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RDD 適職 in 東京開催に向けて

日本AS友の会は、今年、初めてRDD Japanの世界希少・難治性疾患の日のイベントに参加し、「RDD 適職 in 東京」というテーマ設定で、「難病と就労を考える」対話集会と講演会を実施することに致しました。開催にあたって、炎症性腸疾患患者を対象としたオンラインコミュニティ・Gコミュニティを運営されている実績のある㈱ジーケア・宮崎拓郎さんに相談させて頂く中で、皆さんにも詳しくお伝えしておいた方が良いと思われる点をまとめました。是非、お読み頂き、関心を持って下さった皆さんと、お目にかかることができることを楽しみにしております。

①どうして「難病と就労」をテーマにイベントをやってみることにしたのですか?

難病は、1. 発病の機構が明らかでなく、2. 治療方法が確立していない、3. 希少な疾患であって、4. 長期の療養を必要とするものとされ、全世界で7,000疾患前後あると言われます。その中には、命にかかわるものもあれば、そうではなく、適切な疾患管理を行えば就労可能な疾患も多くあります。また、医学の進歩に伴って、進行を遅くしたり、症状を緩和したりすることができるようになることで、これまでよりも働ける可能性が広がってきています。
そして、指定難病には医療費助成がありますが、それ以外の難病には高額療養費制度や障がい者福祉制度による支援があるのみで、就労により生活の質を高めるニーズは大きいところです。
一方で、難病は医学的にも解明されていない点が多く、疾患管理が難しく、就労の妨げになることも少なくありません。私自身、発症当時、足掛け3か月に渡る入院後、職場復帰し、2年間は同じ職場で働いていましたが、生物学的製剤の影響で腸の活動が不安定となり常に下着を持ち歩く中、2度目の粗相をきっかけに、転職を決意しました。その後、寛解、再発を経つつ、働き続けてきました。
同じように難病とともに働く方々の知恵を集めることにより、新たに難病と診断されたり、悪化・再発されたりした方の「病気とともに働き続けられるだろうか」という悩みに、少しでも応えたい、と考えています。

②どのような方に参加してもらいたいですか?

日本AS友の会は、強直性脊椎炎の患者会ですが、今回のイベントは疾患に関わらず、また指定難病か否かを問わず、難病とともに働いている方に参加頂きたいです。20代~40代で指定難病受給者証が多く交付されている疾患は、潰瘍性大腸炎、クローン病、全身性エリテマトーデスなどがあります(参照チャート)。その他、若年性希少がんの方や、指定難病にはなっていない線維筋痛症の方などもご参加下さい。
なお、患者会のこれまでの活動の中で、就労前の学生の方や、保護者の方も、就労に対して、様々な悩みを抱えていることが分かっておりますが、それらの方向けの場は、別途、設けることを検討致しますので、今回は、ご遠慮ください。

③講演の講師として中金先生をお招きしたのは、どうしてですか?

今回のイベント実施にあたり、国会図書館で文献調査を行っていたところ、「難病と在宅ケア(Vol.23 No.9)」に、年間1,000件余りの就労相談を受けていらっしゃった中金竜次先生による特集「難病患者の就職活動のポイント」が掲載されており、その具体的内容に関心を持ったことがきっかけです。その後、中金氏の地道な活動に共感したため、今回のご講演依頼をさせて頂きました。私自身、新しい気づきを頂けるのではないかと、今から、ワクワクしております。

④当事者による対話の時間を設けているのは、どうしてですか?

東京大学の熊谷先生によれば、当事者研究とは、障害や病気を持った本人が、仲間の力を借りながら、症状や日常生活上の苦労など、自らの困りごとについて研究するユニークな実践とされ、当事者研究は統合失調症を持つ人々の間で行われ始め、徐々に、依存症や脳性まひ、発達障害など、様々な困りごとを持つ人々の間に広まってきています。また近年、患者中心の医療がうたわれる中、患者の経験(Patient Experience)や、患者の病気とともに生きた軌跡(Patient Journey)から気づきを得ようとする取組みが盛んになってきました(強直性脊椎炎のPatient Journeyはこちらを参照ください )。
そこで、患者当事者が、病気とともに働いてきた経験を言語化したり、他の方の語りに耳を傾けたりすることを通じて、新たな気づきを得られるのではないか、と考えたためです。

⑤どうして、今年、やることにしたのですか?

今年、日本AS友の会は30周年を迎えます。直近10年、生物学的製剤の登場により、強直性脊椎炎の治療は大きく進展し、以前と比べて、病気とともに働きやすくなりました。そこで、これからの30年は、働くこと、その他のライフイベントを含めて「病気ともに生きる」ことを支援していきたいと考えております。
そして、「病気とともに生きる」知恵は、疾患特有のものもあれば、そうではないものも多いため、RDD 2020のテーマのとおり、他の難病の皆さんと、「れあ」、「いっしょに」、「わかちあう」ことを目指していきたいと考えております。

「RDD 適職 in 東京」というテーマ設定で、「難病と就労を考える」対話集会と講演会は、こちらより参加希望を受付ております。定員25名を大幅に超える場合は、抽選となる可能性があることを、予めご了承ください。

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