する不満を述べたものでした。いわゆる難病の中には、年間数百万円の医療費がかかる場合があり、現役社員の場合、企業健保が7割を負担することになるため、その負担額は小さくありません。 しかし、そもそも高額療養費制度は、「医療費の家計負担が重

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          難病患者の就労

          就労に関するテーマは、患者会でも良く出るテーマの1つだ。「難病と在宅ケア(Vol.23 No.9)」に、年間1,000件余りの就労相談を受けていらっしゃった中金氏による特集「難病患者の就職活動のポイント」が掲載されていたため、要点をご紹介したい。 平成28年4月1日の「障害者の雇用の促進等に関する法律の一部改正」により、障害者手帳を取得していない、できない難病、がん、肝炎、糖尿病、難聴、弱視など、治療と就業の両立を考えながら生活を考えていく必要がある慢性疾患の方々に対しての

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          患者会の意義

          日本社会の高齢化や人口減少が進むのと並行して、患者会の高齢化と会員数の減少が進んでいる。AS友の会も高齢化が進み、20〜30代の会員は少ない。会員数は微増を続け400名を超えたが、有病率から推計される8,000~9,000名の国内患者数の5%程度しか組織化できていない。 ここで、改めて患者会の意義を考えてみたい。 古くは、日本の患者運動の先駆者である長宏氏はその著書「患者運動」の中で、患者会の役割を次のように述べている。 病気の科学的な把握 ー病気の自覚ー 病気と闘う気

          患者会の意義

          Be an Active Patient

          新年 明けまして おめでとうございます。 今年はActive Patient(能動的に行動する患者)を実践していきたいと思います。2011年に強直性脊椎炎を宣告され10年目。寛解、再発といった紆余曲折を経つつも、それなりに疾患管理をすることが出来るようになってきました。その経験を活かし、AS友の会の役員として、難病患者が納得のいく人生を全うすることができるような社会づくりをして参ります。皆様のご支援、宜しくお願い申し上げます。 強直性脊椎炎の患者会は世界的につながっており、

          Be an Active Patient

          指定難病の実態

          前回、指定難病をめぐる問題の所在は、限られた医療費財源を、どの難病・重症度等の患者まで分配するかにあることを述べた。今回は、指定難病の実態がどのようになっているか、対象疾患や患者の数、医療費助成の予算、難病患者一人あたりの医療費などについて確認する。 【指定難病と患者の数】かつての6倍に対象疾患は増加したが・・・ 令和元年7月1日現在、333の疾患が指定難病となっている。かつての特定疾患治療研究事業から、現在に至るまで、下記のように対象疾患の拡大が行われてきたことは評価に値

          指定難病の実態

          指定難病をめぐる問題の所在

          2019年12月に、元フジテレビアナウンサーの八木亜希子氏が「線維筋痛症」により、休業することが報道された。 「線維筋痛症」とは、3ヶ月以上の長期にわたって、身体のあちこちの広い範囲に痛みが出没し、身体の強いこわばりとともに、激しい疲労感、不眠、頭痛やうつ気分など多彩な症状を伴いますが、病気の原因はまだよくわかっていません。(リウマチ情報センターより引用) 病気の原因がよくわかっていない、という点を捉えれば、「線維筋痛症」は原因や治療法が確立されていない疾患、いわゆる難病

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