367. 【ファクトチェック①】性的マイノリティ差別を禁止する法律ができたら女性スペースに「男性器を持った自称女性」が入り込んで女性の権利が侵害される。(埼玉県)
先に結論を言います。埼玉県では性的指向や性自認を理由とする不当な差別を禁止した条例制定後、「トイレや入浴施設等においてトラブルが発生したという事実は把握しておりません」という回答をいただきました。(埼玉県県民生活部人権・男女共同参画課への問い合わせ回答)
埼玉県は埼玉県議会令和4年6月定例会において「埼玉県性の多様性を尊重した社会づくり条例」が成立し、令和4年7月8日から施行されました。
まず、「条例」と「法律」の違いを確認しておきましょう:
埼玉県はなぜこの条例を作ったのでしょうか?条例の概要の説明ページから趣旨を引用します:
埼玉県はこのような性の多様性を尊重する社会を目指していますよ、ということを示すため、そしてそのような社会を作っていくために努力しますと言っています。
この条例で注目すべきは次の差別禁止を定めたところです:
法律(国会=立法府によって決められるもの)の範囲内で、埼玉県は性的マイノリティに対する不当な差別的取り扱いを禁止しています。
令和4年7月8日から施行されたこの条例によって、SNS上で騒がれているような女性スペースの侵害例があったのか、埼玉県に問い合わせたところ、条例施行後、「トイレや入浴施設等においてトラブルが発生したという事実は把握しておりません」という回答をいただきました。
つまり、SNS上で騒ぎ立てられているような男性器を持ったままのトランスジェンダーが女子トイレや入浴施設でトラブルを起こしたことはないということです。
【謝辞】年度末のお忙しい中、私の質問に回答下さった 埼玉県県民生活部人権・男女共同参画課 LGBTQ担当の方にこの場を借りて深くお礼申し上げます。
参考資料
画像:UnsplashのJuan Marinが撮影した写真