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パンみみ日記「未来の自分に文学フリマに出てもらう」

日々のできごとをかき集めました。パン屋に置いてある、パンの耳の袋のように。日常のきれはしを、まとめてどうぞ。5個くらいたまったら店頭に置きます。


12月6日(水)
健康診断の結果が返ってきた。ぼくはオールAを取ることが多く、健康優良児としての自覚がある。今年もワクワクとしながら封筒を開ける。

「肝機能:C(次回検診)」

いやああああああ。なんでやあああ。この1年間は、成人以降1番お酒を飲まなかった自信がある。月に2日くらいの飲酒生活を続けてきたし、会社の飲み会でも鉄の意志で2次会には行かなかった。

再検査を免れたとはいえ、不服すぎる。1番引っ掛からなそうな項目ではないか。栄養バランスの問題なのかもしれないが、何を改善すればいいのか全くわからない。落ち込んでしばらく仕事に手がつかない…。

ショボショボしながらランチへ。同僚のタイヨウさん(この世の主人公みたいな先輩)に「肝臓があまり良くなかったんですけど、お酒も少ないですし…」と弱音を垂らした。すると、ハキハキとした口調でタイヨウさんが話し出す。

「よさくさん、たんぱく質の摂りすぎでは?結構肝臓に負担がかかるんですよ!」

…思い当たる節しかない。春先にスーパーの安い味付け鳥もも肉を見つけてから、そればかり食べている。しかも、夕飯1回で300g食べているのだ。

ぼくは標準体重より少し軽いくらいの体格なのだけど、夕飯だけマッチョスタイルなのである。他の食事含め、どうやらぼくは1日にたんぱく質を120gくらい摂っているらしい。アホみたいなトレーニングをしなければ、分解できないのだろう。

思い返せば、異変はあった。最近、異常にお酒に弱いのだ。元々すぐに酔っ払ってしまうのだけど、今は2.3杯で「ネクタイを額に巻き始めますか?」くらいの顔の赤さになれる。肝臓が疲弊しているのだ。

「鶏肉をマッチョレベルで食べて酒に弱くなった」という受け入れ難い事実に直面した。うう…これからは大人しく毎食150gくらいにしよう…。

タイヨウさんに相談して良かった。気がつかずに断酒して鶏肉をくらい続け、肝臓をぶっ壊すところだった。


12月7日(木)
5/19(日)開催の文学フリマ東京38の出店エントリー数が1113ブースになったという情報を見た。先着1200ブースまでなら、抽選なく出店が確定するのだ。あと少しではないか!

ど、どうする…?まだ何も着手できていない。出たい気持ちだけが先行している状況だ。でも勇気を出してエントリーして、抽選で外れるのだけは嫌だ。踏み出した勢いで突っ走りたい。

いや、行ける。うそ、やっぱ怖い。1人で乗り込まなきゃだもの。そもそも本の作り方知らん。あーでも、もうノリで行くしかない!頑張るのは未来のよさくだもんな!任せた!「お前も責任感を持て」(半年後のよさく)

頭の中にある理想像だけを浮かべながらエントリーした。「抽選対象外」の文字。出店が確定した…。してしまった…!

もうやるしかない!みんな、絶対きて〜!!

12月8日(金)
仕事終わりに六本木へ。ずっと行ってみたかった書店へ向かう。

ついに来たぞ!

入場料のある本屋さん。置いてある本は独特の切り口ばかりで、知らない作品と出会えて楽しい。

閲覧席が充実している!

店内を探検したあとはイベントへ。最初はトークイベントだったのだけど、作家さんの本紹介が上手すぎて脱帽した。シナリオを手がけているだけあって、ストーリーが膨らむようなお話をされる。その言葉の力、ほしい…!

その後は参加者同士の交流があった。なんと別の読書会でお会いした方と偶然再会。冒頭5分は「はじめまして〜」とか言ってたのに、話すうちに「おや?」と首を傾げ、知り合いであることが判明した。めっちゃ笑った。

東京は足を踏み出せば、もっと楽しめる街なのかもしれない。地方偏愛族からの脱却の日は近い。



12月9日(土)
行きつけの喫茶店へ。本を読んでいると、マスターが横からヌッと話しかけてきた。

「そんなの読んでないでさ、こっちを読んでよ」

表情には嬉しさがこぼれ出ている。本に覆い被さるように突き出されたのは、地域の情報誌。マスターとマダム店員が笑顔で写真に切り取られている。このお店が記事として取り上げられたのだ。

「えっ!すごいですね!」と驚きながら、ワクワクと紙面を読み進める。この喫茶店は30年以上の歴史があり、とある脚本家の行きつけでもあったらしい。

マスターも脚本家の方とのおしゃべりを楽しんでいたようだ。もしやすると、この空間で作品の構想を練っていたのかもしれない。落ち着ける雰囲気とおいしい珈琲。気さくに話しかけてくれるマスターとマダム。上質なアイデアが生まれるのにもうなずける。

これからここで文章を書くとき、もっとワクワクできる気がする。

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