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毒を以て愛と為す

理性の箍が外れる瞬間が同じだと嬉しい。
目が合った時の熱、肩に触れた時の微かな震え、背後に感じる衣擦れの気配。
些細な言動ひとつひとつに対する感度を高めると、むしろ繋がっているときよりも生々しい多幸感を覚える。
この感覚は最近身に付いた第六感だ。今後もさらに研ぎ澄ませていく所存。

ところで、私に恋人はいない。
過去のnoteの記事にそれらしい人物の存在を仄めかすことはあったけれど、一度も彼のことを恋人と明言していない。なぜなら単純に"恋人ではない"から。
じゃあどんな関係性なのかと問われれば、互いに恋愛感情のある友人関係。肉体関係もある。となれば、世間一般でいうところのセックスフレンドに該当するのだろうが、私は私たちの関係をこの枠に組み込んで欲しくないし、彼も否定している。要は互いにめちゃくちゃ好きな友人関係だ。

恋人関係にならないのには理由がある。
両者ともに、恋人になった場合に生じる責任を完璧に全うすることができないと判断したから。これは相手を真摯に愛することができない、つまり浮気し放題!とかそういう意味ではない。恋人だから〇〇しなきゃ、という義務感に押し潰されて好きな気持ちを見失ってしまうのが怖い私と、研究に集中するあまり相手に割く時間と心の余裕がなくなることを恐れる彼との間で成された打開策が"恋人関係にならない"だった。

めちゃくちゃ好き。凄く好き。愛してる。
だから付き合わない。
無理ない範囲で互いに予定を合わせて会い、突発的な「会いたい」にも可能な限り応え合う。
同じ空間にいても各々仕事や勉強に勤しむこともあれば、三日三晩ずっと一緒に過ごすこともある。気負わず、自由に、でも適度な独占欲を開示し合いながら折り合いをつけて共にいる。
これが今の私たちの最適解だ。

それでもやっぱり、確証のない関係性にどうしようもなく不安になったり、寂しさを抱えきれなくなったりする日もある。そんなときは相手の胸に耳を当てて鼓動を聴き、生きているんだと実感する。握った手を握り返される指の力に安堵する。

第六感が焼き切れるまで愛するつもりだ。
愛するひとよ、どうか覚悟していて欲しい。

今年も残り1ヶ月。
現状維持で生きていきたい。

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