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78. この香りは!

ヒジュラ暦1441.5.9 (2020.1.4)

年が明けた。といっても、こちらはそれほど年末年始感はなく、大学はちょうど期末試験期間の最終週だった。木曜の勤務で前期が終了。学生は2週間ほどの休みに入る。私もほっとしたのと、少し年明け感を味わいたく、レストランに行った。

アラブ料理のレストランでベタなアラブ料理が食べたいと知り合いにお願いし、連れて行ってもらった。実は私はそれほどアラブ料理をよく食べるわけではない。嫌いではないのだけど、ただ重いのだ。特にメインはお肉がっつり、ご飯も油もたっぷりという感じで、翌日は食事軽めでいいかなという感じになる。

ただ、昨日は前期打ち上げの気分と、新年と言うことで、まずはアラブ料理で始めよという気分だった。こんな感じのレストランで、気分は新年になった(笑)以下、てきとーな料理説明。

レンズ豆のスープ:レモンを絞って飲むとこれまたおいしい♪

パン:2種類あって、一番下は生地が厚め、上の方はクレープのような薄さで食感はもちっとしている。スープなどといっしょに食べる。

左上:ファットゥーシュ、サラダにあげたパンが散りばめられているカリカリ
右上:タッブーレ、パセリのサラダ。
右横:マハシー、ひき肉やご飯をぶどうの葉でぎゅっと包んでいる
右下:ムタッバル、ナスのペースト(上のパンといっしょに)
左下:フンムス:ひよこ豆のペースト(上のパンといっしょに)

左上:パンに隠れてしまったがケバブ
右上:マクルーバ、アラビア語で「ひっくり返す」という意味。お肉(写真は鶏肉)やナス、ニンジン、玉ねぎなの野菜とご飯を各種スパイスといっしょに(詳細わからない)炊いて、最後鍋からひっくり返して出していると思われる。オリーブオイルも入ってるのか、ご飯がオイリーで、ずしっとくる。アラブご飯~~という気分になる。
下:魚のフライ(隣のクリーム系のソースといっしょに食べる)

前置きが長くなったのだけど、どれもアラブ料理(この定義はあいまいだけど…)の定番のもので、私もこれまで何度も食べてきたものだった。

ただ、一つ今までと違ったのはマハシーだった

調べてみるとマハシーというのは「詰められたもの」を意味する。だから、このように、ブドウの葉でなくても、キャベツやズッキーニなんかにつめてもマハシーと呼ばれるようだ。

で、いつものように食べたのだけど、その瞬間、口に広がった香りが

桜餅!

口の中に広がった香りで、私の脳は嗅覚からの情報で"桜餅入りました~”と言いつつ、味覚からの情報では"ご飯系入ったよ~”という感じになり、何を食べたのかという認識が混乱した(笑)正直、おいしいという感覚より先に、"あれ、これなんだ”という混乱が先だった。

私は桜餅の香りが大好きで、家の壁に桜の葉を貼り付けたいという衝動にかられたことが過去にあり、一時帰国の時も密封された桜の葉の塩漬けを買って帰ろうか迷うぐらいなのだが、それが、奇しくもアラブ料理のマハシーを食べた時に出てきて驚いた。それに、私はこれまでに何度もマハシーを食べてきたのに、その時には桜餅の香りはなかったのだ。

私は興奮して、いっしょに食べていたサウジ人の友だちに
「これ、桜餅の香りだね~」と言ったら、日本留学経験のあるその友人は

「僕も、日本で桜餅を食べた時、マハシーだと思いました」

と言った。同じような経験をしていたようだ。
なるほど、私はこれまで、桜餅の香りは、「桜の葉」の香りだと思ってたのだけど、おそらく、これはある種の葉を塩漬けにすると出てくる香りなのだと。

2020年はブドウの葉の塩漬けを作ってみようと思う。まだ、どこにブドウの葉が売ってるのか知らないけど…

新春においしいアラブ料理をたくさん食べて、力が湧いた。新年早々、中東は不穏な空気があるけれど、今年一年も無事に仕事ができたらよいなと心から願っている。

*中東料理についてはカフェバグダッドさんの「この広い世界を知るための10皿」というマガジンが参考になる。そしてお腹がすく。

いつもより、ちょっとよい茶葉や甘味をいただくのに使わせていただきます。よいインプットのおかげで、よいアウトプットができるはずです!