395. 「女性」 とは身体女性を指して言い、女性スペースは身体女性の安全の為に排他的に守られた場所ではありませんか？
【注】以下、私の考えについて書きますが、私のnoteの記事は皆さんに私の考えを押し付けるものではありません。性的マイノリティについて気づき、考え、理解を深めてもらうために記事を書いています。
さて、私は「女性スペース」は「全ての女性が安心して、そして安全に使用できる場所だ」と考えます。
そして、私の個人的な考えでは「トランス女性は女性」です。
ですから、女性スペースは「トランス女性もシスジェンダー女性も『女性』が安心して、そして安全に使用できる場所」ということになります。
まずみなさんに理解していただきたいのは、次の２つのことです：
１．トランス女性は犯罪者や犯罪予備軍ではない。
２．トランス女性は女性スペースでトラブルを起こそうと思っているわけではなく、むしろトラブルにならないようこれまでも気を付けてきた。
１について見ていきましょう。
どんなグループ、例えばある人が所属する集団（家族、友人・仲間、職場・会社、〇〇市（区・町・村）、〇〇県（都・道・府…）にも悪いことをする人もいれば、そうでない人もいます。
例えば那覇市民である私が違法なことをして逮捕されたとしましょう。しかし、それだけを根拠に、あなたは「金城は那覇市民か。じゃあ那覇市民はみんな犯罪者・犯罪予備軍だな」とは考えないと思います。
もしそのように考える人がいれば、それは偏見です。
現在、SNSなどで盛んに言われている「女性スペースに身体男性は入ってこないで」という意見についてはもっともだと思うところもあります。
しかしながら上で見たように、ある個人が悪いことをしたからといって、その人が属する集団全員が悪いことをするというのは言い過ぎです。これを「過度の一般化」と言います。
「アメリカでは実際にトランス女性の犯罪が起きているぞ！」と反論なさる方がいらっしゃいます。
はい、その通りです。が、アメリカでもすべてのトランス女性がアメリカ中で犯罪を犯しているわけではありませんよね。
「日本でも大阪で性自認女性の人が商業施設の女性トイレに入ったとして逮捕されているぞ！」と反論なさる方がいらっしゃいます。
はい、確かにそのとおりですが、「性自認が女性」の人がみんな逮捕されているわけではありませんね。これは次の２にも関係することですが、先にお話すると、トランス女性はなるべくトラブルを避けてきたということがあるからです。
次に２についてです。
いくつかの県では、今回のLGBT法に先立って県の条例で性的指向や性自認にもとづく差別を禁止しているところがあります。そういったところでは、「身体男性が女性スペースでトラブルを起こした」という事例は確認されていません。
日本全国にトランス女性はいるわけですから、この3つの県が特別だということはないでしょう。
この3つの県でトラブルが発生していない、ということから導かれるのは「トランス女性は犯罪を犯さない」ということではなく、「トランス女性はなるべくトラブルをさけるようにしてきたし、今もそうしている」ということです。
次にトイレ使用に関してトランスジェンダーの方の声を聞いてみましょう：
りさ：防犯の話をすると「トランスが女性用トイレに入ってくると犯罪目的で入ってくる人と見分けがつかなくなる」って主張する人もいるけど、それも違う話だと思う。
まめた： 毎日トイレを使うたびに警備員を呼ばれるわけにもいかないから、当事者はトラブルにならないように行動してる。トラブルにならず使えている人まで、 女子トイレから追い出そうって話してるみたいに聞こえる。
アンリ ：あえて不安を感じるように煽り立てる人もいますよね。
りさ： 本当に恐怖している人の声がダシにされているようにしか思えなくて。
まめた：マイノリティって多数派の人が思う以上に社会のことをよく観察している。なにをしたら自分が迫害されるのか、子どもの頃からよくわかってる人も多い。
条例ができたからといって上記でみたように3つの県では「身体男性」がトラブルを起こしたということはありません。
もちろん「女性スペース」で女性が性被害にあう可能性はあるわけです。そしかしその「性被害」は必ずしもトランス女性が引き起こすものではありません。
じゃあどうすればいいのか。
残念ながら今の私にはこれといった明確な答えはありません。
ぜひみなさんには「トランス女性もシスジェンダー女性も『女性』が安心して、そして安全に使用できる場所」をどうやって作っていったらいいか、一緒に考えていただければと思います。
参考資料
トランスジェンダーのリアル制作委員会 2021 「トランスジェンダーのリアル」
画像：UnsplashのAdrian Hernandezが撮影した写真