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〈コラム〉学生の目に福祉はこう映っているらしい 中編

みなさんは、「福祉」ときいて、どんなイメージが頭に浮かびますか?

前回のnoteからヨコヨコでは、運営する大津市障害者自立支援協議会で学生を対象に実施した、障害福祉の仕事に対するイメージの調査の結果をもとに、「学生の目に福祉はどう映っているのか」をテーマにした連載をはじめました。

その2では、障害福祉の仕事にフォーカスをあててイメージをみていきます。

やりがいのある仕事

学生が就職において最も重視しているのは、なんといっても仕事の内容・やりがいです。

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その点、障害福祉の仕事にはやりがいがあると、あらかたの学生は思っており、仕事にもう少し人気があってもよさそうにも思えます。

やりがい

けれど実際はそうではありません。理由はやはり、学生が重視しているのが、やりがい「だけ」ではないからだと考えられます。言い換えれば、やりがいに「見合っていない」と思わせる何かがあるからではないでしょうか。

回答者の一人の社会学科の学生は自由記述に、「やりがいばかりでは続けられない仕事であるのは確かだろう」と記述していました。

やりがいと釣り合わないイメージたち

まずあるのは、心身への負担が大きいというイメージ。
前回は福祉の仕事全般に「キツイ」印象があるというデータを紹介しましたが、障害福祉の仕事も、身体・精神ともに負担が大きいという風に見られています。

心身への負担

次にあるのは、給与等の待遇の悪いというイメージ。
今回の調査でも、半数が待遇がよくないと想像していることがわかりました。

待遇

心身への負担や不十分な待遇。こうした要因によって、やりがいは打ち消されてしまっていると思われます。

実際に、ある福祉を学ぶ学生は、
「大変大事な職業でなくてはならないものであることは多くの人が知っていると思います。しかし、労働のたいへんさに比べて給与面があまり良くないこと、キャリアアップのイメージがないことなどが若者で福祉分野をこころざす人が少ないことに少なからず影響を与えていると日頃思っています。」
とコメントがありました。

将来性ある、保護者の応援も得られる仕事?

そんな大変なイメージをもつ人も多い福祉への就職は、「保護者の反対が一つの関門となるケースも少なくない印象もあります。ところが今回の調査では、半数が保護者の賛同を得られると考えていることがわかりました。少し意外な結果でした。

賛同

さらに、仕事の将来性への認識も高いことがわかりました。

将来性

ダイバーシティ&インクルージョンが標榜ひょうぼうされる時代、障害への意識も高まっていて、これからますます世の中で重要になってくるという感覚は若者世代で共有されはじめているのかもしれません。


次回は、アンケートの自由記述と個別インタビューから、学生の生の声を拾っていきたいと思います。

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