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【カオリ】ターニングポイント

もう14年も前になるんだね
誰に聞かせるでもない言葉は
大きな選択肢の前で宙ぶらりん
二つのようで
いくつもの選択肢の連続で
あの人とひざつき合わせ
瞳の色を再確認出来る距離で
話し合うべき
宙ぶらりん
本当は
もっと前から
宙ぶらりん
ぼくの心も体も性別も
あの人はじめ
ぼくの存在
宙ぶらりん
悲しみ方も伝え方も
ぼくはおろかで
あの人達のは
優しい優しい嘘なんだ
ぼくがどれだけあの人達の
言葉を生き様を受け入れても
ぼくはおろかで
ぼくはなくて
ゆうきのことばも
消え失せて
ぼくよりぼくより
あなたたち
あなたたちの悲劇は尊く
ぼくの悲劇は
あなたたちには幸せで
ぼくの嘆きは
あなたたちには幼くて
病気なんだ
知っている
きみらの病気に心を削ろう
いつかいつか
ぼくの“びょうき”をあなたたちの
誰かは、いいや
一人残らずあますことなく
ぼくの
悲劇と
嘆きと
びょうきに
耳傾けて
またしても

ぼくの時間を奪うんだ

ぼくはおかしい
ぼくはくるう
狂ってる
「言い方は悪いが」と笑顔で言えた
彼とぼくがゴールイン

最後の最後のその瞬間さえも

きっと誰かは

ぼくと彼

仲良しさんに見えるでしょう


笑ってよ


笑えよ

同情なんか要らねえよ

あんたらなんかに今更気付いて
よんでもらって
ハナシアイ

裁判すらも行動遅く
ぼくのため
被害者ぶって
あなたたちも“びょうき”で
ぼくも“びょうき”のおそろいなのに
あなたたちのびょうきに今一度
心どころか体も削れと
声もなくせと
瞳も意思も
すきもきらいも

そうさ

ぼくはいつだって狂い人
あなたたちと共存えらんだぼくは
狂い続けて
ようやく手に入れた“ふつう”という名の
協調性
びっくりだ
ふつうはそれぞれ形が違う
狂ったぼくにもよく似てる
ぼくの共感が
悲劇の起こし方を学んでく
すかれてしまった
あなたたちに溶け込むための
笑顔の作り方すら
強力な武器になって
あなたたちの尻拭いを
ぼくは見つけ
対峙する

ぼくのすきをこわして
こわして
日銭にしてさ

ついにはぼくは

人ではきっと

なくなった

「これからが一番楽しい時期」が

愛憎にまみれていたと
誰が信じる?
優しく笑える心と体も手に入れて

そうね
とてつもなく大袈裟な言い方さ

「こんにちは」

幸せという名の
愛憎という成分溶かす
ぬるま湯で
一人あやしく笑いたい
ぼくに
もう一度
届く声

そうだ

探している声があったんだ

作ってほしい声もあったはず

声が言葉が命が夢が存在が

思い出す情景が

たとえ現実でも

ユメマボロシにして閉じこめたことすら

忘れたぼくを

思い出させた声は

どれだろう?どこだろう?

もう一度だけ信じていいですか?

どうか

どうか

これ以上ぼくが

怪物にならないよう

き止める声と言葉を、どうか
耳が無事であるうちに思い出させてよ。

きみとぼくとで
心の底から幸せ感じ
戯れるように笑いたい。
きっと泣いちゃうだろうけど
それがきっとぼくの本当の幸せだから、
だから許して。

約束だ。

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