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パンみみ日記「寝ちゃうのがもったいないと思えるのが合宿」

日々のできごとをかき集めました。パン屋に置いてある、パンの耳の袋のように。日常のきれはしを、まとめてどうぞ。5個くらいたまったら店頭に置きます。

4月19日(水)
仕事。4月からひとり立ちだけど、まあいかんせん知識も経験もない。自分の実力不足に、不甲斐なさを感じることも、もちろんある。

新卒入社したばかりのときも、こんな気持ちだったなぁ。当時ぼくは仕事の経験月数をRPGのレベルとして考えていた。

社会人デビューしてから半年後は「自分はレベル6や」と思っていた。それに対し、「6年目の先輩は12ヶ月×5年でレベル60や。同じような敵(取引先)と戦ってるのおかしい。レベル6なんて、ドラクエ8でいったら最初の中ボスのザバン倒せるかどうかやねん」と嘆いていた。

今のぼくも異業界への転職を果たし、レベル1になってしまった。けれど、前職の経験はある。戦士から魔法使いになったみたいなもんだ。ステータスは大幅に下がるけど、「かえん斬り」とか特技は使える。

そうじゃないか。特技はある。コミュニケーションとか、資料作成は得意なのだ。「ちから」のステータスは減ったけど、「かえん斬り」で敵と戦える。

新しい職場でレベルを上げていけば、魔法戦士になれるかもしれない。今は「かえん斬り」でひたすらに乗り越えていくぞい!


4月21日(金)
仕事終わり。「お疲れ様でーす、お先に失礼しまーす」と言いながらオフィスの出口へ。

すると、出口近くのおじちゃん社員が「さよなら〜」と返してくれた。

…学校?


4月22日(土)
よさこいサークルの合宿へ。そう、なんと合宿があるのだ。社会人6年目に突入しようが、「合宿」という響きにはテンションが上がる。

とはいえ、いかんせん入ったばかりのチームなので知り合いも少ない。しかもアラサーなので「先輩に可愛がってもらう」という特権を発動できない。

ワクワクはするけど「楽しめるかな…」という不安が織り混ざっていた。初めての習いごと行く気分。

バスへ揺られながら宿へ到着。昔ながらの「ザ・合宿所」という雰囲気。何年ぶりだろう、この感じ。

近くの体育館で、練習が始まった。とにかくはじめましての人たちばかりで、ちょっと緊張する。自分は人見知りするタイプではないと思っていたけど、「出会ったときが少人数」のときに大丈夫なだけみたい。

オープンフィールド戦は不向きなのだ。なんとなーく挨拶をするだけで終わってしまう。どこに行ったんだ、普段営業で発動しているコミュ力は。

けれども、そんなことを気にする暇もなく練習は進んでいく。朝から夕方までがっつりと踊りまくった。割と久々にHPが赤くなるまで運動した。こんなに本気でやるのね!

1日練習をすると、メンバーと交わす言葉は少なくても仲良くなれた心地がする。自然に動きや配置を確認しあったり「もう足がプルプルだね」って笑いあったり。

練習のあとはお風呂へ。疲れを吹き飛ばしつつも、じんわりと自分が頑張ったことを教えてくれる心地よい痛みが身体に広がっていく。誰でもこの感覚を共にすれば、なぜか距離が縮まる。

へとへとに疲れていたくせに、夕飯のあとに部屋で飲みながら深夜まで起きていた。「寝ちゃうのがもったいない」ってさ、今でも思えるんだね。


4月23日(日)
合宿2日目。ゾンビのように起き出し、朝食へ。みんなで役割分担をしながら、ごはんやお味噌汁をよそう。「これから練習すんのか…」と半分絶望しながらも、みんなでいそいそと着替える。

練習が始まった。いざ曲が始まると、みんな真剣になる。ほんとにさ、みんな踊るの好きすぎるね。

「あと1時間で昼休憩だ!」なんて励まし合いながら足を動かす。高校生のとき、土日の1日練でこんなこと叫んでたな。

正直、今まで所属していたチームの中で1番しっかりと練習している。ぼくが今までかなりゆるいチームにいたというのもあるけど、「社会人から始めたのに上手いね」とちやほやされることが多かった。

けれど、ここにはぼくより上手い人なんてうじゃうじゃいる。自分が立っていた場所が低かったことに気づかされるような、恥ずかしくて悔しい気持ち。

ぶっちゃけゆるいチームでわちゃわちゃする方が楽だ。だけど、せっかくなら上手い人に囲まれて、もっともっと踊れるようになってやる。

練習が終わり、みんなとお別れ。来てよかったという満足感と、もっとみんなと話せればよかったという後悔。色んな気持ちがバスに揺られてかき回される。

こんな風に、1度で色んな感情を味わえちゃうのがさ、合宿なんだよね。


4月25日(火)
大学の先輩後輩とオンライン電話。メンバーは柴犬さん(温厚で優しい先輩♂)とパピコ(おしゃべりでおもしろい後輩♀)。

GWに急遽3人で遊ぶことが決定したので、何をするかの作戦会議を開いたのだ。キャンプやハイキングはどうか?なんて話が出たのもつかの間、話題は各々の恋愛事情に。

柴犬さんは最近彼女ができて順調な様子。一方で、ぼくとパピコは恋人がいない。それだけならいいのだけど、最近は恋人の理想像を考えすぎて思考がこんがらがっている。

「一緒にいて安心できる人、話しやすい人」と「一緒にいてドキドキして、恋を感じさせてくれる人」は別なんだよなぁ、という永遠の課題にぶちあたる。

3人で議論を重ねていると、気がつけば3時間以上が経っていた。夜もふけてきたので、最後の5分でGWに何をするか投げやりに決めた。

「どうする?どこも混んでそうだし、家で遊ぶとか?餃子作ろう!」

「生春巻も一緒にどうです?くるみパーティー!」

「いいね!それでいこう!おやすみ〜!」

くるみパーティーってなに。



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