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Vol.32_『リスキリング』は経営戦略である…

こんにちは。

あっという間に年の瀬…💧
今年も反省することだらけで、このnoteもサボってばかり。「来年からはきちんと投稿するぞぉ!」と、当たり前のように先送りする気満々だったのですが、珍しく「いやいや、noteの投稿は今年できるじゃないか?」と思い直し、今回の原稿作成に取り掛かったのであります。

テーマについては、来年は色々と人事関連(特に、教育、人材育成、キャリア支援、、)について学び直そうと思っていることもあり、肩慣らしではありませぬが、来年へ弾みをつけるという意味も込めて、最近流行り(?)の『リスキリング』を取り上げたいと思います…


1.リスキリングとは

説明の仕方は色々あるようですが、まあ言っていることはだいたい同じで次のようなことかと思います。

“新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること”

リクルートワークス研究所
リスキリング ~デジタル時代の人材戦略~

説明だけ聞くと、リスキリングなんて、ずーっと前から言われてることじゃん!と感じるのは私だけでしょうか…

何で今さら騒いでるんでしょうね…?

2.なぜ今、リスキリングなのか

リスキリングについて調べてみると、”DX時代の人材戦略”として語られる事が多いようです。

「DX」は2004年にスウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授によって提唱されたとっても新しい概念ですが、言葉としてはここ数年ですっかり浸透してしまうほど大注目されています。で、そのDX時代への対応として語られている『リスキリング』という言葉もDXとセットで「今」注目を集めるようになったということのようです。

まあ、自社戦略とリスキリングをどう結びつけるかということが重要なのではありますが、注目されている経緯を知ることはリスキリングが意味するところや考え方などを正しく理解する一歩になりますので大事にしたいところですね。

3.リスキリングの対象は誰

さて、『DX時代の人材戦略』と聞くと情報テクノロジーに関わるエンジニアの話と思い、そこに縁遠い私なんぞは「大変だね~、情報分野の人も…」と他人事のように捉えがちですが、どうもそれは全くの認識違いのようです。^^;

【DXとは?】
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

経済産業省「DX推進指標」より

提供する製品やサービスが変わり、ビジネスモデルが変われば、当然顧客へのアプローチ(営業手法)は変わるだろうし、デリバリーの方法も変わる。アフターやフォローの方法もそれに対応していかなければならない。

ビジネスの主要な部分が変わってくるとなると、当然かかわる業務も変化せざるをえないし、意思決定のプロセスもこれまで通りにはいかない。組織も変化に対応した最適なものに変わる。

このようにあらゆることが変化してくることを考えると、それを可能にしたり、受け入れられる企業文化・風土が必要になってくる。

というわけで、

ビジネスの各プロセスにいるすべての人が「デジタルで価値を創造する」ための新しいスキルを獲得する必要がある

つまりは、すべての人がリスキリングの対象であるということです。このことにピンとこずに他人事のように思っていると、取り残されてしまうのであります…💧あー恐ろしや。

4.会社ができること(すべきこと)

DXによりビジネスそのものが変わってきて、それに対応するためにリスキリングが必要ということであれば、リスキリングは自己啓発を中心とした個々人の姿勢や意識や行動に依存するべきではなく、もう経営戦略・事業戦略そのものなんだ…とあらためて感じます。

そうなると、リスキリングは戦略実行のための重要な施策と位置づけるべきであり、会社が主導すべきである、と思います。

しかし、「勉強しろよぉ~!」と8時だョ!全員集合のエンディングの加トちゃんのごとく、掛け声倒れに終わっているようなところもたくさんあるのではないかと…。(私は、加トちゃんに「勉強しろよー」と言われて勉強した記憶はないのであります。歯は磨きましたが…)

では、会社としてはどのようなことに留意してリスキリングを進めれば良いのでしょう?最近は大手企業を中心に様々な事例が紹介されているので、具体的な施策についてはそれらが大いに参考になると思いますが、ポイントは以下のようなことかと思います。

  1. 経営戦略・事業戦略を明確にすること

  2. 戦略と新たに必要なスキルを明確に結びつけること

  3. 個々人のキャリア志向を踏まえて習得するスキルを計画すること

  4. 習得したスキルを活用する機会を意識的につくること

  5. リスキリングによる変化を過度に期待しないこと

会社としての戦略がないのに「リスキリングだっ!」というのは笑止千万。また、一般論ではなく自社戦略の実行のためにどういうスキルが必要になってくるのかを説明できないと、加トちゃんが「勉強しろよ~」と言っているのとほぼ変わらないと思うのです。

さらに、これまでのように、一方的に会社がスキルの習得を押し付けるのでは、やらされ感満載で効果的ではなく続かない。一過性で終わっていては会社戦略でもなんでもないのであります。それに、学んだことを活かす機会をつくる、つまり「経験をデザインする」ことをしないと、身につかないし、変化も起きない。

なお、学んだからと言ってすぐに大きな変化が現れるものばかりではないと思います。経営者は、変化を我慢して見守る…そういった意識も必要なのではないでしょうか。(すぐに『費用対効果』などと言い出されるとちょっと困るんですよね…。大事なのはわかっているのですが。)

5.最後に

ほんの少しですが、リスキリングへの理解が進んだように思います。流行りに流されることなく、「経営戦略なんだ」という認識をしっかり持って、自社にとってのリスキリングの位置づけを明確にして取り組みたいと思います。

今日はここまで。

6.参考文献


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