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絵を描くことの意味。1年越しの日記。

今日で5月が終わる。
あと1ヶ月で、2020年の折返し地点。

衝動的に絵を描きたくなり、そういえば……去年書きかけのnote下書きがあったな……と引っ張り出したのがこのnoteだ。
今日、絵を描いた記念に、絵を描くことの素晴らしさを綴った記事をそろそろ成仏させたい。

🎨🎨🎨

去年のGW、当時付き合っていた神彼氏(今は夫)と、家で一緒に絵を描くことにした。

絵と言っても、いつも仕事で描いているデザインに使う挿絵的なデジタルイラストではなく、額縁に入れて飾る用のアート。わざわざ画材屋さんでアクリル絵の具や筆を始め、額縁や紙、パレット、筆洗いバケツを揃えた。

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絵を描くことになったきっかけ

2018年の10月に同棲を始めて半年が経った頃。それぞれが持っていた家具や雑貨を持ち寄って二人暮らしが始まったが、今住んでいる家のリビングが想像以上に広く、家具を新調したり植物を飾って部屋を充実させることにした。だいたい目星のものが揃ってきた頃、何か物足りない…そしてリビングの一角にあるコンセントがごちゃごちゃしてどうもまとまらない。家具や雑貨を探してみたがどうも違う。そこで彼からの提案。

💁🏻‍♂️「大きいアートを飾らない?」
🙋‍♀️「アート!?いいね!!!」

早速ネットでアートを探し始め、二人の好みに合う北欧風のアートをいくつか見つけた。でも、アートディレクターの私と建築士の彼、お互いの好みに合って、かつ家のシンボルとして飾るような「これがいい!!」と決めることができず、それなら…「今度のGWに、自分たちで絵を描かない?」と今度は私から提案したのだ。


なぜアナログの絵にしたのか

PCで描いたデジタルイラストを大判印刷するのもいいが、「 ⌘+Z 」でいくらでも戻ったり色を調整できてしまう。失敗してもいい、その時その時の感情で赴くままに筆を動かした方がきっと面白くなるだろう。それに私達はアートディレクターと建築士、PCで作業をしたら仕事のように1ミリ単位で正解を求めてこだわってしまうだろう。これは仕事ではない。だから、あえて替えの効かない道を選んだ。

世界堂に行って大判サイズの額縁を買い、彼に「そんなに大量に色いる?」と言われながら半ば強行突破でアクリル絵の具を36色セットで買った。どんな絵を描くか全くノープランで、でも一緒に住んでいる家に飾るから【 部屋に合う & お互いの好みにハマるものにしよう 】というルールだけ決めて、あとはその場のノリで描く。「パッションで描こう!」が口癖に。

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まず1枚目は最初に色を混ぜてキーとなる色を決めてから、頭の中に形をイメージする。画用紙に、一度筆をすべらせたら止まらない。アクリル絵の具だけじゃなく、何年も前に買った派手な色のアイシャドウやマニキュアなど、引き出しの奥で使わずに眠っていたコスメも画材として使ってみたり。月をモチーフにした絵に、コスメのパールやラメのキラッと感がとても合う。

描けば描くほどどんどん描きたい形や色が浮かんできて、この日昼の12時に描き始めたのに、夜の12時まで12時間ぶっ通しで描き続け、2人で合計10作品ができた。


2人の作品

描き上がったものを、iPhoneで撮ってPC上で額縁にはめてみる。額縁の素材や壁紙の色を絵に合わせて変えてみて、デジタルはなんて楽なんだろうと思いながら。画像にすると小さく見えるけれど、実際にはかなりの大判サイズ。
まずは私の作品の一部をご紹介。

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以下は彼の作品。

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あれから1年

予定どおり壁のコンセントの前に大きな額縁を飾る。
数ヶ月に1回違う絵に入れ替えたりしているうちに、自分たちの描いた絵を飾ってから1年が経った。

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二人でそれぞれ描いた線、色、時間が形になり、空間を彩る。

今ではそこにあることが当たり前の存在になっているけれど、ふと絵を見るたびに、その日の思い出が蘇るのはいいものだ。

家に思い出の写真や旅行で買ってきた民芸品を飾っている人は多いと思う。そうやって思い出の品を飾ることで、これまでの日常がちょっとだけ特別になり、そして知らない間に日常の一部になっていく。

今日久々に絵を描きながら、私はその一連の行為と変化を感じるのがすごく好きなんだなと気付いた。

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友人の結婚記念日のお祝いに描いた絵、「木漏れ日」。

次は自分家用。

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パレットに出して色を調整している時、あえて色が混ざりきる直前で塗るのが好き。塗っている途中で、意図せず、混ざりきってない色が急に出てくる出会いを楽しむ。それも、綺麗に塗るのではなく、軌跡が残るように筆にたっぷり絵の具を付けて。アクリル絵の具を塗る手法として正しいかはわからないけど、ただ自分の直感で好きに塗っているだけ、趣味だから。

「絵を描く」行為は、ほとんどの人が小学校の美術の授業で体験しているが、仕事や趣味が絵描きでない限り、大人になってからなかなかしないことのひとつだろう。絵が上手いからとか下手だから…とか関係なく、楽しいからやってみて。

実は去年画材を欲張ってたくさん買ったり額縁のサイズがかなり大きいせいで5万円以上費用がかかってしまったけれど、アナログで、一度描くと後戻りできない、スリルとリアルな質感を楽しみながら、一筆ひとふでを大切に描く時間は、プライスレス。

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また時が経って今日描いた絵が日常の一部になるのを楽しみに生きるよ。

そしてきっと、老後の趣味は絵描きになるだろうな、と思う32歳の夜。


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