【スイミングコーチ4年のアンガーマネジメント】子どもに拳銃を向けて権力争いをすることが目的になっていませんか?
2020.6.11.木 #327日目
仕事でスイミングコーチをしている際、練習中に遊び呆けている子どもたちに、根気よく遊ぶ時間ではないことを伝えます。
しかし、コーチの僕も人間です。
無視して遊び呆けて練習メニューすら聞かない子どもたちに腹が立ちます。
これ、クラスの担当になって最初の暫くは続きます。
心当たりある方もいるでしょうか。
「あ、このコーチ怒らないから大丈夫」
ってなっている期間です。
この期間この状態では、10人の内8人が喧嘩をしたり、話を聞かないようなクラス。
さて、コーチの立場ならどう対処していきますか。
彼らにとって何が「大丈夫」なのでしょうか。
この「大丈夫」の意味がわからないと動けません。
「怒られるか、否か」です。子どもにとって、怒られないことはつまり「大丈夫」なのです。この思考を作ったのは、紛れもなく賞罰教育だと思っています。
大人にとってダメなことは叱る。
大人にとって素敵なことは褒める。
そういうのが賞罰教育です。
叱られるのが嫌な子どもは、コーチの目を盗んで叱られないように動きます。怒られないために、やりたくないことも真面目なフリをします。もう最悪です。
もっと厄介なのは、権力争い段階に入っている子どもです。
なんとかして自分を見てくれるように承認欲求よりももっと能動的に注目を集めて自分を「褒めてくれ」から「もう無視されるくらいなら叱ってくれ」になります。練習をせず、コーチをイライラさせて注目してもらうのが目的の子どももいるわけです。
コーチの目的は子どもとの権力争いでは無いはずです。相手にしてはいけません。
だって、コーチの話を聞かなかった責任は誰が取ることになるかがすべて語っています。その場は、コーチのせいで収まります。だけど、人生の観点で本当に責任を取ることになるのは子どもです。
ここからは、もはや怖い物語です。
コーチは、少なくとも子どもたちよりもスイミングについて詳しい情報や知識を持っています。それを聞かないで、遊び呆けていたら、その結果はどうなりますか。
いずれ、教えてもらう機会が減っていく。
遊びに費やされた時間は二度と戻ってきませんから、彼らが遊びに夢中になった結果、練習・改善の不足が起きるのは目に見えています。
当然、決まった基準がある進級テストには受かりません。そして、不合格のハンコをもらいます。その先には、練習時間に他人を邪魔したり遊び呆けるしか能がない。
もう、ほんとに絶望です。
なんなら、基準を満たして合格した同世代や友だちに進級で級を離されます。
子どもの絶望の先、
「コーチのせいで合格できないじゃないか」という親も少なくはありません。
コーチの役目は、そんな絶望をさせるところには無い。ここで終わってはコーチの業務を放棄しただけです。
押さえておきたいポイントはコレ。
親が叱ろうが、コーチが叱ろうが、人生において、本当の責任を取るのは子ども本人です。
それは、どれだけ子どもを愛していようが関係ありません。子どもが責任を取ることになります。
だから、子どもがその責任を感じて、
「練習したい」
「どうすればいいの」
「何をすればいいの」
という疑問や課題を持つ瞬間には、絶対に支えになる努力をするようにしています。
叱らなくとも、とっくに絶望しかけていた彼ら。
ここで改めて偉そうに彼らを責める必要は1ミリもありません。
○○くんの進級のためには、どんな練習が必要なのか。○○さんの練習中の様子を見て、必要な意識ポイントはどれなのか。
一緒に考える姿勢と、提案する姿勢は絶対に捨ててはいけません。
相手がどれだけ権力争いで殴りかかってこようが、どれだけ迷惑をかけてこようが、それとこれは別です。
「練習したい、頑張りたい、進級したい、友だちと泳ぎたい、何をすればいいかわからない」
そう思い始めた子どもたちには、彼らと横に並ぶコーチとして、持っているものを渡すだけです。
「コーチのおかげで、コーチがいたから」なんて言われることは、まずありません。
彼ら自身が、自分で自分の本当の責任に気づいた道のりがあるからです。あるとすれば、
「ありがとうございました」という挨拶くらいです。
ここまで試行錯誤してきて。
怒りが残っているとすれば、それは、彼らと同じ権力争いをしている大人になっているのがあなたなのだと思います。
落ち着いてください。
彼らに怒りをぶつけても、目の前の自分の承認欲求が満たされるだけです。
スタートの賞罰教育に戻ってしまいます。
落ち着いてください。
人生の責任を感じ、絶望する手前で、気づいた瞬間や、挑戦したい瞬間を見逃さないで手伝ってあげてください。
コーチのアンガーマネジメントは、生徒の人生の責任を知り、考えるところから始まります。
では、作業に戻ります!
ばいばーい!(^^)
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