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1冊に100本より100冊に1本づつ【一流の人は、本のどこに線を引いているのか】

本のタイトル通りの疑問を持ち、手に取った本です。どう本と向き合い、線を引くのかを探っていきたいと思います。

1.なぜ線を引くのか

私の線の引き方としては単純にいいなと感じたり、考え方に共感できる部分に線を引きます。線を引くことで記憶に残しておきたいと考えます。本の中で思いつくままに線を引くので、結果として覚えられる分量ではなくなります。線を引くことによって読書をしてる気になって満足してるだけなような気がします。

――そもそもなぜ線を引くのか?

本の中から有益な情報をピックアップすることが目的のように思えますが情報を得てどうするのかという視点が抜けていては意味がありません。その情報をどう生かすかが重要であり情報収集は目的達成の前段階です。ビジネス書を読むのであれば、それを読むことにより現状の困り事をどうにかしたいと思っているはずです。そうなると真の目的は「問題の解決をすることで現状に変化を起こす」ということになります。つまり本は問題解決ツールであり、線を引くということは「現状を打破するために本の中から有益な情報を選び取る」ということであると考えます。

2.結果より原因に目を向ける

問題解決のために読書するポイントは以下の4つです。
 1)解決したい問題を明確にする
 2)問題解決に繋がりそうな本を選ぶ
 3)問題解決に役立ちそうな情報を取得する
 4)問題解決のために行動を起こす

線を引くということに関しては3)になりますが、線の引き方に限らず読書の意味としても重要なことが「目的意識」です。そして線を引く時に着目すべきは結果ではなく「原因」です。

まず目的意識についてですが、目的意識の有無が読書の効果に大きく影響します。目的意識が欠けていると何の情報があれば現状を打破できるのかが分からず、何の本を読んだらいいのかも分かりません。そもそも何に困っているかという現状が分かってなければ対策が必要なのかさえ分かりません。地図でいえば現在地も目的地が分からなければ、どんなにみやすい地図であっても役に立たないといった状態だといえます。「今どこにいて、どこに行きたいのか?」が目的意識となります。

次に線を引くことについてですが、ここで重要なキーワードは「原因」です。ビジネス書では著者のエピソードが語られ、その経験により培われた思考パターンや行動パターンが示されます。エピソードでは問題に対してこう対応して解決したという経緯が書かれています。

ここで読者が「同じような対応をすれば同じように問題解決できる」と考えたとしたらそれは間違いです。著者がやった対応で問題解決できたのはひとつの「結果」であり読者自身に当てはまるとは限りません。「原因」を読み取った場合、どういった考えの元にその対応を選択したのかというところが見えてきます。その原因からの思考の流れを自分に当てはめた時、同じ対応でいいのか、もしくは別の対応が必要なのかの選択が可能となります。

「結果」に着目すると型にはまった考え方となりがちですが、「原因」に着目すると発想に柔軟性が生まれます。だからこそ線を引くべきところは結果ではなく「原因」となります。

3.読書の効率化を図る

結局のところ線を引く一番の理由は読書の効率化であると考えます。数多くの書籍の中から自分にとって必要な情報はどれだけあるかと考えると、そう多くはないと思います(少なくとも今すぐ必要な情報に限って言えば)。それを効率よく見つけ出し早期解決する手段が「目的意識をもって本を選び、線を引く」ことです。この効率が良くなるということは成長が加速することであり、仕事であれば生産性が向上することになります。

そして効率を更に高める方法として「1冊に100本の線を引くことより、100冊に1本づつ線を引くこと」が有効であると感じました。1冊に固執してしまうとどうしても視野が狭くなってしまいますし、本の選択が間違っていたら元も子もありません。だからこそ多くの本、多様な著者からヒントを得た方が情報の幅広さや深さが増すため、応用力の高い知識が身に付きます。

買った本を全部読まないというのはもったいなく感じてしまい少し気が引けますが、そもそも積読している時点でもったいないですし、辞書のように全部読まなくても役に立つ本があることを考えれば、本に対する意識を少し変えてもいいのかなと思います。

4.あえて嫌いな本を読む

最後に本を選ぶポイントを3つほど。
 1)著者のプロフィールを確認する
 肩書が簡単に得られるものかどうか。創業者や中興の祖であればエピソードから色々な学びが得られます。また専門家でも専門外の内容である場合は注意が必要です。

 2)名著やベストセラーを読む
 長く読まれている、多くの人に読まれているということは一般的に広く知られていて、多くの人の思考に根付いているということです。つまり他人の考えや戦略を知るきっかけになるということになります。同じ土俵で戦う場合、基本の戦略を知っているか知らないかで勝敗を分ける可能性があります。

 3)あえて嫌いな本を読む
 心情的には嫌いな著者や嫌いな主張の本は読みたくはないものです。でも合理的に考えると嫌いな本を読むことで「やっぱり嫌い」とか「悔しいけど納得」といったような感想をもつと思います。「やっぱり嫌い」の場合は、なぜ嫌いなのかという原因を掴むことが出来ますし、「悔しいけど納得」の場合は、自分の考え方の幅が広がります。つまり、いま自分の中にない答えがそういった本にはある可能性があるということです。好きな本だけ読んでいると楽しいですが、同じ意見に賛同できる、自分の考えを補強するだけで新たな発想には繋がりません。だからこそあえて自分と異なる意見に注目し、嫌いな理由を自問自答してみるのもいいでしょう。

読書は効率化がすべてではないと思いますが、問題解決は効率的にできるに越したことはありません。だから私は本を見る目を養い、本を問題解決ツールとして存分に役立てていきたいを思います。

以上、ありがとうございました。

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