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「諸行無常」の響き

『諸行無常』
私はこの言葉が好きで、
良い時も悪い時も常に、
この言葉を思い出すようにしています。

諸行無常、すなわち世のすべては
すぐに移ろいゆく。
これも過ぎ去る。
あれもまた過ぎ去る、
それもまた過ぎ去る。
物質と心を司るすべてのエネルギーは、
微細なレベルで観察するなら、
一瞬たりとも安定することなく、
崩壊しては新しく生成する。
これを猛烈なスピードで繰り返し、
ぐらついている。
どこにもしがみつくことなどできはしない。
これを座禅瞑想により、
腹の底から衝撃とともに体感するなら、
君は苦しみから離れ、
君の心は清まり安らぐだろう。

『ブッダの言葉』の中にある
この頁は数えきれないくらい読みました。

小学校の国語授業で、
覚えなくてはいけなかった
『平家物語の冒頭』

当時は苦痛で仕方ありませんでしたが、
その中に出てくる言葉が、今の自分を
支えてくれていると思うと、
とても不思議な気持ちになります。

祇園精舎の鐘の声、
諸行無常の響きあり。
沙羅双樹の花の色、
盛者必衰の理をあらはす。
奢れる人も久からず、
ただ春の夜の夢のごとし。
猛き者も遂にはほろびぬ、
偏ひとへに風の前の塵におなじ。
『平家物語』第一巻「祇園精舎」より

【現代語訳】

祇園精舎の鐘の音は、
「諸行無常」
つまりこの世のすべては
絶えず変化していくもの
だという響きが含まれている。
沙羅双樹の花の色は、
どんなに勢い盛んな者も
必ず衰えるという道理を示している。
世に栄えて得意になっている者がいても、
その栄華は長く続くものではなく、
まるで覚めやすい春の夜の夢のようだ。
勢いが盛んな者も結局は
滅亡してしまうような、
風の前の塵と同じである。

たとえ、現状が「いばらの道」であっても、
この道は一生続くものではない・・・

私はうまくいかない時はいつも
『諸行無常』という言葉を想い浮かべます。

逆にうまくいっている時も
同じように『諸行無常』を想い浮かべ
絶対に驕り高ぶることのないよう、
自分をコントロールしてきました。

このように『諸行無常』の響きは、
常に私を中庸に戻してくれます。

最近、過去に読んだ本を
読み返しているのですが、
これを機にもう一度原点を
思い出してみようと思いました。

引用文献:小池龍之介(著)『超訳 ブッダの言葉』2011年、P172

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