見出し画像

意外と簡単に体験できた、世間とズレた特別感

「朝起きたら昨日の予報通り雨で、まぁまぁ月曜からこれはキツイな~とバッドdayでしたが、なんとか身体を起こして学校に来ました。」

高校時代、僕が1,2年生の時に担任の先生が月曜日が雨だとよく朝のホームルームで口にしていた言葉です。

当時の僕はこの言葉をただ流して聞いていた。確かに月曜日は嫌だ。だって1週間がまた新たに始まってしまうし、また1から戦わなくてはならない。だけど、月曜日に雨が降るとそんなにも辛いものなのか?

そんな疑問をずっと胸に抱きながら、先生の言葉を聞いていた。

時が経って20になった僕。今になると先生があの時言っていた言葉の本当の意味が...分かりそうで分からない

普通は「分かる!」と言うべきかもしれなが、素直な感想は「分かりそうで分からない」です。楽しい週末が終わり、また勇者の剣を握りしめて日常という魔物と戦わなくてはならない。

だからこそもう一度戦うための準備をする。

扉を開ければもう戻ってはこれない。

勇者の剣、はぐれメタルの鎧、毒消し草、ついでにベホイミの技を会得して旅に出かける。

さぁ冒険の始まりだ!

重い扉を開けると...薄暗い曇り空とせわしなく振り続ける雨。さっきまでの強気な気持ちはどこへやら。それでも足を前に出さなくてはならない。雨が降ろうが雷が鳴ろうが槍が降ろうが、勇者は前に進まなくてはならない...。

的な背景があるのならばなんとなく分かる。旅立ち(といっても月~金が終わればまた戻ってくるのだろうけど)がこんな始まりならば精神的にもダメージはある。

とりあえず現段階では「分かりそうで分からない」にしている。もしかしたら働き始めてより鮮明に言葉の意味を理解できるかもしれない。(むしろそっちの方が大きい気がする)


「月曜日に雨だと気分が下がる」よりも「授業中に早退すると気分が上がる」ことの方が僕は理解しやすい。

学校に行ったり行かなかったりの繰り返しをしていた高校時代でしたが、学校に行く気は少しばかりはあった。このままだと何かが終わりそうで、自分が自分でなくなりそうでとても怖かった。だけど、学校に行けない。そんな毎日の繰り返しだった。

久しぶりに登校して、いきなり1限~6限を受けるのはさすがにキツイ気がして、「1限だけ行くから」という約束を親と心配してくれた担任の先生や学年主任の先生と交わし、学校に行くことは沢山あった。

「これでいい。これでいい。」

そう自分に言い聞かせて帰る通学路。それでもどこか嬉しかった。それは学校に行けたという達成感もあったが、それ以上の特別感のようなものがあった。

「帰れる。みんなは授業中なのに..」

そんな世間とのズレがとても心地よかった。毎日じゃなくて、できることなら時々で良いからこんな特別感を体験したい。

そう考え始めてから、少しづつ学校に通い始めることができた。それはもしかしたら悪いことかもしれない。そもそも「学校へ行くことが学生としての仕事だ」という意見も分かりますが、僕はその仕事を全うできるほどの能力はありません。残念なことに。

でもよかった。

真面目に生きてても体験できないことだってあるはず。その序章があの時の特別感かもしれない。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?