読み人語り〜4月の読書記録として〜
4月が春休みだなんて、長いですね。
友人たちと過ごすことのできない時間は、どうしても本と過ごしてしまいます。これも一つの対話でしょうか。
4月もぼちぼち本を読んで見たので、紹介しますね。遅いぞ!(すでに5/11)
ではでは。
1.岡崎京子『pink』
主人公ユミちゃんの愛と資本主義の物語。間違いなく残酷なのだけれど読後感は悲しみでもない。ユミちゃんにとっての「幸福」が一貫して一つの世界を作ってる。当時は「マンガは文学になった」と言われたらしい。
pink 新装版 - マガジンハウス
https://magazineworld.jp/books/paper/2141/
2.オノ・ヨーコ『grapefruit juice』
ジョン・レノンに『イマジン』をかかせたという作品。なにか新しい行為を身につけるためのメニューだと言う。「この本を燃やしなさい。読みおえたら。」衝撃作。
3.ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトデ、ちょっとブルー』
小説だと思って買ったらエッセイだった。英国に住む著者とその息子の日常を忌憚のない言葉で綴る。作品名の由縁も面白いのでぜひ楽しんでください。
ぼくはイエローでホワイトデ、ちょっとブルー - 新潮社
https://www.shinchosha.co.jp/sp/ywbg/
4.紗倉まな『春、死なん』
エッセイだと思って買ったら小説だった。老いと親子、そして性が大きなテーマ。文体は小説としてはかなり読みやすいようにも感じる。
春、死なん - 講談社
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000333397
5.瀧本哲史『ミライの授業』
14歳の中学生たちに向けられた本ですが、20歳のぼくにもかなり面白く読めました(ということは、あれ?)。ニュートンが人類史に残る研究を残したのはペストで大学から締め出された一年半だった、という話が少しだけ勇気をくれるようですね。著者は少し前にお亡くなりになりました。素晴らしい本です。
ミライの授業 - 講談社
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000189749
6.中島義道『哲学の教科書』
哲学の歴史についてまとめたものかと思いきや大間違い。「哲学は何でないのか」や「哲学の問いとはどんなものか」など徹底的に「哲学する」ことを考えさせてくれる。
哲学の教科書 - 講談社
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000151081
7.内田樹『子どもは判ってくれない』
著者が子どもに説教をする巷の若者向けの書籍に辟易として書いた本。大人にとって対話とは、思考とは何なのか説いてくれる。
子どもは判ってくれない - 文藝春秋
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167679910
8.小手川正二郎『現実を解きほぐすための哲学』
5つの現実の社会問題に対して、哲学はどのように道を切り開くことができるのかを提示する。どの章でも「こんな考え方があるのか!」とハッとさせられる。
現実を解きほぐすための哲学 - トランスビュー
http://www.transview.co.jp/book/b505627.html
9.柴田元幸・村上春樹『本当の翻訳の話をしよう』
ゼミの課題書なので読みました。二人の対談形式で良い翻訳(短編小説の書き方と好きなアメリカの小説の話しかしてないけど)について考える。二人の翻訳を対比して読むことができるのは結構贅沢かも。
本当の翻訳の話をしよう - スイッチ・パブリッシング
https://www.amazon.co.jp/%E6%9C%AC%E5%BD%93%E3%81%AE%E7%BF%BB%E8%A8%B3%E3%81%AE%E8%A9%B1%E3%82%92%E3%81%97%E3%82%88%E3%81%86-%E6%9D%91%E4%B8%8A-%E6%98%A5%E6%A8%B9/dp/4884184661
10.野中モモ『野中モモの「ZINE」小さな私のメディアを作る』
ZINEって見てるだけでワクワクしますよね!著者の個人史とともに出会ってきた様々なZINEたちの魅力を語る。実際のZINEもたくさん出てきて明日からでも作ってみたくなるはず。
野中モモの「ZINE」 小さなわたしのメディアを作る - 晶文社
https://www.shobunsha.co.jp/?p=5677
今月もこんな感じでしょうか。
ジャンル問わず色々と読むことができて幸せでした。
明日からは大学!頑張ります。
では、ご自愛ください。