パンみみ日記「走れ!やきそばマン!」
日々のできごとをかき集めました。パン屋に置いてある、パンの耳の袋のように。日常のきれはしを、まとめてどうぞ。5個くらいたまったら店頭に置きます。
9月24日(日)
note友達のあおいさんとnote会を開催。本屋で待ち合わせ。会うのは2回目だけど、顔を合わせた瞬間「あっども…この本、気になるんですけど知ってます?」とぬるりと会話が始まった。お互いの日記を読んでいると、久しぶり感なくおしゃべりできちゃうことが判明。
初めてお会いしたときは「noteのあおいさん」と「目の前のあおいさん」を融合させて「この人があの文章書いてたのか…納得…!」という感慨深さがあった。
今回はイメージが一致している状態だったので、さらに価値観を深掘りするようなお話ができて、また違う楽しさがあった。
あおいさんを目の前にすると、なんでも深いところまで話せてしまう。お互いに心の深い部分を文章で曝け出しているというのはある。でもそれだけじゃなくて、あおいさんの言葉を拾い上げてくれる寛大さとそれを支える言葉の力に救われ続けた。
気がつけば「結婚にまだドキドキを求めてしまうんですけど」とか「ぼくの異性のタイプはどこに生息しているんでしょうか」など恋愛相談までしていた。
こんな心の奥底まで探れる「深海トーク」をできる人は、人生であと何人会えるんだろう。地方から関東に引越し「地方ロス」になっていたけれど、こっちに来てよかったと思える時間だった。
数年前に「やさしく包みながら、心の奥底におみやげを置いてくれるような文章を書く人だ」と思った人と、楽しくおしゃべりしてるんだから人生ってわからないね。
そして「#推し短歌に応募しようとしてるんですけど、あおいさんも一緒にしません?短歌なんてまともに詠んだことないんですけど」とお誘いすると、翌日には素敵な三十一文字たちを詠みあげていらっしゃった。
「マラソン大会でない?俺体力ないんだけど」と軽い気持ちで声をかけたら、めちゃめちゃ美しいフォームで完走してたくらいびっくり。汗がきらめいている。ぼくも走り抜けなければ。
こんな繋がりがある限り、noteを続けられる気がする。
9月25日(月)
仕事終わりに図書館へ。「#推し短歌 に参加するぞ!短歌の知識無さすぎるけど!」と無謀な好奇心を味方に、まずは短歌に触れてみることにした。
本棚からピックアップしたのは俵万智さんの「サラダ記念日」と「短歌のレシピ」。ウキウキと貸出コーナーへ。
だがしかし、冷静に恥ずかしい。なんだこの「今日から短歌はじめます」って宣言するみたいな選書は。わかりやすすぎる。司書さんにバレる。いや、バレてもいいけど。
カウンターへ持っていくと、「最近入ったばかりで、手続きわからんのですよぉ〜」と頭をかきながら戸惑うおじちゃんスタッフが受け取った。図書館にいなさそうなキャラである。
慌ただしく手続きをしていたので、短歌をはじめようとしていることがうやむやになった。ありがたい。
9月26日(火)
健康診断。採血の順番がきた。血を採られている間は、目をつむる派です。血、見たくないからね。
採血中、自分では(ふん。好きなだけ採ってくれたまえ)と冷静な顔をしているつもりだけど、毎回看護師さんに「ご気分大丈夫ですか…?」と心配そうに訊かれる。よほど渋めの顔をしているのだろう。
今回も心配はされたけど、無事採決は終了。腕から針が抜かれる。おばちゃん看護師が話し出す。
「はい!お疲れ様でした〜!しばらく止血してくださいね。あっ、内出血してる…。ごめんなさいね…」
え?内出血?なんか怖い響き聞こえたんけど。まあ、痛くないや。大丈夫でしょう。
「ホント、ごめんなさいね…。悪いことしちゃったわ…」
さっきまで明るかったおばちゃんが声のトーンを落としていく。え。そんなヤバいの?ミスった感そんなに出すのやめて。
だけど、おばちゃんに罪悪感を感じさせてはならない。彼女は悪くない。なるべく明るく伝えよう。「全く問題ない」と。でも、ちょっと待って。やっぱヤバいのかな。後で腕に激痛走るんかな。怖いんだけど。ねぇ。
複雑な感情が混ざった結果、
「うぇ、ぜんぜん大丈夫でゃ、と思いますぅ〜!」
全然大丈夫じゃない人のコメントが出た。
9月27日(水)
ぼくは悩んでいた。2023年の目標を眺めながら。ぼくは毎年年始に目標を立てる。そして毎月達成できているかどうか見返しているのだ。いくつかの目標の中で、1つが目に留まった。
「ハーフマラソン出場」
達成できていない。来年にしよう。いや、去年も同じことしたわ。去年は転職活動で忙しかったからしょうがないけど、今年は言い訳がない。
だがしかし、めんどくさい。走りたくない。なんで自分で長距離走を強いなきゃいけないのだ。冷静に意味がわからない。
けれども、よさこいの祭りも終わり時間ができた。運動する習慣もなくなってしまった。やるなら今しかない。勢いでスマホを手に取り、申し込みページへ。未来の自分、頑張れ。後は君に任せた。
ほどよく走る緊張感と、じわじわとこみ上げるワクワク。こうでなくっちゃ。目的があれば体を動かせる。
エントリーするため、ランニングアカウントを作成。するとニックネーム入力を求められた。不意に頭に浮かんだ「こめ」を打ち込む。
「※このニックネームは別のユーザーが使用しています」
重複しちゃダメなんだ。「こめ」既にいるんだ。まぁ、いそうだな。もうちょっとアイデンティティ出さなきゃ。
「こたつみかん」
「※このニックネームは別のユーザーが使用しています」
なんだと。「こたつみかん」もいるの?いないでしょ。逆に会いたいな。シンパシー感じる。もっと、ひねらなきゃ。
「やきそばマン」
「画面を確認後、登録ボタンを押してください」
通った。「やきそばマン」はいないのか。いないよな。でもちょっと後悔してる。もっとカッコいいのにすればよかった。
なんにせよ、もう逃げ道はない。来月のハーフマラソンに向けて、今から走り込みだ。やっぱりイヤだ。でもやるんだ。新しい景色を見にいこう。
走れ!やきそばマン!
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