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ココロに残った本たち~2023下半期~

半期に一度の「ココロに残った本シリーズ」の時期になりました~(自己満)

2023年上半期に読んだ41冊に加え、下半期も42冊の本に出会えた(note公開時点の予定ベース。再読含む)。

特にこの下半期は、自分自身の考えを深めさせてくれる本が、「向こうからやってくる」かのように、「このタイミングで、この本に出会えるとは…」という体験が多く、ココロに残ったシリーズを5つに絞るのが悩ましかった。

では早速、「イチゴルを創った100冊」となるであろう有力候補を簡単に振り返ろう!


第5位『正欲』

『スター』に続き、朝井リョウさんの作品を読むのはこれが2冊目。深い話で、1度読んだだけではなかなか語りづらいところがあるものの、「多様性」や「YouTube」など、時代のキーワードに切り込んだ作品。僕自身にとっての読書する意味の一つは「知らないことを知らない」自分に気付けるから。

(この「知らないことを知らない」というのは、説明が難しいのだけど)。

本の帯の宣伝にもあったけれど(そして知り合いがこの本の感想で言っていたけれど)「読む前と読んだ後は自分の考えが変わり、元には戻れない」は割とその通りなのかな、と思う。

これを読んだ人と感想をシェアしたいと思う一冊。

なお、『スター』の方も、「価値とは何か」というテーマで、2人の主人公が突き詰めるその内容は、「良質なコンテンツ」を生み出す必要性がある方には参考になる作品だと思う。

第4位『弓と禅』

いちごる自身、かつては「科学的な論拠」こそが、問題解決などにおいて重要だと信じて疑わなかったが、今やそれ自体が誤った固定観念だったのではないか、ということに気づかせてくれた書。

「論理的であることが重要」

「科学的○○上達法」

「専門家や権威ある人の意見」

などなど、どれもそれ自体は否定されるべきではない。

だけど、世の中で良しとされているもの「以外」の何かの方が重要では?と最近は思っている。

『弓と禅』は確かに分かりづらい本だし、それは著者自身が本文でもそう書いている。

だけど、こういった本の本当の価値が世の中に広まれば良いな、と切に思う。

そして、この本の内容を曲がりなりにも共感、体感したと自負する以上、それを伝えていきたいし、伝えていかなければならないという使命感すらある(謎!!

また、これと同じ東洋思想の観点で、それをゴルフに適用した『禅ゴルフ』も不朽の名著。

第3位『ポスト資本主義社会』

Amazonのレビューにもある通り、1993年に書かれた本であるにもかからわらず、その後の時代に対する鋭い洞察で描かれている。

折しも、いちごるレッスンを通じて、人材育成の分野でコーチ経験が活かせないか?と思い始めていた矢先、人材育成とは無縁のようなタイトルのこの本に、かなり重大なヒントが隠されていた気がしている。

ドラッカー氏が30年前に提示した世の中の進むべき道。

にもかかわらず、周りを見渡す限りそれは未だ道半ば、、、というよりは、違う方向へと進んでしまっているように思えてならない。

個人的にはドラッカー氏が与えてくれたヒントと、この30年で明らかになったことを踏まえて、今一度別の山に登る勇気が必要だと思っている。

時代に翻弄されるのではなく、新しい価値を見出し、提案していくために、繰り返し読みたい本。

なお、ドラッカー氏がこの本の中で主張していた、

知識社会において生産性の向上を図るには、組織そのものが学ぶ組織かつ教える組織とならなければならない。

『ポスト資本主義社会』ピーター.F.ドラッカー著作、p.128

に関連して、これを突き詰めていく際の一つの指針となる本として、『学習する組織』が参考になるのではないか、と思っている。(未読)

第2位『コーチングのすべて』

この本を読んだ決め手は、裏表紙に合った記載。

この本を書いた理由――それは、私たち自身がこうした本が必要だと考えていたからです。『コーチングとは何ですか?』と尋ねられるたびに、私たちは考えなければなりませんでした。『その質問に答えるには一冊の本が必要です」と私たちはよく言っていましたが、その〈一冊の本〉が、まさに本書なのです。

Amazon紹介文より

まさにその通りで、一定のスキル・体系を伝えるには、一言では語れず、一冊の本になってしまうものだと思っている。

また、今やゴルフという枠組みを超えて、人材育成の領域に踏み込んでいきたいと思っていたところ、テーマが「コーチング」ということであれば、もう読まない手はない。

コーチングの本質について突き詰めたこの本は、僕が見えていなかった地平線の先を示すものの様に思った。

ちなみに、第4位『弓と禅』は、こちらの本の参考文献となっていたことから出会った本である。

第1位『まなざしのデザイン』

いちごる自身が最近感じている、「ものの見方」を柔軟にしておくことの大切さ。

そのための方法論が提示された本書。

本の序盤は、だまし絵的な錯視・錯覚などの具体的な話から始まったものの、最終的には人間の本質に迫る深い考察が展開されている。

一般アマチュアゴルファーの上達という観点では、「ものの見方を変えた」という成功体験が得られたのでは、と思っている。一方で、ものの見方は、簡単に固定化してしまうことから、自分自身がそうなってしまわないためにはどのようにしたらよいか。

さらには、いちごる自身のものの見方を変えたその方法を、他の方々にも追体験していただき、独自の視点をもってもらえるようになるには、どうしたらよいか。

その一つの方向性は、意図的に経験とリンクさせた上で本を読む方法。要は、「本の読み方」を伝えることにあるのではないかと考えている。

noteのアカウント名に「@副業で身につけたものの見方を伝えたい」とある通り、これを具現化していくための示唆に富む本。

何度も読んで、この方が伝えようとしていることを僕自身が実践し、さらにはその方法を他の人にも伝えられるようになりたい。

(参考1)[2023年下半期読書リスト]

※印→繰り返し読みたい本リスト入りした本
◆7月-9冊
42.海の都の物語1
43.海の都の物語2
44.海の都の物語3
45.海の都の物語4
46.海の都の物語5
47.海の都の物語6
48.経済発展の理論(上)
49.冒険の書
50.創造する経営者

◆8月-8冊
51.ねこ背は治る!
52.問いこそが答えだ(再読)
53.一俗六仙
54.アントレプレナー マネジメント・ブック※
55.50歳から本当の恋に出会う魔法
56.コーチングのすべて※
57.IGPI流ビジネスプランニングのリアル・ノウハウ
58.弓と禅※

◆9月-10冊
59.ローマ人の物語29-終わりの始まり(上)
60.ローマ人の物語30-終わりの始まり(中)
61.ローマ人の物語31-終わりの始まり(下)
62.教育×破壊的イノベーション※
63.小さな会社の自走組織の作り方
64.SHOE DOG(2回目)
65.企業価値の神秘
66.IRの成功戦略
67.カギッポの冒険
68.カギッポの冒険2

◆10月-7冊
69.HIGH OUTPUT MANAGEMENT
70.ディズニーCEOが大切にしている10のこと(2回目)
71.恐れのない組織
72.弓と禅(2回目)
73.正欲
74.禅ゴルフ※
75.成功曲線を描こう(再読)

◆11月-8冊
76.ポスト資本主義社会※
77.うなぎ一億年の謎を追う
78.それでも地球は回っている
79.経営者の条件※
80.まなざしのデザイン※
81.ダイアローグ※

◆12月-2冊
82.学習する組織
83.まなざしのデザイン(2回目)

(参考2)[ココロに残った本シリーズback number]


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