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東京の名もなき欠片

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世界中でもまったく異質で稀有な都市、東京の空気、色、乾いた感傷をつづります。~An unnamed piece of Tokyo~
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#香水

香彷徨遍歴仮名手本

 「ああやっぱりそうなのか」と、ある試みにおける見込み違いの結論を得た。自分は香水を、多…

秘すれば花
3か月前
4

憧憬 熱烈 創造 体感 

 先だって、ゲランのクラシック名香『夜間飛行』は香水とオーデパルファムとではまったく別物…

6

ドゥ マゴ パリという普遍

 年明けを目前に控え、夜が明ける前のごく刹那に感じられるおごそかで純粋、限りなく透明なひ…

8

香りよしなし

 セロリとかみょうがを大人になって「おいしい」と感じられるようになったのと似て、10代の頃…

9

夏がくる予感がしたら、買うことを決めた

 とうとう我慢ができなくなって日本橋三越にザッハトルテを食べに行った。これは結構、酔狂な…

20

これは、私の香り。

 謹賀新年。  28日に仕事納めをして決めていたのは、元旦までは休む。2日からは2022年の計…

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リップクリームみたいな気軽さで

つけている香水の銘柄をぶちまけるのは、すごく品がない行為というか、せっかくセンシュアルに印象を残すことができて、秘密めいていることに意味があると信じているので、ナンセンスなことだと思ってしらけてしまう。それをあえてやってみようというのは、自分的香りの遍歴にやっと、誰かの能書きでない自己の履歴書ができたような「学び」を感じることができたからだ。 高校生の頃から憧れていた女性像というのが、ジャンヌ・モローのごとく退廃的なフランス女優であり、オリエンタル調の重たい香りばかりつけて