【詩】祈り

祈り

降りしきる小雨
あめんぼが跳ねた後の水面
すぐに消えて淋しくなった

止みはしない小雨
肩まで伸びた髪を濡らす
すぐに乾かず苦しくなった

不確かな言葉の旋律
僕を何処へ連れて行く
不確かな言葉の旋律
僕を誰にしようとする


未だ降る小雨
並び立つ灰色のビルディング
僕を飲み込む鮫のよう

君に似た小雨
僕はまだ餌に擬態できず
飛び魚になって踊った

不確かな言葉の旋律
僕にはこれしかないから
不確かな言葉の旋律
僕はそれを糧にした

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