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「ヨックモック」社名の由来 スウェーデンとの不思議なつながり。

「ヨックモック」。このオノマトペのような社名、まだまだその由来を知っているお客様は少ないのではないでしょうか?

今回のnoteでは、社名でありブランド名の「ヨックモック」の由来と、そこに込められた歴史や思いをお伝えしたいと思います!


ヨックモックの由来は、スウェーデンの小さな町の名前。

スウェーデンの首都ストックホルムから北へ約800km、北極圏の線上にある、森と湖に囲まれた美しい町「JOKKMOKK(ヨックモック)」

この町こそが、私たちヨックモックの社名の由来です。
現在も手つかずの大自然が残るこの町ですが、なぜ社名にしたのでしょうか?

創業者と「JOKKMOKK」の出会い。

創業者・藤縄則一は、1934年に兄の秀夫とともに製菓業「藤縄商店」を創業。戦時中や戦後は、原材料の確保に苦労しながらも菓子を作り続けました。実はこの頃チョコレート製造業を営んでおり、大手メーカーの市場拡大により苦戦を強いられていた則一は、1969年、見聞を広げるために欧州視察旅行に出たそうです。

欧州視察旅行中の藤縄則一

欧州への旅を経て焼き菓子に関する事業への転換を決意した則一は、新たな社名を検討することにしました。そんな中、地図を眺めて、ふと目にとまったのがスウェーデンの北部にある町JOKKMOKK。その優しく不思議な響きとリズムに魅了された則一は、日本人でも読みやすいようにスペルを「YOKUMOKU(ヨックモック)」に変えて社名とすることにしました。

後に、社名のルーツとなったこの地を目指し、期待と想像に胸を膨らませ現地へ向かった則一。

現在に比べると、交通の便も悪く、道中はとても長く大変だったそう。

旅人を温かく迎える木造りの駅舎、白樺並木に点在する瀟洒なたたずまいの民家、もみの木に囲まれた高い尖塔を持つ教会…。
ようやく辿り着いたJOKKMOKKには、素朴でまるで絵本の中に引き込まれたような美しさが広がっていました。 

則一はその想いを手記に残しています。

「道中が長かっただけに、ヨックモックの街に降り立った気分はえもいわれぬものがあった。ヨックモックという言葉の響きが私にとって、なぜかすがすがしい心あたたまる印象を呼び起こすのは、この時に受けた郷愁にも似た感じがあるからだろうか」

JOKKMOKKの地で出会ったのは、真心が込められた素朴で家庭的な手作りのお菓子と心温まるおもてなしの数々だったそうです。

「これこそが洋菓子の真髄だ。こんな気持ちになるお菓子を作りたい」と感じた則一は、社名への愛着と事業への自信・覚悟をより強固なものにしました。

「JOKKMOKK」と「YOKUMOKU」。

スウェーデンの「JOKKMOKK(ヨックモック)」との不思議な縁。

クリスマスカードやクッキーを送り合ったり、観光団をお迎えしたり、私たちも現地を訪れたり。温かな交流は現在に至るまで途切れることなく続いています。

特に恒例となっているのが、私たちがクリスマスシーズン限定で作っている「ホリデー シーズン アソート」。毎年クリスマスにはこの限定缶を「JOKKMOKK」の観光局へ贈っています。

30年以上の交流がある現地の方から「毎年クリスマスの時期に美味しいクッキーを楽しみにしています。」とメッセージをいただき、私たちもとても嬉しく思っています。

JOKKMOKK観光局で保存されているホリデー シーズン アソート。
「2005年にはJOKKMOKKのウィンターマーケットが400周年を迎え、その様子をデザインした缶をいただいた時はとても嬉しかったです。」という温かいメッセージと共にこれまでの缶の写真をお送りいただいたことも!

2018年、スウェーデンと日本の外交関係樹立150周年記念イヤーには、スウェーデン大使専属シェフ マーリン・エリクソン氏監修の元、「~フィーカ スウェーデンの伝統~ブルー・ブリック・ティーセット」を期間限定で提供しました。

スウェーデンでおなじみの美味しいお菓子やお料理を季節に合わせて紹介しました。

ちなみに「Fika(フィーカ)」というのは、「お茶をする」という意味。スウェーデンの人々は、毎日の暮らしの中でこのフィーカの時間をとても大事にしています。家族や恋人と、時には自分一人で。コーヒーを飲み、スイーツを食べながら語り合う。お腹を満たすだけでなく、心のゆとりを生み出すとても大切な時間だそうです。

2019年 50周年の節目に現地へ。

2019年には、YOKUMOKU設立50周年を記念して、YOKUMOKUの社員も視察団を結成し、スウェーデンのJOKKMOKKを訪れました。

成田→ヘルシンキ→ストックホルム→ルレオと、飛行機を3度も乗り換えたうえ、車で現地に向かいます。ようやく辿り着いたJOKKMOKKでは観光局の皆さんに温かく迎えていただきました。

現地では、地元新聞に取材していただいたり…

現地のカフェや企業を視察しました。

さて、この訪問のメインイベントは、観光局でのお菓子試食配布会です。地元の皆さんにもたくさんの「シガール」を食べていただきました。

観光局の外観です。写真でも分かる通り現地はマイナス25度と極寒だったそう!
日本らしさを感じられるディスプレイ

創業者である藤縄則一は、「菓子には、人を笑顔にする不思議な力がある。」と信じて菓子づくりに生涯をささげました。

まさに、こうしておいしいお菓子を食べながら、国を超えて笑顔で語り合うことができる。それは、50周年を記念するにふさわしい旅だったのではないでしょうか。
創業者・則一が何を見て、何を感じたのか、現地でその思いに触れることができました。

ヨックモック社名の由来、そしてそこに込められた思いが皆さんにも伝わると嬉しいです。

おまけ

スウェーデンにて初代社長・藤縄則一と同じ構図で現社長・藤縄武士の写真を撮影してみました。

JOKKMOKK駅舎前にて 藤縄則一(左)と藤縄武士(右)

JOKKMOKKは駅舎のためすぐに撮影ができたものの、ストックホルムでは場所の特定ができず、地元の人々が20分もかけて見つけてくれたそうです。

1枚のぼやけた写真から、ようやく辿り着いた教会前の写真。

見ず知らずの私たちにこんなに親切にしてくれるだなんて!

ますますこの国が大好きになった出来事でした。

■ヨックモックの商品情報、最新情報等、詳しくはこちら
・ホームページ     https://www.yokumoku.co.jp/
・オンラインショップ  https://www.yokumoku.jp/
・公式Instagram      https://www.instagram.com/yokumoku_jp/
・公式Twitter      https://twitter.com/yokumoku_jp

(おわり)


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