見出し画像

『走れメロスたち』手順を変えるだけでゲームがガラっと変わる

『走れメロスたち』のプレイテストをやる日々。

『走れメロスたち』は、マップ上の駒を進めてゴールした人が真のメロスで、それ以外はただ走ってた人になっちゃうというゲーム。

トリックテイキングというゲームで、カードを1枚ずつ全員が出して強いカードを出した人が、場にでたカードを獲得する、ってことを繰り返してゲームを進行していく。

親から順に手札を1枚ずつ出して、強さを比べ、勝者がカードを獲得する(これが1トリック)。カードを獲得した者が次の親になる。で、また親から1枚ずつ出していく。
これを繰り返して、手札がなくなると1ラウンド終了。
4人プレイなら最初の手札は7枚なので、7トリック繰り返して1ラウンド終了だ。
自分のメロス駒を進めて、ゴールした人が勝者となる(1ゲーム終了)。だいたい3ラウンドぐらいで勝者が決まる。

いままでは、1ラウンド終わった後に、獲得した全部のカードによって駒を進めていた。
だが、獲得するたびに、つまり1トリックごとに進めるのが良いのでは、という案が出た。

相違点は、駒を進めるタイミングだけだ。

1ラウンド終了時に駒を進めるルールは、ダイナミックだ。
「走るメロス」カードをたくさん獲得し「激怒メロス」カードも獲得したのでめちゃ走れるぞ!と思っていたのに、最後に「寝るメロス」カードを喰らって寝てしまいぜんぜん走れなかった!っていう大逆転が起こったりする。
「寝るメロス」の1や2といった最悪最弱カードがラストに強力な意味を持つ。
逆に喰らわせるために持っていた「寝るメロス」が、自分がラスト親になったため自分で喰らってしまうといった大逆転狙いの大失敗も起こる。
コマを進めるタイミングを、1ラウンド終わった後にすることで、ダイナミックな大逆転が起き、振り回される感覚が味わえる。

一方で、カードを獲得した直後に、つまり1トリックずつコマを進めるルールにすると、積み重ねて狙っていく感覚になる。
どのカードを出すのか、作戦を練り、吟味する。いっきに14マス進んだりすることはなくなり、今回2マス進めて追い抜いて、次は……と積み重ねる面白さに変わる。
走るカードは最後に残りがちなので、1ラウンドの後半でいかに勝つか戦略を練ることになる。
こちらのほうがマップ上の駒の抜きつ抜かれつの逆転は起こりやすい。
狙いどころがはっきりして、お互いの作戦が拮抗して戦っている感覚が味わえる。

どちらのルールが良いか!? ってんで、何度もプレイしてみた。

そして、大勢の感想を聞き、自分でもうーんうーんと考えて決めた。

ここから先は

469字

・オンライン講座「ゲームづくり道場」をほぼ毎月1、2回。 ・創作に関する記事 ・メンバー特典記事 ・チャットでの交流

米光一成の表現道場

¥800 / 月 初月無料

記事単体で購入できますが、月額800円「表現道場マガジン」がお得です。noteの機能で初月無料もできるのでぜひ。池袋コミュニティカレッジ「…

7人以上のライターが月に1本以上、書いています。是非、チェックしてください。

アナログゲームマガジン

¥500 / 月 初月無料

あなたの世界を広げる『アナログゲームマガジン』は月額500円(初月無料)のサブスクリプション型ウェブマガジンです。 ボードゲーム、マーダー…

サポートいただいたら、記事に還元できることに使います。表現道場マガジンをよろしく! また、記事単体で購入できますが、月額800円「表現道場マガジン」がお得です。