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授業サボってベンチで昼寝するぐらいがちょうどいい

先日、地元にスタバがオープンしたらしい。

「スタバってあのスターバックスコーヒー?」

最初はスタバがオープンしたことを本当だと思っていなかった。

というのも、僕の地元は田舎のようで町のような曖昧な感じだった。昔はファミレスやそれなりに大きなスーパーもあったが、今は人口の減少で次々と閉店していき、スーパーの数や遊び場は、立派な「町」である隣の市の方が多くなってしまい、買い物に行く時は隣の市へと行かなくてはならなくなった。

それでも地元の方にはセブンイレブンがあるんだぞ。いや、隣の市にもセブンイレブンがあったな...。

とにかく、そんな地元にスタバがオープンするなんて想像できなかった。日ハムを退団した中田が巨人のユニホームを着てプレーしてる姿くらいに想像できなかった。

僕は本当にスタバかどうか確かめるために、オープンしたスタバとやらにルンルン気分で出かけた。

結論   正真正銘スタバでした。

開店してそこまで日にちが経ってないからか、お店の前には沢山の車の数と沢山の花束が置かれていた。外見も綺麗!

早速僕は店内でドリンクを注文した。とりあえずはスターバックスラテのアイスをショートで。

ドリンクができるのを待っているとお店の入り口から数人の男子達が入ってきた。見た目からしてヤンチャそうな感じで髪も刈り上げていて染めている。そのうちの一人は制服を着ていたため、先輩と後輩の関係なんだろう。

そして一人の男子が注文しようとした時、店員さんは彼に何かを言っている。それに対してその男子は笑いながら財布で口を隠すのだ。

離れていたため何を言っていたのか分からなかったが、恐らくはマスクをしていなかったため店員さんがひと言伝えたのかもしれない。本来なら入店はご遠慮するところだが、財布で口元を隠すというギリギリのファインプレーをしたのだろう。

そんな一連の光景を見ていると僕が注文したドリンクが出てきた。「ありがとうございます。」と店員さんにひと言伝えて僕はスタバを出た。

すると、外には小グループの男子達がバイクにもたれながら談笑している。さっきの男子達と同じグループなんだろうと気づいた。

とりあえず僕はそそくさとその場を後にして帰路につくことにしたのだが、ふと疑問に思うことがあった。

「今でも不良とかヤンキーぽいやつはいるけど、あれっておかしくないか?だって最終的にはほぼまともな人間になるのに。」

実をいうとその疑問は前々から頭の片隅にあった。家庭環境の問題や自分自身の心境の変化で非行とかに走り、悪い人達と付き合い始めるということはよく聞くが、最終的な終着点はなんだかんだまともな人間に変わっている。

決して全てそうでなくてはいけないというわけじゃない。オラオラ系が好きな人だっているし、トキメモをやってる僕は年上で少し不良な龍光寺カイさんが好きだったりもする。(!?)

スターバックスラテを飲みながら暗い夜道を歩く僕。結局は生き方も人それぞれなのだが、一度浮かんだ疑問はなかなか消えない。

帰宅した僕は手洗いうがいを済ませ、スマホである人に電話をする。電話の相手は僕にとっての恩師だ。

「もしもし。あのさ聞きたいことがあるんだけど...」

恩師の返事も待たず、僕は疑問を投げかける。毎回その時の自分を振り返ると恥ずかしくなってくる。

すると返事が返ってきた。

「それは自分を表現したいからじゃない?今の自分を知ってほしいからバイク乗り回したりとか派手なことをして、自分という存在を社会に見せたいから。」

そう恩師は言った。今の自分を見せたいのか。だったらなんで最後はまともになるのだろうか。

「いつか気づくんだろうな。就職とかの時に『このままじゃいけない』って。それは良い意味でも悪い意味でも、ヤンチャしてる時は社会を知れる。知り合いにも似たような人がいて、昔めっちゃヤンチャしてたけど、今は牧師になった人もいる。全部が全部そういう結果にはならないけど、だから人はまるくなるんじゃない。」

なるほどな。僕は恩師の言葉にうなずいた。全部が全部悪いわけじゃないけど、人生的にはそういう人達の方が社会を知れて芯ある人間が多いのかもしれない。

僕は恩師に礼を言って電話を切った。

他人を巻き込んだり問題を起こすことは面倒だけど、それは後々その人が気づくのかもしれない。法に触れない程度の軽いヤンチャならやってみる価値はあるのかもしれない。

厳しくてどこかせつない社会をクリアに知れるのなら。

そう思いながら、僕は残りのスターバックスラテを飲み切った。



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