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‐books-2023年の読書振り返り(72冊)

2023年の1年間に新たに読んだ本を月別でまとめております。

1月

・すてきなひとりぼっち(谷川俊太郎)
・スイートリトルライズ(江國香織)
・最果てアーケード(小川洋子)
・スプートニクの恋人(村上春樹)
・ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(ブレイディみかこ)
・真夜中の栗(小川糸)
・おまじない(西加奈子)

友人に借りた「最果てアーケード」

インスタ投稿にも書いたけど、「アーケード」という単語を見る・聞くのはいつぶりだろう…
この本を読んでからも、触れてない気がするなんだか「エモい」単語。
今でも、このアーケードの商店街にコーヒースタンドを出店して、夏はコーヒーフロート、冬はスープスタンド(友人農家のお野菜使用)な、お店を夢見てるけど、最近は阿佐ヶ谷姉妹的生活に憧れている。
商店街、という大きな拠点は無理だけど、居心地のいいアパートで焼き菓子やワインを持ち寄れるような、そんな人たちとの心地良いを共有できる生活に憧れる今日この頃。さて、1月のスープ(?)は粕汁です。

2月

・私のいなかった街で(柴崎友香)
・ウエハースの椅子(江國香織)
・ないものねだり(中谷美紀)
・どうしても生きてる(朝井リョウ)
・すばらしい日々(よしもとばなな)
・上機嫌な言葉366日(田辺聖子)
・さいはての家(彩瀬まる)

「すばらしい日々」

自分にとって「すばらしい日々」とは、何をイメージするだろう。毎日が素晴らしくてもそれはなんだか不気味で、私の好きな小説に出てくる彼女は、幸せすぎるのが怖くて、パンを食べて口の中をぱさぱさにしていた。
そんな小さな不幸を抱えて生きないと大きな不幸がやってきそうだから。過不足なく、大笑いとは言えなくともクスっとできて、暖かいものが食べられて、嫌な事があっても次の週には忘れられそうな、そんな日々が、私の中ではすばらしい、みたい。
あぁ、狙っていたチョコの予約、逃したんです。(自分で食べるバレンタイン)
でも、今年はティラミスを作る予定なので、うまくできたら、すばらしい日々としてまとめて下さい。(私の文章の「すばらしい日々」はしょうもないけど、このエッセイはすごくいいです)

3月

・言い寄る(田辺聖子)
・青嵐の庭にすわる(森下典子)
・いとしいたべもの(森下典子)
・1973年のピンボール(村上春樹)
・一日の終わりの詩集(長田弘)
・昨日のパスタ(小川糸)
・生まれた時からアルデンテ(平野紗季子)
・フラニーとズーイ(J.Dサリンジャー)

「昨日のパスタ」

うわーー!!この冬まだ「おでんと日本酒」してないな、と気がついた。おでんに合う日本酒を探す、これをこの冬の目標にしよう。この前お祝いにかわい~いぐい飲みをもらったんです!
糸さんのエッセイはなにを読んでも素敵、と思うくらいに私も「暮らし」に興味があるらしい。
今日、友人と会う予定がある。借りた本を返すついでに、これとは違うけど、糸さんのエッセイを貸すつもり。同じものを同じ尺度で好きにならなくてもちろんいいんだけど、こうして私の好きなものを、友人にも触れてもらえるのは嬉しい。糸さんのエッセイには大切にしたいものとの距離感が心地よく書かれている気がする。私はこれが好きで、これを大切にしたくて…と、他人の好きを(好きをつくる過程を)見るのがこんなにワクワクするのか、と気がつかせてくれたのも、読書ですね。

4月

・神様の暇つぶし(千早茜)
・やわらかなレタス(江國香織)
・対岸の彼女(角田光代)
・死にがいを求めて生きているの(朝井リョウ)

「対岸の彼女」

ふりかえるとなんだか現実にささる小説をよんでいた4月。人へのラベリングはなにも良いことを生まない。ある方の書いた文章で「これまで、どうしても他人の評価が気になって人と同じ考えだと安心したり、人と比べて落ち込んだりと他人から見える自分を意識してしまうことが多かったように思います。もう、子供の頃からなのですがね‥。」というものに出会い、まさに私もこれだった。
他人の目に左右されるより、他者とグルーピングされるよりももっと自分自身を信じたいし、自分で見たもの聞いたものを信じたい。できないものを無理矢理することでストレスがたまるならしなくていいや、やれることをやって自分自身が健やかに暮らせるならそれでいいや、とようやく最近になってきて思えた。角田さんの小説はまだほとんど読んだことがないのだけれど、これは色んな方に読んでほしいと思った。

5月

・旅と小鳥と金木犀(石田ゆり子)
・去年の雪(江國香織)
・にょっ記(穂村弘)
・水中の哲学者たち(永井玲衣)
・私的生活(田辺聖子)

「私的生活」

インスタ投稿にも書いたけど、剛にイライラしてしまって、3部作なのに、この2部目で読むのを止めてしまっている小説…個人的にのりちゃんを縛る剛を許せなくて…
この5月はGWに瀬戸内島旅行と、東京1人旅に。かなり動き回っていたなぁ…。今年は青春18きっぷを使って旅をしてみたい。こういう庶民的(?)な楽しみを剛ならなんと言うのでしょうか。

6月

・これでよろしくて?(川上弘美)
・ノルウェイの森(上)(村上春樹)
・積み木シンドローム(森博嗣)
・今はもうない(森博嗣)
・こいしいたべもの(森下典子)

友人に借りた「こいしいたべもの」

もうこの表紙からおいしそうなホットケーキ。個人的に「こいしい」という食べ物は、栄養がなくたって、カロリーが高くたって、心が満たされるような幸せな食べ物。私にとってはフレンチトーストかな…こいしい食べ物を共有できる人と仲良くなれる。
前に読んだ「いとしいたべもの」、「いとしい」は誰かと食べたくなるやつ。元気のない子にふるまいたくなるような…にこにこして食べれると、「元気にしてくれてありがとう~」といとしくなる。暖かい日に外で食べる食事や寒い日に囲む鍋なんかもいとしい。
愛が溢れてるんだ。愛の延長線として、今年は味噌を仕込んでみたい。なんとなく見た味噌つくり教室というものがあるらしい、行ってみたい。こうやって書いてるとやりたいこと多すぎる。

7月

・ドラママチ(角田光代)
・ペンギンと暮らす(小川糸)
・ノルウェイの森(下)(村上春樹)
・透明な夜の香り(千早茜)
・いつか記憶からこぼれおちるとしても(江國香織)

「透明な夜の香り」

本屋さんをブラブラ歩いていると、一番目立つ場所にポップ付きで平積みされているのをよく見かけた千早さん。山の上の洋館でのお仕事…印象的な設定に惹かれた1冊。この投稿、食べ物のことばかり書いているみたいになるけど、千早さんも食べ物に対するこだわりがすごい方で、その描写もいつもおいしそうなものばかり。「胃が合うふたり」を読んで気になっていたから、2023年は2冊だけだったけど、小説が読めてよかった。今年は続編も読みたいな。

8月

・猫を抱いて象と泳ぐ(小川洋子)
・雲と鉛筆(吉田篤弘)
・iアイ(西加奈子)
・数奇にして模型(森博嗣)
・あたしとあなた(谷川俊太郎)

「iアイ」

びっくりするくらいにバタバタしていた8月。久しぶりのディズニーシー&初めてのサマソニ。暑い夏のお引越し。そんな中で小説ばかり読んでいたみたい。
私の中でなにか衝撃的なことが起こった「iアイ」。とにかく消化しきれなくて、すぐに友人に送った。ルーツ・アイデンティティに悩む女の子が主人子の話だけれど、自分を肯定できるって、本当に難しい。
これでいっか、みたいな諦めとも違う、でも自信がなくて自分自身に対しては、これでいっか、でごまかしを積み重ねている気がする。そうして毎年毎年、次の年末は心からお疲れ様を言えるように精進しよう、とまた次の年に願う。何してるんだろう…と思いながら、今日も本を読むのです。

9月

・きみの言い訳は最高の芸術(最果タヒ)
・ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2(ブレイディみかこ)
・ぬるい眠り(江國香織)
・四月になれば彼女は(川村元気)
・アムリタ(上・下)(吉本ばなな)
・さいはての彼女(原田マハ)

恩師から借りた「さいはての彼女」

私が読書が趣味になり始めていた時、よくマハさんの小説を読んでいた。美術館好きも相まって、アート小説を読み漁って…マハさんの小説はいつも元気が出る。情熱的、というと熱血な暑苦しいイメージだけど、なにかに情熱を注いでいる人が必ず出てきて、それを読んでると元気がもらえる。
そしてインスタ投稿にも書いたけど、私はハグとナガラのお二人が大好き。引っ越しをして、仕事では異動辞令を出され…この8月には心がついていかない日もあったけどどんな日常であれ、「たのしいな」と感じる瞬間に変化はなくって、「楽しいことが待っているから頑張ろう」って、ハグにとっての旅行みたいに、色んな決意をした秋。半年もたってないのに、すごく前のことみたいだ。

10月

・食卓一期一会(長田弘)
・糸暦(小川糸)
・幸せについて(谷川俊太郎)
・なんとかならない時代の幸福論(ブレイディみかこ)
・カレーの時間(寺地はるな)
・スター(朝井リョウ)

友人から借りた「食卓一期一会」

なんだか食にまつわる本を沢山読んでいる気がする…食欲の秋でした。ナンが美味しいカレー屋さんを見つけたり、2人暮らしになってシェアできるということを理由に韓国袋麺のプルダックにはまったり…火がついた食欲は収まることなく年を超え、数日前に計った体重は、去年のマシだった時期から+3㎏!なんてこった、ということで、現在減量を目指してる。
長田さんのおっしゃる「人生とは、誰と食卓をともにするかということだ」好きだなぁ。その瞬間が楽しければ、少し体重が増えようが良いじゃない!と思えるくらいに楽しい食卓のために生きているかも。反対に、会社で苦手な上司がいる飲み会にはいっさい参加しなかったなぁ、と自分の頑固さも思い出した。食べた分、消費も頑張るので、今日もこれをきりのいいとこまで書き終えたら1時間の散歩に出るとしよう。

11月

・桃を煮る人(くどうれいん)
・1Q841(前編・後編)(村上春樹)
・檀流クッキング(檀一雄)
・シェニール織とか黄肉のメロンとか(江國香織)
・やめるときも、すこやかなるときも(窪美澄)

「シェニール織とか黄肉のメロンとか」

2023年は11月まで暖かかった。コートを着ても日中は暑くて脱ぐ日もあったり…
このシェニール織とか黄肉のメロンというのは、ストーリーに出てくる彼女たちがまだ学生だった頃に、まだ見ぬそれらを空想し「どれだけ素晴らしいものなんだろう」と思い募らせていたものたち。私にもなんとなく身に覚えがある。それは一時期にはまっていた海外ドラマ「ゴシップガール」に出てくる、お風呂で食べるマカロンやマティーニ。大好きな登場人物、ブレアが、気分がよかったらお風呂でマティーニを乾杯し、ストレスが溜まるとお風呂でマカロンを暴食してた。この頃はまだマティーニの存在を知らなかったのでかなり憧れていたけど、初めてバーで飲んだ時には、何とも言えない苦味が衝撃的で好きになれなかった大人の味。今でもラデュレのマカロンを見るとブレアを思い出す。彼女の住む豪邸のバスルームは、マンションの窓のない小さな浴室とは全く別物だけれど、私もほんのたまに、シュワッとしたお酒を、お風呂につかりながらいただくのです。

12月

・有限と微小のパン(森博嗣)
・人生相談を哲学する(森岡正博)
・まにまに(西加奈子)
・いくつもの週末(江國香織)
・雨はコーラがのめない(江國香織)
・劇場(又吉直樹)
・汝、星のごとく(凪良ゆう)

友人から借りた「汝、星のごとく」

仕事終わり、友人と飲みに行った時に「これ、読んでみてもらいたくって」と、突然貸してくれた1冊。わーい!!!今まではお酒を楽しんだり、カフェに行ったり…と「食」の共有が多かったけど、今年から「読み物」の共有も出来そうです。今年も色んな人に貸したり借りたり…もちろん借りた本は手元に残らなくて、でも他の子に貸したくなるような内容でもあったりして…自分で選ばないような本も、知らない作家さんも、かなり世界を広げてくれるこの交換が楽しい1年でした。ありがとう。
この「汝、流星のごとく」は閉鎖的な環境から自由を求める子の中学生から30代、大人になるまでの物語。感想を手紙に書きながらふと思った。私も、「なんとなく」な付き合いで埋まる学生時代、クラスや団体行動、「たまたま」同い年の同じ学年なだけでずっと過ごさないといけない閉ざされているような環境より、大人になってからの方が楽しいな、と思うことが多い。(この本の主人公の環境は団体行動じゃ済まされないような閉鎖的な環境だけど)
でも、今の自由が楽しいな、と思えるのは、自由にさせてくれる大人が私の周りにいて、私にとっての楽しいの栄養を与えてくれる人たちがいるから、こうして楽しく大人をやっていけてるんだ、ということ。今年も感謝を忘れない一年にしたい。




こうして振り返ると、2023年に新たに読んだ本は72冊。

再読を含めていないので、時々読み返している本を含めるともう少し多いかも。

私にとっての読書は、自己研鑽とか自己啓発とは遠いところにいて、あくまで自分を癒す時間。

なので、「何冊読もう」みたいな目標はなく、だらだらのびのび活字を追っている。

その日の気分で、いっきに何冊も手に付けちゃうので読みかけの本が多数発生する。

一か月に6冊読んでいる、と言えば多い気がするけど、読み終わるのに何か月かかかるものもあるし、まとめて読み終わった月はたまたま読了数が多くなる。

読了数をカウントしていないので、ちまちまとInstagramに投稿しておいてよかったなぁと、振り返りには便利でした。

生涯をかけて本を読んだとしても、ほとんどの本を読むことなく終えてしまうでしょう。

たまたま本屋さんで目に付いた本、たまたま貸してもらった本、

こうした出会いも一期一会なので、引き続き、広い読書の海でぷかぷかと浮いていたい。

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