【ジェンダー平等教育モデル校、大事なまとめ3つ】さかもとじゅんいち和泉市議12月定例会質問/文字起こし(3/3)

和泉市議会 令和5年第四回定例会一般質問。 ①公共物を大切に扱う教育について ②いわゆるLGBT理解増進法を受けて 議会中継の動画配信がスタート致しました。 ②の質問については、大変に難しい課題ではありますが、 昨今のLGBTに関するさま...

Posted by さかもと じゅんいち on Sunday, December 17, 2023

「いわゆるLGBT理解増進法を受けて」質問してくださった、さかもとじゅんいち議員に感謝いたします。
大ボリュームのため3つに分割。今回は「ジェンダー平等教育重点モデル校、大事なまとめ3つ」についての部分です。
動画はこちらでご覧いただけます。和泉市議会 議会中継 - 発言内容 (discussvision.net) さかもとじゅんいち議員部分
※この文字起こしは筆者が私的に行ったものであり、文中太字なども筆者によるものです。


ジェンダー平等教育モデル校

ジェンダー平等教育モデル校とは?

さかもとじゅんいち議員:
 次にLGBT理解増進法第十条に、学校は当該学校の児童等に対し性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する理解を深めるため、家庭および地域住民その他の関係者の協力を得つつ教育または啓発。教育環境に関する相談体制の整備その他の必要な措置を講じるよう努めるものとする、とあります。これを受けて、本市公立学校においては性的マイノリティであると考えられる児童生徒が在籍していることを前提に、環境整備や相談窓口の周知などきめ細かい対応、多様性を尊重する教育などの取り組みをして下さっているとお聞きしております。
 その中で、ジェンダー平等教育のモデル校を指定するなど、かなり前から取り組みを始められているということですが、その経過をうかがいます。


教育指導官:
 本市における男女平等教育は、以前から全校で推進しておりましたが、市内全域の取り組みを活性化するため平成八年度からモデル校指定を行い、モデル校は重点的に男女平等教育に取り組むこととし、市内各校に実践内容を広めてきました。平成28年度からは小中一貫教育を進めていく中で、中学校区を単位として指定するようにしました。なおどの学校でも推進するため、指定は2年とし、今までに25校に指定してきました。LGBTや性の多様性について取り扱うようになったのは平成27年度に文部科学省が性同一性障害にかかる児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等についての通知を出したことを踏まえ、平成28年度のモデル校区とした石尾中学校区からLGBT理解を通した男女平等教育に取り組みました。なお令和3年度からは大阪府教育長が男女平等教育からジェンダー平等教育に名称変更したこと、SDGsの17の目標の一つであるジェンダー平等を実現しようともあわせ、本市においても男女平等教育からジェンダー平等教育に名称を変更しております。以上です。


さかもとじゅんいち議員:
 これに関する理解を全学校での取り組みとするために、現在も計画を順次進めていっていただいております。

絵本「タンタンタンゴはパパふたり」

さかもとじゅんいち議員:
 次に令和3年度に教育委員会は「性の多様性を考えよう」というリーフレットを作成しておられます。児童生徒が性の多様性を分かりやすく知れるよう、またこれに関して悩んでいる子供達の相談できる窓口を紹介するなど、情報が簡潔にまとめられております。そこにはお勧めの本として海外で出版された絵本を翻訳したものや、性的マイノリティ当事者からの和泉の子供へのメッセージも掲載されております。そこでこの本や人物を選定した理由をうかがいます。


教育指導官:
 絵本につきましては既に市内外の学校で活用した事例のある物から、性の多様性について理解を深めやすいと思われるものを選定しました。また、メッセージは他市町村においても講演実績が多く、過去に和泉市の教職員に対する研修講師として招聘したことのある方にお願いし、子供にむけて作成していただきました。


さかもとじゅんいち議員:
 性の多様性について様々な角度からこれについて子供たちに理解してもらうために用意をなさったとおもっております。なかなか理解するのに難しい分野ですので、どのような内容がよいかということは一概に言えないとは思うのですが、私としては少しこれに、課題もあるのではと受け止めました。

 例えばこのリーフレットには、性の多様性を知るための四冊の海外の作家さんが書かれた本を取り上げております。
 そのうちの一冊「タンタンタンゴはパパふたり」という本があります。この本には二羽のオスペンギンが登場し、いつも仲良しです。メスとカップルになろうとはせず、ゆえに飼育員はこの子たちは好き同士なんだと考えます。しかし他のオスとメスのペンギンたちのように卵は生まれません。代わりに石のかたまりを巣で温めておりました。そこで飼育員は他のペンギンが放置していた卵をこのオスペンギンカップルにあげます。このオスペンギン二羽はそれを抱いて孵化させ、赤ちゃんが誕生。新しい家族の誕生です。といった内容です。

 この本はアメリカ図書館協会の最も批判を受けた図書ランキングの上位に名を連ね、子供に読ませたくない本として話題になった本です。日本語に翻訳なさった尾辻かな子さんは、このような本をもってオス同士のカップルがいること、このような多様な家族のあり方を分かって、抵抗感なく受け入れてもらえるとよい、とおっしゃっています。このような本は各学校図書に置かれており、性の多様性を子供達に教える教材としても活用するとのことです。

 私は、この性の多様性を教える四冊の本を読み、単純に思ったことは、LGBTに関する理解を推進することに先進的な海外の作家さんが書かれた本に和訳を付け、ふりがなをふり、幼い子供たちに読み聞かせ、図書館でこれに関わる何の知識も指導もない中読むことができる状況が、みんなちがってみんないいとか、これが性の多様性だということを子供たちに意識づけるのに、本当に正しい方法なのかと疑問しかありませんでした。

 そもそも多様性はなにもこれだけではないはずです。認め合うべきはそれぞれの特性や個性、右利きがいれば左利きもいる、お外遊びが好きであればお部屋で絵をかいたり本を読んだりするのが好き、球技が好きであれば格闘技が好きな人もいる、これも多様性でありまして、あえて性の多様性について低学年から教えなくても、学ぶべき多様性というものは他にたくさんあるはずです。

 このリーフレットの中で取り上げられている性的マイノリティお二人のお話は、当事者から聞くということの必要性ということを考えられたものだと思っております。どの年齢でこのようなことに触れ、どのような考え方を持っている人に出会い、何を感じ取るか、どのようにアドバイスし導かれるのか、これはその後の子供達の発達や生き方というものに大きく影響するものです。特に教育現場においては関わる大人たちが性的マイノリティやジェンダー平等などに関する講師を人選し、教材を選び教えていくものであり、大きな責任があるゆえに慎重でなければなりませんし、それには学びに関する明確な基準が必要と言えます。

 そこで性の多様性については学習指導要領にも記されていないなか、児童生徒に指導するにあたって、教育委員会は何を基準として子供達に教えていくのかおたずねします。


教育指導官:
 市教育委員会では、大阪府条例の趣旨を踏まえ、幼児、児童生徒が性的指向及び性自認の多様性について正しく理解できる取り組みを推進すること、という大阪府教育委員会の指導助言を踏まえ指導しております。今年度採択し、来年度から使用する小学校の教科書にはLGBT等性の多様性に関する記載が増えており、児童生徒の実態に合わせて教科書等を活用し性の多様性について適切に指導するように進めてまいります。またその際LGBT理解増進法第十条にもありますように、家庭や地域と連携、協力するとともに児童生徒の発達の段階を踏まえた内容となるよう各学校に指導しております。以上です。


さかもとじゅんいち議員:
 来年度からこれについて記された教科書が使用されていくことが示されました。やはりですね、これを教えるにあたってはまずもって、生物学的な持って生まれた性の重要性、それぞれが持っている特性を大事にするということをしっかり教えていただきたい、というように思うわけです。

 性教育につきましても、なにやらLGBT教育と混同して進めるというような風潮がありますが、性教育は成長に伴う体の発達や男女の肉体的構造の違い、特性、その中で性交渉などの正しい理解を教え、望まれない妊娠や性に関する間違った情報から身を守ることをしっかりと教える機会とすべきです。

 LGBT理解促進のための授業はそれとは異なり、それぞれの特性や違いを認め合うことを主体にし、そのような中で性や体のことでバランスが取れないというような児童生徒には個別に丁寧に対応するということが必要なのではないでしょうか。

 LGBT推進の方々が唱えられる「みんななりたい性になれる、男と女になんて分けられない、男でも女でもない、男でも女でもある」といった考え方を主体的に教えていくことは、まだ精神も不安定で多感な時期にいる子供達に、体の成長に違和感などから自分の性に悩んだり疑いを持ったりする子供たちに、正しい判断を促すものとなるのかよく考える必要があります。これについて深い理解の無いまま間違った思考に誘われ、まだ肉体と精神の成長過程にある子供達が元には戻すことができない手術に踏み切ってしまったり、ホルモン治療のために投薬などに走ってしまい、多くの悲惨な結果をうんでいる状況がLGBT教育に積極的であった諸外国では数多くみられているのです。教育委員会に置かれては、ぜひともLGBT理解増進のための学校での取り組みには慎重であっていただきたいと思います。

大事なまとめ3つ

 これまでいわゆるLGBT理解増進法に基づき、本市の見解をうかがってまいりました。
 今日の質問を通して行政にお願いしたいことは三つにまとめられます。

(1)LGBT理解増進法に基づく条例の制定は慎重に

 まず一つ目は、この法律自体が国民の不安をきちんと解消することのないまま理解を増進させようというものであり、この法律に基づく条例の制定は慌てる必要はなく慎重に行っていただきたい、ということです。

 この法律の制定される前から積極的にこれに関する条例を制定されたところは多くありますが、中にはその運用のガイドラインなどを作成するにおいて、とても住民には理解が及ばないと感じることを進めているところもあります。

 例えば岩手県では、施設等を利用する様々な利用者に対するプライバシーの配慮において、性別による区別のないトイレや更衣室を別に設置することも有効ですが、その利用のみを強要し、性自認に適合した施設の利用を認めないことは不快感を与えるおそれがあります。また、当事者が性自認に合ったトイレを利用することで他の利用者から苦情が出る場合、職員等の対応としてはその苦情を申し述べた方に様々な方が利用する施設であることを説明し、お互いに理解し配慮し合いましょう、と伝える旨、示されています。これを解釈すれば、例えば体は男性・心は女性の人、もしくはそれを装った人が女子トイレまたは女子更衣室に入ってきても女性はその人を嫌がったり苦情を言ったりしてはいけない、ということになるのかと思います。これはあまりにも、一般女性をないがしろにしたガイドラインであり、女性が抱く不安や恐れ、不快感というものを配慮したものとは言えないことでしょう。

 また埼玉県では令和4年7月、性の多様性を尊重した社会づくり条例を施行しました。条例ですから本来国の理解増進法の範囲の中で条例の中身が作られていくべきですが、驚くことにその上位法を超える禁止事項を設けたり公衆浴場に入るための基準を国が指し示す身体的特徴から戸籍に基づく対応とするなど法体系に矛盾を生じさせてしまう対応となっております。他にも児童養護施設において性の多様性の取り組みと称し、男子寮女子寮の枠を撤廃する方針が示されました。様々な背景をもつ子供達がいる施設において、このようなことを判断する行政や議会はそれにより起こりうる事態を想定しているとはとても思えません。

 実際地方議会においても、LGBT理解増進法の慎重な運用を求める意見書を採択した議会もあり、この法による社会の混乱と住民の理解が正しく反映されるものとなるかについては、懐疑的に感じている方がおられる、ということを示していると思います。ぜひとも、法律が指し示す基本理念をしっかりととらえ、立法事実を明確にし、その趣旨を反映した条例制定、運用となるように努めて下さい。なんとしても前衛的にそれを取り入れるよう、強力に圧力をかけてくる特定の勢力に行政が押し込まれるというようなことがないようにお願いしたいと思います。

 またこの法律では和泉市の種々の事業者との協力の必要性も示しております。和泉市内の民間浴場、プール、その他更衣室を設けた施設など、どこにおいても市民が安心して活用できることが必要です。本市の学校プールでは民間施設を活用しますが、子供達の着替えの際の更衣室などの安心安全が担保されるように協議がなされており、運用がなされているということでして、保護者の皆様方にはご安心をいただきたいと思います。

 条例制定の検討においては、このように民間事業者とも綿密な協議をお願いいたします。

(2)女性スペースを守る

 二点目は、あくまで女性や幼い女性を守る観点から、これまで確保されてきた女性スペースにおいてはこれを維持するということです。やはり社会的にも実質的な公共空間においては身体的特徴によって区別していくということが必要であるということを明確にすべきです。そうでないならば性自認をよそおう性犯罪者から女性が身を守ることができなくなるかもしれず、子供達の安全も脅かされます。

 実際、男性器を有したまま女性のお風呂に侵入した「心は女だ」と主張した人物は逮捕され起訴されました。しかし、だからよかったというものでもありません。女性スペースを侵す同様の事態がその後も起きており、今後法がそれをどのように裁いていくのかまだわかりません。少なくとも、その場所にいた女性や子供たちにとっては惨劇であったろうと思いますし、安心の空間が侵されたということは言うまでもありません。性暴力などの被害を受けた経験がある女性がおられたとしたら、フラッシュバックを起こすなど、その恐怖は計り知れません。女性の社会進出が進み、その中で女性の権利拡大、女性の人権の尊重、女性の活躍。そういったことを多くの女性の力で向上させてこられました。女性スペースについても、電車の女性専用車両、男性の多い職場環境における女性専用トイレや更衣室の確保など、女性の声で誕生し、守られてきたものです。どうして、一部の女性政治家や活動家はそれを守ろうとの強い主張をしないのか。どうして、女性のスペースの確保を求める側の方が非難されるのか。全くもって理解できません。

 女性スペースを守ってほしい。多くの女性や小さなお子さんを持たれる保護者の願いも実際あるわけです。行政としても、そういった方々の権利、尊厳、安心についても考慮した施策の実現となるようにお願いをしたいと思います。

(3)学校教育現場をLGBT思想家・活動家から守る

 三つめは学校としての取り組みであります。先にも述べたように、このようなLGBTの理解については周りの大人や先生方の指導等が極めて大きく影響いたします。これについては海外では教師の主観による対応で深刻な状況を生み出している幾つもの例を見ることができます。そしてそのような極端な論調はLGBT理解を促進せんとする、LGBT活動家の影響を色濃く受けたものが多く、およそ学校の教員の判断の域を超える物となっています。

 ぜひとも先生方におかれましては、文部科学省の通達、性同一性障害にかかる児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等についてにもある通り、医学的知見から見たこれにかかる教育・指導・対応の必要性を重要視していただき、研修等の機会には医学的分野をメニューに加えるなど性的マイノリティの児童生徒はもとより、全ての児童生徒に正しい知識が行き渡るようにお願いをしたいと思います。

 子供たちに男らしさや女らしさを教えることが差別的だとし、それを口にしようものならつるし上げてやろうという勢力は現に存在しています。性の多様性ばかりに重点を置き、男性や女性の特性を無視するような教育で子供達を混乱させている人がおります。多様性をうたいながら、自分の主張とは異なる考え方を排除せよと圧力をかけてくる人たちもいます。決して、そのようなLGBT思想家、活動家の主観が教育現場を蝕むことのないようにお願いをしておきます。

 何より、学校でお預かりしている子供さんたちはお父さんとお母さん、男性と女性の営みから誕生しているのであり、この生命の誕生の基礎となる形態を否定しては保護者の理解を得られるLGBT教育とはならない事でしょう。身体的特徴をもってそれぞれの性を生き、家族を構成している人たちの権利や価値観を、それは時代遅れで差別だとすることもあってはならないことでしょう。ぜひともそういった観点からも保護者の意向を取り入れたLGBT教育となるようにお願いをしておきます。

 全ての人は平等であり、差別があってはなりません。これは普遍的な価値であり、性的マイノリティの方々を差別することなどあってはならず、その方々への理解を促進することは極めて重要です。お互いの主張や価値観をぶつけ合い、否定するだけの昨今のLGBTに関する議論は多くの国民の理解を得るものとはなりません。性的マイノリティも、そうでないマジョリティも、それぞれの生き方を尊重し認め合うことが法によって禁止されたり強制されたりするものではなく、自然と広がりを見せるものとなり、共生できるものとなるように願っております。

 行政も施策を進めるにおいては、全ての市民にその精神が穏やかに育まれ、この法の第一条が示す通り「その精神を涵養していく」つまりゆっくりしみこむように醸成していくものとなるようにお願いをいたしまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(終)

資料等

LGBT理解増進法(性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律)性的指向・ジェンダーアイデンティティ理解増進|政策統括官(政策調整担当) - 内閣府 (cao.go.jp)
厚生労働省通知「公衆浴場や旅館業の施設の共同浴場における男女の取り扱いについて」PDF 001112499.pdf (mhlw.go.jp)
「心は女 なぜ入ってはいけないのか理解できない」 女性風呂に侵入疑いの男逮捕 三重 - 産経ニュース (sankei.com)
性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について:文部科学省 (mext.go.jp)

立憲民主党 大阪府総支部連合会 – – もっと良い未来へ。 (cdp-osaka.jp)
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