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11月と12月の短歌

おつかいのついでに君が買ってきたホカホカ肉まん冬がきたね


誰かにココアをいれるその時は誰もが等しく優しくなれる


覗きこむきみの瞳にうつる僕 好きがだらしなく溢れていた


柴犬のくるっと巻いたしっぽだけ眺めていたい月曜の午後


ポケットに飴をしのばすあの人はきっと来世も人間だろう


この世は地獄なんだと歌う彼の声はひたすら優しかった


綿飴をくるくる綺麗につくるひと きっと何処かの天使と知り合い


絶望を優しい声で紡ぐ彼 すべての不幸も抱きしめるのね


共感を求めずにただ己の世界を歌う君に拍手を


その声で世界はきっとかわらない けれど僕の明日に光が


口ずさむ世界を壊す彼の歌 僕の心は平和になって

あと一日で2022年がおわる、おわるというか、わたしたちが勝手にリセットしてしまう、すべてを清算した気になって地続きの2023年を生きる、初詣ではいつも「一年ちゃんと生きていられますように」と願う、決意する、誕生日にも同じことを思っているな、生きていれば良いことは必ずあるなんて善人ぶったことは云えないけれど、なんとかなっているから今日も生きてる、その繰り返し、紅白歌合戦を観ながら年越しそば(うどん)を食べたら今年のわたしは勝ち、そういえば短歌で特定の人物を想って詠んだことがない、今回はすこしだけそういう短歌があります、地獄を綺麗ではない言葉で紡げるひとをすきになってしまう、そんなひとたちの生きる世界はひたすらに美しいから、彼らの生きる世界を歌を通じて知った気になりたい、
では、良いお年を

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