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横田直也著 『ぼくたちは、自分を変えることができない。』

ぼくたちは、自分を変えることができない。

平凡から抜け出せないすべての人へ
最速で人生を好転させる、禁断のセルフデザイン戦略

まえがき

「他人を変えることはできないけど、自分のことは変えることができる」

という言葉、聞いたことありませんか?

たぶん、自己啓発とか、スピリチュアル系の文脈で
よく使われている言葉かなと思うんですけど、

この主張に対して、ぼくは疑問を呈したいわけです。

「他人を変えることはできないけど、自分のことは変えることができる」

自分が変わらないと、相手は変わらないよ、みたいな、
なんとなく言わんとしていることは理解できるんですけど、

みなさんはこれ、できますか?

「自分を変える」というのは、意識的に自分を律すること。
そして、自分の考え方や行動をあるべき状態に矯正すること

だと思うんですけど、

もし、そうやって思い通りに
自分という人間をコントロールできるのだとしたら、きっと、

誰も苦労なんかしてないよ、といつも思うんです。

だって、人生をよくする方法なんて、
巷には溢れかえっているわけですよね。

例えば、
ベストセラーになっているような自己啓発本の内容って
わかりやすいし、ためになるものばかり。

もしあの内容をしっかり実践していれば、
みなさんの人生って、すでに豊かなものになっていると思いませんか?

でも、実際はみんな不満を抱えて生きている。

つまり、ぼくを含めた多くの人は、
そうやって自分を律することすらできない「凡人」なのだと、

その事実を正面から受け入れて、
自分自身の立ち位置を把握するためにも、
先に理解しておくべきだと思うんですよね。

人のことを凡人だなんて、バカにしてるのかって?

すみません。別に凡人だからといってバカにしてるわけではないんです。

でも、自分のことを甘やかさずに、あるべき姿に自分を律するなんて、
ぼくたち、今までにできた試しがないじゃないですか。

毎朝のランニングを習慣にするって決めたのに、1日も走らなかったり、
部屋の掃除をするって決めたのに、1時間以上SNSを見ちゃってたり、
ダイエットをするって決めたのに、今日はがんばったから…って
ご褒美のカロリーを特別に摂取しちゃったり、

そういうことをしてきたわけじゃないですか。

まあこれ全部ぼくのことなんですけど。

そう、結局こうやって偉そうに本を書いていたって、
何かと理由をつけて、なんやかんやとサボってしまうわけなんですけど、
たぶんみんなもそんな感じだと思いますし、

別にそれでいいと思うんです。

いやむしろ、

郵便受けに届いた書類の開封ができなかったりとか、
知らない人とエレベーターに乗り合わせないように
ひとりで乗れるタイミングを10分以上待ってたりとか、

そういうことになっちゃうぼくなんかより、
みなさんの方が人としてずっと優秀だと思うんです。

郵便物をチェックできたり、エレベーターに乗り合わせたり、
そういうことが普通にできていて、みんなすごい。ほんとに。

冒頭からなぜこんな話をしているかというと、きっとみなさんは

いまの低空飛行な現状から抜け出して
より良い人生に羽ばたいていきたい

と思って読んでくださっている方だと、ぼくは知っているからです。

万が一、自分が特別であるかのような勘違いをしたままこの本を読み進めてしまうと、現状から抜け出すための重要な要点を捉えることができず、人生を好転させるチャンスを目の前で逃してしまいます。

胃がぎゅっと締め付けられる気分になるかもしれないし、勇気の要ることかもしれないけど、自分の立ち位置を把握するってとても重要なことだから、こうやってお話をしているわけです。

さて、少し熱弁をしてしまいましたが、話を戻して改めてお伺いしたい。

「他人を変えることはできないけど、自分のことは変えることができる」

冒頭で書いたこの考え方に対して、
みなさんはどう思われますか?

ここまで読み進めてくださった中で、
なんとなく共感してくださっていると嬉しいのですが、

掲題の通り、

「ぼくたちは、自分を変えることができない。」
というのが、ぼくの反論です。

もし、この「凡人」という評価にまだ納得がいかない方、受け入れられない方がいれば、一度、Googleで「孫正義育英財団」の財団生たちのことを検索して調べてみてください。

あ、天才ってほんとにいるんだ

と、一瞬で自分の立ち位置をしっかり理解できると思います。

何にしても、この本を読み進めてくださろうとしているみなさんには、

ぼくたちはみんな凡人なんだから、
自分をコントロールすることなんて当然できない

ということを認識しておいていただきたいのですが、

「自分をコントロールすることができないのに、どうすれば良いの?」
って思いますよね。

安心してください。

自分を変えることはできないけど、
自分の人生を変えることはできる。

というのが、本書でぼくがお伝えしようとしている本題になります。

どうすれば自分の人生を良い方向に変えることができるようになるのか、本編の方ではきっとみなさんの役に立つ内容をお話ししていきますので、

もし関心を持ってくださるようでしたら、
このまま一緒に続きのお話を進めていきましょう。

そういえば自己紹介をしていなかった。

2019年8月の出版になりますが、
現在29歳、大阪在住の横田直也と申します。

普段はクリエイティブディレクターとして、事業の立ち上げや業務改善なんかをお手伝いしたり、デザイナーとしてホームページやチラシなども作成しながら、メディアの運営や、クリエイター育成など、幅広く手がけています。

本書ではデザイナーらしく「セルフデザイン」という言葉を使いながら

「自分の人生を自分でデザインして、人生を好転させるための戦略」

について、お話をさせていただきます。

この本を書こうと思った理由はいたってシンプルで、

みなさんが自分の人生を自分でデザインできるようになり、
おもしろく、楽しい人生を送ることができる人たちが
ぼくの周りに増えるほど、結果的に、
ぼくの人生はとんでもなくクリエイティブなものになる!

って確信しているからなんですよね。
(この感じ、伝わったらいいなあ。)

そして、この本を読み終えた時には、考え方や知識だけではなく、

ものごとを捉えるための「視点」を
身につけてもらえていたら嬉しいなと思っています。

そう、「視点」ってめちゃくちゃ重要だと思ってまして、

例えば、紙と鉛筆を用意して、目の前のものをじっくり観察しながら
時間をかけてデッサンをしてみてほしいんですけど、
よーく観察しながら、その物体の輪郭を捉え、陰影を捉え、
光沢を捉えながら書いていると、

今まで見ていた景色とは違った光景が、日常に訪れます。

こうした「視点」を手に入れると、
見える世界って、いとも簡単に変わってしまうんです。

そして、一度手に入れた「視点」は
取ってつけたような知識とは違って、そう簡単には失われません。

特に今回は、

ぼくが今までに取り組んできたデザインの仕事や、
その他のキャリアを通して身につけてきた

「戦略的デザイン思考」

というものについて、内容を掘り下げながらお話ししていきますので、

デザインというものに触れてこなかったノンデザイナーの方ほど、
この本をひと通り読んで、新しい「視点」を得た時の気づきというか、
影響は大きいのではないかなと、予想しています。

ちなみに、

この「戦略的デザイン思考」を身につけると、
みなさんの日常にどんな変化が起こると思いますか?

例えば、

ものごとを1つ上の視点から捉えられるようになることで、身の回りに起こるほとんどの問題は、すぐに解決できるようになる
相談事も解決できるようになるし、自分の悩みも解消できるようになる
他人のサポートや応援をすることができるようになる

など、自分のことだけではなく周囲の人との関係性が良くなるのではないかと思いますし、

プロジェクトを進める中で発生したエラーを冷静に解決することができる
行き詰まっている物事の要因を探し当てることができるようになる
論理的に考えられるようになり、「あの人に聞けば大丈夫」と信頼される人間になる

など、仕事面においても「できる人」という印象を
周囲に与えることが可能になると思っています。

実際、ぼくにも様々な変化がありました。

月の売り上げ金額で言えば以前の10倍くらいにはなりましたし、クリエイティブ担当者として数々のプロジェクトに参画させていただけるようになったり、場所を選ばずに旅行先でも仕事ができる環境が整ったり、

どれもここ1年くらいで起こった変化であることは
特筆しておきたいポイントなのですが、

つまり、ぼくなんかより人間的に優れているみなさんならきっと、
本書を読み終えた時点から、大きくスピーディな変化が訪れると、
そう言っても全く過言ではありません。

ですので、ぜひ最後まで期待して読んでみてくださいね。

それでは、長くなりましたが、
以下の章立てでお話をしていきたいと思います。

第1章では、「そもそも戦略ってなんだろう」と言う話から、戦略を立てるために必要な情報についてお伝えします。

第2章では、人生が好転する人としない人との違いから考察した、勝つためのルールについてお伝えします。

第3章では、戦略立案の前提として不可欠な「戦略的デザイン思考」について、理解するための要素をポイントごとにご紹介します。

第4章では、ぼくたち凡人はどういう戦略を立てれば勝てるのか、ぼくが実際に実践してきた具体的な戦術とともにお伝えします。

では、お話を次に進めましょう。


第1章 そもそも戦略ってなんだろう

さて、まえがきを読んでいただきましてありがとうございました。
なんとなくこの本でお伝えしたい内容の趣旨は、ご理解いただけましたでしょうか。

この本を読み進めていただいているということは、おそらく自分の今後や、周りの環境に対して少なからず不満がある方が多いはず。(特に不満がない人だったらすみません。いやでもきっと良いこと書いてるんで…!)

「自分を変えることはできないけど、自分の人生は変えることができる。」と、先ほどお伝えしました。

「ぼくたちは凡人である」ということを、前章ではしつこいほどに強調してまいりましたが、ここで伝えたかったポイントは、もちろん「凡人だから、諦めるしかない」などということではなく、「凡人には、凡人なりの戦い方がある」ということであり、まずはその認識を共有しておきたかったのです。

ここでの「戦い方」とは、戦略・戦術を立てて、人生を好転させていくということ。つまり、

自分の人生を良いものに変えるためにはまず、現状を踏まえた「戦略」を立てる必要がある、ということです。

本章では、不満だらけの現状から抜け出すための戦略についてお伝えしていきます。


戦略の立て方、ご存知ですか?

そもそも、戦略とは何を指すのか。ちょっと見てみましょう。

戦略とは「達成したい方向・世界への達成の仕方」と表すことができます。「経営戦略」と言われるように企業に置いて大局的な視点を持ち、重要な意思決定が現れる基本的な考え方です。一方で戦術とは戦略を実現するための具体的な手段・行動のことで、戦略に対し複数の戦術が考えられます。

調べてみると、こんなことが書かれていました。

つまり戦略とは、達成したい方向(ビジョン)があり、そこに行くまでの道のりのことを指す、と書かれているわけですが、例えば、GoogleMapで目的地を検索して経路検索とかしますよね。わかりやすく言い換えれば、そんな感じです。目的地が「ビジョン」、現在地からのルートが「戦略」、そして、徒歩で行くか、電車で行くか、車で行くか、その交通手段が「戦術」に当たるわけですね。(わかりやすい。)

ここでのポイントは、現在地と目的地の場所がどこにあるかを把握し、目的地に向かうための選択肢さえおさえてしまえば戦略は勝手に導き出されるので、自分が今どこにいて、どこに向かおうとしているのかを明確にする必要がある、という点です。どうすれば明確になるのかは、この後の章でお伝えします。

では、これをまた別の例に置き換えながら、違う角度から戦略について捉えてみましょう。


戦略に必要な要素とは?

大富豪という、トランプを使ったゲームをご存知でしょうか?
まあ大富豪じゃなくてもいいので身近なカードゲームを思い浮かべていただければ。

このゲームで勝つためには、自分に回ってきた手札は何かを把握し、その使える手札だけで勝つための方法、まさに「戦略」を練っていくわけですが、そもそも勝つためには、そのゲームのルールを把握しておく必要があることはおわかりいただけますよね。地域によってルールが異なったりすることもあるゲームなので、そこの認識を間違えないことも重要なんですが、

ひとつ言えるのは、すでに考え尽くされた有効な戦略を知っている人の方が勝ちやすいということ。つまり、勝負に臨む前の段階で、あらかじめ勝てるルールをおさえておけば、すんなり勝ててしまったりするわけです。

あとは、戦況を読みチャンスを逃さないこと。

自分に配られた手札を把握し、どう配役するかをイメージしながら、じっとゲームの流れを見ながら好機を待ちます。勝負を仕掛けるタイミングを間違えてしまうと、仮に手札が強くても負けてしまうことだってあるし、はたまた良い流れが来ないうちに決着がついてしまい、切り札が出せないまま終わってしまう、なんてことももちろんあるわけなんですが、

反対に、めちゃくちゃ弱い手札が配られていたとしても、しっかり勝てる戦略を理解し、タイミングを逃さずに勝負できれば勝機は十分にある、ということです。

つまり、戦略の立て方とタイミングに応じた攻め方次第では、能力のない人でも勝てる、というのが、ここでお伝えしたいポイントになります。

最終的には、ここぞというタイミングに仕掛けられるよう準備をし、チャンスが巡ってくる瞬間を逃さないようにただ待つ。つまり、運頼みにはなってくるんですが、実はこの「運」というのもある程度味方につけることはできる、なんていうお話も、この後のお話でお伝えしようと思っています。


もしこれが自分の人生だったら

戦略・戦術・戦況といった言葉が出てきましたが、自分の人生を好転させるための重要なエッセンスであることはご理解いただけることかと思います。「凡人なりの闘い方」を構成するこの言葉たちを、今度は自分の人生に置き換えてみてみましょう。

ここまでの流れはこうでした。

戦略を立てるために
・目的地を知ること
・現在地を知ること / 回ってきた手札を把握すること
・行き方の選択肢を知ること / ルール+勝ちパターンを知ること

戦略を立てた後は
・チャンスが来るまでじっと待つこと
・巡ってきたチャンスを掴めるように準備しておくこと

これ、自分に置き換えてみてください。
戦略、立てられそうですか?

例えば、よくぼくのところに相談に来られる方がいますが、多いパターンとして、

① 好きなこと、って言われても自分が何が好きかいまいちわからない
② 何かしないと、と思ってるけど、具体的に何をすれば良いかわからない
③ 勧められて投資を頑張ってるんですけど、いまいち先が見えなくて不安です
④ ハワイに住めるようにビジネスを頑張ってるんですけど、なかなかうまくいきません
⑤ 仕事辞めたいんですけど、結婚も考えてるし、どうしようか考えながら時間が過ぎていきます

みたいな人がめっちゃ来るんです。めっちゃ来るんです。

自分の人生だから、それぞれ好きな生き方すれば良いじゃん?って思ってるんで、基本的には別に何も言わないんですけど、この本を読んでくださってる方の中にもいらっしゃるであろう、「今の平凡な生活から抜け出して、人生を良くしていきたいんです!」という前向きな考えの人たちに対しては、ちょっと、口酸っぱくお伝えすることがあります。

結局のところ、人生戦略を立てるために必要な情報が収集できていない、っていうのが、①〜⑤の方々の悩みの根底にある原因だと思うんですよね。仮に必要な情報が手元に揃ってさえれば、GoogleMapが経路検索をするように、勝手に戦略は決まるものだと思っているので。

こういう相談を持ってこられる方々は、失礼かもしれませんが、とにかく世の中のことを知らない。自分の立ち位置もわかっていない。そういう人が多いので、とにかくまずは「本を読みなさい」「映画を観なさい」「旅に出なさい」とぼくなんかはいつも伝えているわけなんです。この辺りは細かな戦術の話になってくるかと思うので、具体的なお話は後半の章で改めてお伝えしましょう。

つまるところ、ぼくたち凡人は、戦略を立てるための情報を収集しておく必要があるし、その上で勝つためのルールをおさえておかないと、勝てる戦略を立てることができないわけです。


第2章 勝つためのルールを知る:人生が好転する人の特徴

インターネットが普及し、パソコン1つで仕事ができるようになった今の時代、なんでも調べれば知れるようになったし、誰でも「やればできる」ようになっているわけです。階級制度などの制限の中で将来を見据えるしかなかった昔とは違い、勝てる戦略を立てて、やるべきことさえ実行していれば、実力で勝ててしまうんです。言い訳のできない、残酷な時代です。

繰り返しになりますが、この情報社会の中で勝つための戦略を立てるためには、何と言っても情報収集が欠かせません。情報を制するものが勝つ。必要な情報を持たなければ、絶好のチャンスが回ってきたとしても、それをモノにすることはできません。この本でぼくがお伝えしている内容は、「情報社会で勝つための情報」であると言えるでしょう。引き続き重要な情報をお伝えしていくわけですが、本章のテーマはずばり「勝つためのルール」について。人生が好転する人の特徴から要点をピックアップして考察していきますので、これから戦略を立てる前提の情報として頭に入れておきましょう。


人生が好転する人の特徴

自己肯定感・自己効力感が高い

自己肯定感とか、エフィカシーとか、最近よく聞きませんか?これ、結構大事だなと思っていて、人生が好転する人の特徴のひとつとして「自己肯定感・自己効力感の高さ」をまずは挙げてみたいと思います。これが高い人ほど人生がうまくいっているというか、人生がうまくいっているから高いのかわかりませんが、そんな印象があります。言葉の意味を検索するとこのような説明が出てきました。

自己効力感は、カナダの心理学者アルバート・バンデューラによって提唱されました。自己効力感とは、人が行動や成果を求められる状況下において、「自分は必要な行動をとって、結果を出せる」と考えられる力を言います。したがって、「自分は達成できる」「自分には能力がある」という確信があれば「自己効力感が高い」状態にあり、「自分には無理だ」「自分には能力がない」と考えていれば「自己効力感が低い」状態であると言えます。

自己肯定感とは、自己を尊重し、自身の価値を感じることができ、自身の存在を肯定できる力を言います。自己肯定感が高い状態だと、「ありのままの自分を受け入れられること」ができるので、失敗したときでも、「今度は頑張ろう。」「失敗してもいいんだ。それでも自分には価値がある。」と考えることができます。

つまり、自己効力感とは「できると自分を信じられる力」であり、自己肯定感とは「できても、できなくても、ありのままの自分を受け入れられる力」となります。この2つには、「できない自分をどうとらえるか」という点に大きな違いがあります。

また、こうした「自己効力感」「自己肯定感」の高い人たちの特徴としては、下記のようなものが挙げられます。

・新しいことに積極的に挑戦する
・実行に移すまでが早い
・ミスをしても過度に落ち込まない
・できない理由より、どうすればできるかを考える
・前向きな発言が多い
・周りから学ぶ姿勢を常に持っている

つまり、自分のことを自分で信じることができている状態のことですよね。この状態にあれば、たとえ自身の行動を否定されたとしてもメンタルが傷つくことはありませんし、そうでない人たちに比べると、新しいことにチャレンジする際の不安感なんかともうまく付き合っていけるような、そんな気がしませんか。

また、この「自己効力感」「自己肯定感」が高い人たちは、新しいことにチャレンジする回数+それに伴う失敗の回数も含めて、試行錯誤の経験値が高くなるのだと思うのですが、それに伴って知恵が蓄積され、知識も増え、過去のパターンから要点を抽出した精度の高いアウトプットができるようになっていく傾向があるのではないか、と考えています。


言語能力が高い

アウトプットの質が高い、というのも、人生を好転させていくにあたって、とても重要なポイントです。これは至ってシンプルな理由なんですが、そもそもぼくたちの人生というのは、ぼくたちの行動や発言、つまり、アウトプットによって構成されており、人生そのものがアウトプットであると言えるからです。

アウトプットの質を高めていくためには、インプットの質を高めていく必要があるわけですが、ここでは「チャレンジと失敗の経験からの学び」というインプットの話をしているわけですね。経験値に伴う知恵・視点の蓄積は、要点を捉え、一つの事象から捉えられる情報量を増やし、インプットの質を高め、アウトプットの質を高め、人生を好転させます。このサイクルを生み出す意味でも、自己効力感・自己肯定感の高さは重要だと、ぼくは考えているわけです。

また、インプット・アウトプットともに質を高めるということはつまり、言語能力の高さも当然ながら連動して養われるものであると考えています。言語能力の高さは、人生を良くしていくために大変重要な能力といって良いでしょう。先ほど少し触れましたが、人生そのものがアウトプットで構成されているため、要点をおさえた良質なアウトプットができれば、人生は良くなっていくわけです。

また、ボキャブラリーの豊かさも、言語能力の高い人の特徴です。ドイツの作家、ミヒャエル・エンデの「もろもろの事象は、我々がそれらに意味を与えることによって、初めて意味を持ちます。さまざまな事象に接触すると、我々はそれに関連して予見を持ちますが、その予見は想像力の産物だと思うのです。そして我々は、想像力によって新しい概念を創造し、事象に新しい文脈を与えます。」という言葉から読み取れるように、この世の中は言葉によって成り立っているのだとしたら、言葉を知るというのは、自分が生きている世界を認知するということにつながります。

いま、世の中で起きていることを捉えることができなければ、勝つための戦略を立てることができません。「非言語を捉える力」「言語化する力」を養うことが大切だとぼくはよく言ったりするんですが、自分が戦うフィールドを認識するという意味で、人生を好転させられる人たちは、この能力が高い傾向があるのではないかと思っています。


感情のコントロールができる

チャレンジを続けるサイクルの中で蓄積される経験値・情報・知識というのは、自分の感情をコントロールするためにも非常に有効です。感情をコントロールできないということは、感情的になり、合理性を欠くということ。不安や恐怖に足を止められたり、怒りや悲しみなど依存的な感情に支配されます。人生を好転させる人は、そういった感情を排除した、合理的な選択をすることができます。(感受性の豊かさや、感性の高さとは全く別物であることはご注意ください。)

例えば、予想外の出来事が発生して焦るのは、対処法を知らないからであって、対処法を知っている人は焦りません。不安になるのは、それを選択するとマイナスの方向に向かってしまう可能性を懸念しているからであって、その可能性を潰す選択肢を知っている人や、マイナスからプラスに持っていける自信のある人には、不安や恐怖は訪れません。つまり、経験値や知識の量が多いほど自分の感情をコントロールし、人生が良くなる選択をすることが可能になる、ということなのです。


未知に触れ、アップデートし続けている

新しいことにチャレンジできるのは、自己肯定感・自己効力感の高い人たちの特徴であることはお伝えした通りですが、人生を好転させられる人の特徴として、未知に触れ続けている、ユニークな存在である点も挙げておきたいと思います。「人生を良くしてくためには、影響力を持ちなさい」と言う声も耳にするようになってきましたがその通りだと思っていて、影響力のある人とはどのような人かを考えた時に、「希少価値の高さ」というのも1つの要素ではないかと思うのです。

希少価値が高いとはつまり、ユニークな存在であるということ。普通、人がしないような経験をしていたり、人が知らないことを知っていたり、人ができないことをできたり、そういう人のことを指してぼくは「ユニークだ」と言ったりするんですけど、結局そういうユニークな人ほど覚えてもらいやすいし、チャンスも回ってきやすいのかなと思うんですよね。どれだけ新しいことに触れたか、どれだけ新しい人と出会ったか、そうやって自分をアップデートし続けることが重要なんだと思っています。


協力者が多く、応援されやすい

人生を好転させられる人は、総じて協力者が多いです。応援されやすい、というか、応援したくなる存在なんだと思うのですが、ここにも重要なポイントがあるかなと。そういう応援されるような人たちって、みんな「いいひと」なんですよね。「いいひと」に含まれているものは、例えば、見返りを求めないやさしさ、というか、ギブアンドテイクではない、無償の気遣いというか、そういうものだと思うんです。そういうことができる人って、いわゆるプライドの高い、マウントを取ってくるようなタイプの人とはたぶん違うわけじゃないですか。きっと自分の立場をよく踏まえた上で、相手の目線に立った行動ができる人なんですけど、こういう人ほど応援されやすいし、チャンスが巡ってきやすいし、人生を好転させやすいわけです。


相手目線で考えられる先読み力がある

相手目線という言葉が出ましたが、例えば、仕事ができる人ってこの目線で仕事をしてるんですよね。結果を出している人ほど、とにかく気遣いができる人が多い。人生に置き換えても同じで、相手が何を求めているのか、その基準値を越えながら+アルファの提案ができたり、次に相手が取り組むであろう仕事を先回りして終わらせたり、そういうことができる人ほど、当然ながら人生も好転していくわけですよね。

そういえば、海外のSUITSというドラマをよく観ていて、このストーリー内で繰り広げられる交渉術や仕事術がめちゃくちゃ勉強になるのでよくオススメしてるんですけど、主人公の弁護士の秘書を務めるドナ・ポールセンというキャラクターがほんとにすごくて、超一流の敏腕弁護士の考えていることを3手も4手も先回りして、仕事は頼まれた時点で済ませているどころか、次に打つべき手を弁護士に指示するなど、超能力かと思うくらい先読み力が高い仕事を見ることができます。

あくまでドラマの中の話ではあるものの、徹底して相手の目線に立って気遣いのできる人は、効果の高い結果を出すことでき、それは自分の人生に置き換えても同じことだと言えます。


継続力がある

最後に、継続力というのも挙げておきたいのですが、結局ぼくたちはどれだけ能力を高めて良い人生に好転しようとも、良いときも悪いときも人生においてはどちらも経験していくわけです。調子が下がっている時には、調子が戻ってきた時に一気に攻められるように準備をしておく方がいいと思っているし、調子のいい時の攻め方というのもありますが、結局、その波がいつ来るのかはわからないし、偶然や運によるところだと思うんですよね。だから、人生を良くしていくことができる人というのは、いつその波が来てもいいように、じっと待ち、だたやるべきことを淡々とし続けているんです。

波なので、そのままサーフィンに例えますが、いい波に乗れるかどうかは、波の大小のタイミングと、いい波が来た時に乗る技術があるかどうかで決まるものだとします。いい波に遭遇する頻度は、当然サーフィンをしに行く回数が多い人の方が、多いですよね。つまり、継続力と合わせて、ひたすら数を打ち続けるというのも、泥臭いですが、重要な要素だったりするわけです。

と、人生戦略上有効な要素を、特徴ごとにまとめていろいろ書き出してみましたが、なんとなくどれも納得いただける特徴だったんじゃないでしょうか。簡単に言えば、ここに挙げたような特徴を持つ、人間力の高い人になれば良いわけです。


環境を利用した「勝ちパターン」とは

繰り返しになりますが、ぼくたち凡人は、自らを律し、行動を変えることができません。たとえ強い意思があったとしても、ダイエットを宣言した直後なのに、目の前のケーキを食べてしまう、なんてことが起きてしまうように、ぼくたち凡人の意思なんて合理的には動かないし、簡単に揺らいでしまうものだってことなんです。心当たり、ありますよね?

だから「自分を変える」なんて自分の意思じゃ到底できないし、自己啓発本やセミナーから考え方や方法論を取り入れようと思っても、いつもの生活に戻れば、いつも通りの自分に引き戻されて、いつの間にかいつも通りの自分になってしまっているわけです。圧倒的に、周囲の環境の方が強いんです。

そう、この「環境」という言葉こそが、人生を攻略するための再重要キーワード。

たった今、意思よりも環境の方が強いとお伝えしました。察しの良い方はお気づきかもしれませんが、この環境の力さえうまく利用できれば、自分の意思の強さに関わらず、自分の思った通りの方向に、自分を変化させることが可能なんです。

例えば、英語が話したいなら、環境の力を使いましょう。日本語を話しても通じない、周りが全員英語で会話をしている環境にいれば、拙くても英語でコミュニケーションを取らなければならず、次第に英語が話せるようになってくるんじゃないでしょうか。

例えば、筋トレを習慣づけたいなら、環境の力を使いましょう。周りの人たちが毎日決まった時間に筋トレをしている中、自分だけが習慣づいていない状態だとしても、「筋トレ、自分もしないといけないな」っていう気分になりますよね。意思に関わらず、周囲の空気感で行動できてしまうわけです。

よくよく考えれば当たり前のことかもしれないんですけど、これってすごいことじゃないですか?ある意味、意思の弱いぼくたち凡人ならではの方法だと思ってるんですけど、これを自分の人生に当てはめたら、どうなるでしょうか。

先ほどは、自分の人生を好転させる勝つためのルールを知っておくことが重要だと言いました。

先に答えを言ってしまいますね。勝つためのルールは、ずばり「上流層の人たちに、引き上げてもらえばいい」です。

人生を良い方向に持っていきたければ、当然、良い人生を送っている人と一緒にいる時間を増やせばいいわけです。

いいですか。これ、むちゃくちゃ大事なところです。

つまり、

だれと、どこにいるか。

たったこれだけ。

たったこれだけで、自分の人生がどういう方向に進んでいくかが決まってしまう。それが、環境の力なんです。

先ほど「人生が好転する人の特徴」として挙げたポイントはすべて一貫して、上流層の人たちにアクセスできるような人間力を身につけるために必要なエッセンスだったことにお気づきでしょうか。

いかに人間力を高めて、信頼される人間になれるか。つまるところ、ぼくたち凡人は、たくさん紹介してもらえるような信頼される人間になることでしか、この人生を攻略することはできないのだと、ぼくは考えているわけです。

さて、次章ではいよいよ、天才になれなかったデザイナーこと横田直也が推奨する「凡人のためのセルフデザイン戦略」についてのお話をしていきます。先ほどお伝えしたような勝ちパターン、つまり、人間力を高めて、上流層へのアクセスを実現するためにはどのような戦略を立てていけば良いのか。本章で取り上げた「人生が好転するエッセンス」についても、デザイン用語を用いながら、もう少し具体的なお話を交えてお伝えしていきます。


第3章 セルフデザイン戦略:問題解決型アプローチを知る


前章でお伝えした「人間力を高めることでしか、この人生を攻略することはできない」という内容についてですが、難しそう、と思いましたか?

思い出してください。意思の強さに関わらず、ぼくたちに作用するものは、環境の力だったはずです。

紹介されるような人間になるためにも、これを存分に利用しましょう。ぼくの提唱する「セルフデザイン戦略」には、そんな気軽さが根底にあります。リラックスして読んでくださいね。


戦略的デザイン思考の重要性

さて、いよいよ具体的な戦略・戦術をお伝えしていこうと思うのですが、その前に、現在クリエイティブディレクターとして活動しているぼくが最も重要視している「戦略的デザイン思考」という考え方についてお伝えしておかなければいけません。


戦略的デザイン思考

冒頭で登場していた言葉が、ここにきてようやく出てきました。

そもそも「デザイン」といえば、ファッションや、ホームぺージ、チラシや名刺、イラストといった制作物の製作過程を想像されるかもしれません。狭義のデザインを表すときなどは、そういった製作過程を示す際に使用されることがありますが、そのほかにも、例えば、コミュニティデザインのような無形物を対象とした場面で使われたり、人の行動のデザインなど、その汎用性は多岐に及びます。

幅広い文脈において使われている言葉ではありますが、この「デザイン」という言葉の本質は、意匠性の先にある「問題解決という機能性」にあるのではないかと、ぼくは考えています。文中で使っている「デザイン」は、こうした問題解決のニュアンスを前提とした使い方をしていることをご理解いただいた上で、この後のお話も読み進めていただけると捉えやすくなると思うのですが、もう少し補足をしておきましょう。

もちろん、デザインのジャンルごとにルールや目的も様々であり、各業界のデザイナーたちがその枠組みの中で製作を行っていることかと思うのですが、決められたルールの中で意匠性を付与し、問題解決を前提とした機能性を実装し、完成させる、というこの一連の流れこそがデザインであり、どの制作過程にも共通している部分です。このデザインの現場で共有されている問題解決型の思考方法こそが、ぼくたちの人生を好転させるための「戦略的デザイン思考」なのだと、そう考えているわけなんです。

つまるところ、この「戦略的デザイン思考」を用いたアプローチで、自分の人生を良くするための戦略を立てていこうと、そういう話がしたいわけなんですが、ぼくから言わせれば、この世の全ての事象がデザインの対象であり、人生で起こる問題はすべてデザインで解決できる、ということをいつも考えているのです。

話が壮大になってきました。一旦落ち着きましょう。


問題解決を前提とした「戦略的デザイン思考」を用いて人生のあらゆる問題を解決しながら、後述するセルフデザイン戦略によって、人生を好転させていくこと。

これが、本書で一番強く主張しておきたい、最も重要な、核にあたる部分になります。

まえがきでもお話しした通り、この「戦略的デザイン思考」についてお伝えしている本章を読み終わるころにはきっと、様々な面で変化を感じることのできるような新たな「視点」が身についているのではないかと思いますし、これを理解する前と後とでは、普段目にしている情報や、周りの人の行動、自分の選択の仕方など、日常生活でも認識できるほどの大きな変化が起きているはずです。ちなみに、先ほど挙げた例は以下のようなものでした。

・ものごとを1つ上の視点から捉えられるようになり、大抵の問題は解決できるようになる
・相談事も解決できるようになるし、自分の悩みも解消できるようになる
・他人のサポートや応援をすることができるようになる
・プロジェクトを進める中で発生したエラーを冷静に解決することができる
・行き詰まっている物事の要因を探し当てることができるようになる
・論理的に考えられるようになり、「あの人に聞けば大丈夫」と信頼される人間になる

ぼくたち凡人が日常生活で頭を抱えることなんて、せいぜい人間関係のことか、お金こととか、その程度の悩みなんです。大抵の問題はこの「戦略的デザイン思考」でクリアすることができる、と言っても過言ではありません。もっと大きな緊急性の高い問題が発生したとしても、冷静に対処できるような考え方が身につくことかと思います。

また、この「戦略的デザイン思考」の考え方は、どちらかというと論理的かつ客観的な性質のものであり、第2章でお伝えしていた「感情をコントロールして、合理的な選択をする」という重要な要素にも、前提として馴染むものになります。合理的な視点から人生戦略を攻略していく、という観点から考えても、デザインを取り入れた問題解決型アプローチは大変有効な考え方である、と言えるのではないでしょうか。


戦略的デザイン戦略を理解する

さて、前提をお話しするのに時間がかかってしまいましたが、ここからは、なぜこの「戦略的デザイン思考」を理解すれば大抵の問題がクリアできるようなるのか、という問いに対する回答となります。ぼくの解釈を交えながらになりますが、その構成要素を分解し、1つずつ見ていきましょう。ここでチェックしておきたい構成要素は「論理的表現力」「批判的思考力」「多角的視野」「抽象化能力」「具体化能力」「戦略思考」「デザイン思考」の7つ。各要素で性質が重なる部分もありますが、それぞれの視点を理解すれば、分析力・問題解決能力・提案力・コミュニケーション能力・仕事の生産性など、様々な能力の向上につながることが期待されます。


論理的表現力・批判的思考力・多角的視野

戦略的デザイン思考とはつまり、問題解決型のアプローチのことであるとお話ししていましたが、ここでは問題解決に必要な「論理的表現力」「批判的思考力」「多角的視野」の3つの要素についてお伝えしていきます。難しい言葉が並びますが、ここではなんとなくニュアンスだけつかんでもらえれば大丈夫です。

論理的表現力とは、論理的思考・ロジカルシンキングの手法を用いて考察し、それを言語化して表現する能力のことですが、言い換えるとつまり、自分の考えや提案を、筋道を立ててわかりやすく説明したり、文章にまとめて論理的に伝えることができる能力のことを指します。ロジカルシンキング自体は、「物事を論理的に捉える」という短絡的な意味合いの言葉ではなく、問題解決の観点から言うと、情報を分類・整理・分析して、分かりやすく論理的に、様々な観点から解決策を検討し、より正しく合理的な最適解を導き出すための思考法であると言えます。

また、「そもそもの前提は正しいのか、他に考えられることはないのか」と、目の前にある事象や情報を鵜呑みにせず、客観的に事実関係を掘り下げて、その正確性を検討しながら、最適な基準で物事を判断しようとするクリティカルシンキングという考え方、これがつまり「批判的思考」のことですが、上述した「ロジカルシンキング」と併用したときに、問題解決に向けた、より一層効果の高い解決策の提案が可能になります。

この批判的思考の性格としては、問題解決に必要な3つの視点が含まれているということを認識すると、理解がしやすいかもしれません。
1つ目は、「そもそも、目的は何かを常に意識する」ということ。この目的が定まっていなければ、論点が定まらなかったり、意味のない議論に時間を費やしてしまうため、後述する「抽象度」を上げた状態で議論を進めるためにも、目的意識を常に持つことは重要な要素であると言えます。
2つ目は、人によって常識や前提だと思っていることが違うということを認識しておくこと。人間は誰しも、育ってきた環境や、学んできた知識によって「思考の癖」を持っているという客観的な視点を持つことで、自分や他者が出した考えに疑問を持つことができるようになります。
3つ目は、疑問が出なくなるまで問い続けるということ。「だから何?」「なぜ?」「本当に?」といった疑問を常に持ち、その事象の本質を見極めることを可能にします。

問題解決に必要なもう1つの視点として「多角的視野」というものが挙げられます。これは文字通り「物事を多角的に見る力」や「多角的に視点を変える力」のことを指し、物事の全体や本質を理解するために必要となる能力のことです。あらゆる物事の全体像や本質を見抜くためには多角的な視点で見ることが必要だ、という前提の中での話になりますが、創造的な問題解決ができる点や、世界を広げて新たな可能性を見出せるようになる点において、上述したロジカルシンキングやクリティカルシンキングとは全く別の力アプローチであると考えられます。

これら「論理的表現力・批判的思考力・多角的視野」という3つの要素は、問題を認識する力、解決策を考える力、解決策を実行する力、という問題解決能力の一般的な定義を包括する重要な視点であると言えます。「戦略的デザイン思考」がもつ問題解決の機能性を構成する要素になりますので、まずは言葉として認識してもらえれば良いかと思います。


抽象化能力と具体化能力

ぼくがコミュニケーションをとるときに意識している事柄の1つとして、抽象と具体、という概念があります。いつもこの言葉の説明をするのが難しいのですが、非常に大切な考え方です。抽象と具体の関係性について、例を出してお伝えしますね。

例えば、りんご・レモン・マスカットが並べられていたとします。

これを抽象化して表現すると、「果物が3つ並んでいる」、あるいは「赤いもの、黄色のもの、緑のものが並んでいる」という表現になります。ちなみに、これを俯瞰した時の表現は「りんごと、レモンと、マスカットが並んでいる」という全体を捉えた表現になりますので、「抽象化」と「俯瞰」とは別のものになります。

また、抽象化された「赤いもの、黄色のもの、緑のものがある」というのを再度具体化した場合、例えば「ポスト、ひよこ、レタス」の並びと同じである、とか、「信号機の色」の並びと同じである、とか、そういう「同じ要素を持つ別の例を用いた表現」で言い表すことができるわけです。個別の事象に共通している部分を抽出して表現することを抽象化、抽出した共通要素から別の例を用いて表現することを具体化、とイメージしていただければと思います。なんとなくわかりますでしょうか。

自分が使おうとしている言葉を、相手は理解できるかどうか、相手が理解しやすい具体的な例を交えて会話を成り立たせる、相手目線でのコミュニケーションをすることが重要です。

「抽象化した言葉」だけで伝えようとする人もたまにいますが、それでは相手に正確な理解を与えられないことが多いです。「充電器を貸して欲しい」とだけ主張されても、iPhone用のライトニングケーブルがいいのか、TYPE-CのUSBがいいのかが判断できません。普段から「あの人はiPhone7を使っているから、ライトニングケーブルのことだな」と、状況を共有している相手なら話は別ですが、わかりやすい具体例を交えて伝える方が、基本的には、正確に相手につ当てたい内容を伝えることができます。

しかしながらここが難しいのですが、反対に「具体化された言葉」だけで会話をしてしまうと、今度は話の大筋が見えなくなり、論点がずれてしまったりするため、何の話をしていたのかわかならなくなってしまうこともあります。伝えたい本質(抽象化した言葉)と、それをイメージさせる例(具体化した言葉)とのバランスをうまくとりながら、抽象度を調整して会話を進めていくことが、「相手に理解を促し、正確に伝える」という目的を達成するために不可欠なコミュニケーション能力です。

自分の人生戦略を考える時にも、当然ながら、この抽象化と具体化の能力が重要になります。これらをうまくコントロールできなければ、情報を取り入れるインプット時の視点もずれてしまうので、要点をつかむことができず、アウトプットする内容も冗長的でズレたものになってしまい、人生が好転するどころか、重要な点を捉えることのできないまま、平凡な人生を送ることになってしまうかもしれません。ビジョンを定め、現在地を把握し、筋道を立てた合理的な戦略を定めるために、「抽象度の理解」は早めに習得しておくことをお勧めします。


戦略思考

続いて「戦略思考」という考え方について。まさに今回の中核を担うような視点になりますが、ここまで出てきた要素を包括した総合的な位置付けにある言葉になるかもしれません。何か1つイベントを企画して、当日開催できるようにするための全業務を滞りなく進めるといった、プロジェクトマネジメントの文脈の中などではよく使われるかもしれません。

例えば、開催するイベントには何人の人手が必要か、まずは役割を全て洗い出して、優先順位をつけ、スケジュールに落としてから人員を算出します。その人員をどの媒体でどのように募集して、集まらなかった時はどういう風に対応するか。そもそも参加費は取るのか、取らなくても開催できるようにするための方法はないのか。など、

イベント全体の観点から、人の流れ、お金の流れ、リスクなどすべての動きを管理し、重要性から優先順位をつけ、仕事を割り振り、全体最適を図っていく中で求められる、総合的な思考能力だと言えます。


デザイン思考

最後に「デザイン思考」について。後ほど具体的な戦術のところで、デザイナーとして意識してきた仕事術ということでお話しようと思っている内容ではあるんですけど、1つはとにかく相手視点に立った提案ができるか、その提案をするために必要な情報を相手の目線で考えられる力、のことだと思っています。

クリエイティブ関連のディレクションをしている時にいつも前提として意識していることなんですが、つまるところ、ぼくたちの仕事というのは、クライアントが求めていることを形にすること。つまり相手がイメージとして持っているものに対して、どうやって制作物を近づけていくか、なんですね。

例えば、ノンデザイナーの方との意思疎通を図る時なんかは共通言語になる専門用語が使えないので、関連する言葉からニュアンスを読み取らないといけないのですが、ここでいうところのデザイン思考は、そういう場面ほど発揮する考え方になります。実際、「ここの文字を大きくしてほしい」という依頼があった時に、その依頼通り、その文字だけを大きくしてしまうのはデザイナーとしてナンセンスだと思っていて、この「文字を大きくしてほしい」に含まれている意図が、「老人にも見やすいように」ということへの配慮なのか、「その文字の部分を強調したい」という要望なのかによって、全体の構成というのは変わってきますから、相手の意図を正確に把握するためのコミュニケーション能力であるとも言えます。

それから言いたいのは、「ぼくたちデザイナーは、アウトプットしてなんぼだ」ということです。基本的にはデザインを何案も用意して、クライアントに納品する最終案をつくっていくわけなんですが、案を出しまくって第3者のフィードバックを元に修正し、ブラッシュアップしていく、という過程の中で最終案には行き着くものです。稀に「一発で決めてしまうセンスのいい人」もいますが。

元・任天堂のデザイナーである前田高志さんも、「自分の手元を離れた瞬間から、その作品を客観的に見ることができるようになる」と、このアウトプットの重要性を、「主観の排除」という文脈から仰っているわけです。「ブレインストーミング」とか、よく使いますよね。とにかく頭の中のアイデアを紙に書き出しまくる手法のことですが、これと同じ要領で、何にも制限されることなくデザインアイデアを書き出す「ラテラルシンキング」という手法と、そのアイデアにロジカルシンキングを加えて、より合理的なアイデアをたくさん生み出す、そうした一連の思考プロセスのことも、ここではデザイン思考のひとつとして位置付けてご紹介しておきます。

ということで、以上が「戦略的デザイン思考」を分解した構成要素でした。なんとなく掴んでいただけましたか?

先ほどもお伝えした通り、「戦略的デザイン思考」というのは、デザイン業務上でのみ機能するような狭義なものではなく、もっと幅広い事象に対して効果を発揮する重要な考え方になります。日常の仕事にも、プライベートのコミュニケーションにも役立つものであり、ぼくが現場で培ってきたスキルのひとつになります。

この思考を突き詰めていけば、

例えば、クライアント企業が抱えている経営課題を発見し、仮説を立て、実行・検証する。そのサイクルの中で経営改善を図るようなコンサルティングの仕事ができるようになったり、そもそもの事業のスタートアップからサポートして売り上げを立てるプロデュースの仕事ができるようになったりもするわけです。コンサルタントやプロデューサーという職種の一般的な報酬単価を見ても、他業種の基準を上回っているケースが多いような気がしていますが、それだけ問題解決の提案ができるというのは、価値の高い役割なのだと思います。

今すぐに、この思考を用いた効果の高い問題解決提案の能力が身につくか?、と問われると、もちろん、ある程度の期間、意識的に訓練を実施する必要があるとは思います。

しかしながら、先ほどからお伝えしていた通り、あくまで新たな「視点」に触れるということが重要ですので、「仕事ができる人たちはこうした考え方でものごとを捉えていたのか!」と問題解決のアプローチがあることだけでも認識していただければ幸いです。

「戦略的デザイン思考」の重要性、理解していただけましたか?


第4章 セルフデザイン戦略:具体的な戦略・戦術について

さて、お待たせしました。最後になりましたが、自分の人生をデザインしていくための具体的な戦略と戦術についてお伝えしていきます。

「それが知りたかったんだよ!」「はじめからこれを話せよ!」と思ってらっしゃる方もいることでしょう。あるいは、まえがきを読んだ後いきなりこの章に飛んできて、要点だけを読もうとしている方もいらっしゃるかもしれません。具体的な情報って理解しやすいですし、行動に取り入れた後のイメージも比較的しやすいですから。この本の趣旨を捉えようと思えば、そういう読み方も良いかもしれません。

しかしながら、ぼくは思うわけです。

結局、ぼくたちの人生は、「何をするか」という具体的な話ではなく、「自分がどこにいるか、だれといるか」という「環境」によって良くも悪くも左右されてしまうものであると。

本質を捉えきれないまま、うまくいっている人が何をしているかを真似したところで、きっとぼくたち凡人は、この人生を攻略することができません。

第2章でお伝えした「勝つためのルール」を知り、第3章でお伝えした「戦略的デザイン思考」をベースとして取り入れてはじめて、より本質的で精度の高い、高い基準の戦略を立てることが可能になるのだと思うのです。

というわけで、しっかりここまでの長いお話に目を通していただいた方なら、この先お伝えする具体的な戦略・戦術についても、しっかり本質を捉えて読み進めることができることかと思います。

ちなみに、このセルフデザイン戦略を実践してきた当人のぼくにはどのような変化があったのか、気になりませんか?お前はどうなんだよって、たぶん思われてますよね。こういうのって普段はあんまり話さないんですが、ここまで読んでくださった方に向けて特別に、改めて箇条書きで簡単に紹介しておきます。まえがきでも少しだけ書きましたが、

・せいぜい20万円程度だった月の売り上げが200万円を越えはじめた
・月に3人以上から、紹介や依頼の声掛けをしてもらえるようになってきた
・15万人以上を集客した夏フェス運営に、デザイナー兼当日スタッフとして参画させていただいた
・500名を越えるコミュニティの運営とクリエイター育成とを任せていただくことになった
・月に1000万円以上を売り上げる事業のクリエイティブ業務を任せていただくことになった
・全国50店舗以上展開のスタートアップ事業のクリエイティブ業務を任せていただくことになった
・有名アーティストたちとのコラボ事業に声をかけていただいた
・場所を選ばず、旅行先でも仕事ができるようになった(なってしまった)
・仕事をしながら、1週間ハワイで過ごす、というのができた
・好きでもないのにタワーマンションの29階に住むことになった
・そして、本を出版することになった

といった感じですかね。どれもここ直近1年の話ですが、様々な変化がありました。とはいえ、まだまだビジョンを達成するまでの道中を進んでいるところですし、もちろん自慢できるほどの成果ではまだないんですけど、つい3年前まで月収7万円で暮らしていたあの頃のぼくが見れば、悪くないじゃん、って前を向けるくらいの実績にはなってるんじゃないかなと(というか、7万円でどうやって暮らしていたのかあんまり覚えていないんですけど)。

めちゃくちゃ苦労してきたし、寝る間も惜しんで頑張ってきた背景もありますが、実際のところ、忙殺されている日々も、自分で選んだ道だからこそほんとに楽しくて、ぼくにとっては幸せな毎日を送っています。

これから話すのは、そんなぼく自身がこの先も変わらず実践しようとしている、人間関係構築にあたっての重要なエッセンスについて。きっと参考になると思いますし、みなさんの人生が好転していくといいなと願っています。これをわざわざお伝えするのは、みなさんがそうなった方が、ぼくの人生も連動しておもしろくなることを確信しているから。ぜひみなさんも実践してみてください。


環境と自分をどうレイアウト(配置)するか

何度もこの「環境」の重要性についてはお伝えしてきました。環境の力を利用しようと、そうお話をしてきたわけですが、自分の人生が良くなる環境、悪くなる環境、世の中にはどちらも存在しています。経験値が高い状態であれば、新しい人間関係や環境に対して、その良し悪しを直感で判断できるようにはなってくるものですが、経験値の低いはじめのうちは、この環境選びで失敗してしまうことも少なくありません。というよりも、ほとんどの人がここでつまずいているわけです。

あくまで、どの環境に自分という人間を配置すれば人生を好転させることができるのか、という客観的な基準をもって判断できるようになればクリアできる問題だと思うので、そこで重要なポイントを2点お伝えしますね。

・その環境で、制限されることなく成果を出すことができるか。
・その環境に、成長するための機能は充実しているか。

この2点の基準を満たす環境に自分を配置することができればいいわけです。

ただし、前提として、「自分がどこを目指しているのか」「自分が持っている手札は何か」「環境の力を使って、これから自分が身に付けたい考え方やスキルは何か」、などを明確にしなければ、最適な環境を選択することがそもそもできません。あくまでそういった戦略的な視点で自分を配置していくことが求められるわけです。

ちなみに、この戦略的な視点さえあれば、自分を配置する先の環境自体を良くしていく行動、つまり、自ら環境をデザインしていくことも可能になります。例えば、その環境に不足している役割を担ったり、必要な機能がなければ外部から引っ張ってくるなど、環境を良くしていくための改善行動ができれば、さらに環境の力が作用し、人生はさらに良いものになっていきます。

ここに関しては後ほどもう少し詳しくお話ししますが、とにかくまずは最適な環境を客観的に見極めることのできる戦略的視点が前提となるため、しっかりと自分のことを客観的に理解するところからはじめましょう。

また、この本を読んで、初めて環境の重要性に気づいた方であれば、いま自分がいる環境に対して、急激に違和感を感じてきた、ということが起きるかもしれません。自分が所属している環境に対して違和感を感じた時、戦略的にその環境に留まる理由がなければ、その環境からは早めに離れた方がいいでしょう。先ほど挙げた「制限されることなく成果を出すことができるか」という1つ目のポイントに抵触している可能性が高いです。

例えば、たくさん未知の経験をしたいと思っているのに、働く時間や場所が決まっていて、なかなか遠くに行ったり、時間を捻出することができない。せっかく新たな環境で新しい価値観に触れて、自分が成長しそうな兆しを感じているのに、今までの人間関係に引き戻されてしまったり。

そういうのをぼくは「制限」と呼んでいるわけです。その制限の原因を捉えて改善するのも1つの手ですが、思い切って環境を変えることも、重要な選択肢です。

環境を変える。これはつまり、住む場所を変えたり、仕事を変えたり、付き合う人を変えるということです。こうでもしなければ人生は変わりませんし、本気で人生を変えたいのであれば、そうするのが手っ取り早いです。

しかしながら、今まで長い時間を過ごしてきた環境から離れる不安感もわかります。不安に負けて環境を変えることができない人は、なんとか時間とお金を捻出して、日程を先に決めて、できれば遠い場所、海外とかいいですね、旅行に行きましょう。

なんで旅行?って思いますよね。ちゃんと理由があります。

例えば、一度でも海外に行ったことがある人ならわかると思うのですが、飛行機にさえ乗れれば現地に到着するあの手軽さというか、意外と近いんだな、って感じると思うんですけど、国内外問わず何度も頻繁に旅行を続けていると、朝通勤するくらいの感じで、場所を変えることが日常になってきます。

例えば、勤めている職場から離れたいと考えている一方で、辞めた後どうなるのかという不安感でなかなか踏み出せない人でも、何度もあちこち場所を変える行動をしてみた結果、あれだけ不安だと言っていたのにいつのまにかすんなり辞めて、ストレスから解放されたように、自分が輝ける新たな道に進みはじめたり、実際、そんな友人がぼくの周りにはたくさんいます。

環境を変えるって簡単だし、不安になるのはその簡単さを知らないだけで、案外どうにでもなります。日本っていろいろ問題は抱えていますけど、海外に比べると本当に平和で暮らしやすい国で、仕事を辞めたとしても餓死するなんてことは考えにくいし、道端で襲われて殺されたりなんてことも海外に比べて起こりにくいと思うんですよね。そういうことを知れるのも、日本という定位置から離れることで認識できることだと思うので、今いる環境から離れたいなら、一時的にでも自分を遠くに配置してみましょう。旅行、おすすめです。


人生の勝ちパターンを身につける強制的旅行計画

旅行の話題が出たのでもう少し掘り下げておこうと思うのですが、実は、人生戦略上いいことだらけなんです。何がいいかを今から説明しますが、まずは旅行のスケジュールを決めてしまいましょう。強制的旅行計画です。

いつ現地へいくか、具体的な日時を決めて、その日に現地に到着できるような行き方を確認し、お金と時間を捻出して、チケットを手配する。たったこれだけのことなんですけど、この一連のプロセスって、第1章でお伝えした「戦略の立て方」と似てると思いません?そう、目的地を決めて、達成するために必要な行動を洗い出し、間に合わせるように実行する。期限をコミットした仕事を間に合わせる感覚とも似ていて、非常に有効な疑似体験ができると思っているわけです。

時間がないから、お金がないから、旅行に行けないと思っていませんか?旅行に行けないのは、この一連のプロセスの重要性を理解していないからです。お金がなくても、時間がなくても、先にゴールを決めてしまえば、あとはなんとか間に合わせるだけなんです。この「なんとかする」というのが非常に重要で、頭を使いますし、この経験値こそが「知恵」として蓄積されていくわけですね。仕事のできる人はみんな、この考え方ができる人だし、ということは、前章でもお伝えしていた「戦略的デザイン思考」の考え方と、概ね同じものであると捉えていただけるかと思います。

そんな感じで現地に向かいましょう。すると、なぜかわかりませんが、必ず何かしらのトラブルに見舞われるんです。旅行経験者あるあるというか、「トラベルイズトラブル」なんて言葉もあるくらいですから、旅にトラブルはつきものなんです。

これがまた人生戦略上で考えるといい経験になるわけです。何度も旅行に行っているうちに、事前にリスクを察知し、回避できるような危機管理能力や、突如発生した予想外の問題にも冷静に対応できる危機対応能力が自然と磨かれていきます。

先日ハワイに行った時に起きたことがなかなか強烈で、こういう話をするときはいつも実体験の例として出すんですが、意気揚々と借りたフォード社のマスタングというめちゃくちゃイケてるオープンカーを安くレンタルすることができて、友人たちとも海岸を走り回りほんとに楽しかったんですけど、翌朝に返却予定だったマスタングが、一晩の間に駐車していた場所から消えて無くなってしまっていたわけです。

何が起きたかわからず、たまたま近くにいたハワイ在住の日本人の方にも助けてもらったり、まさかこんな日が来るとは思わなかった…などとわくわくしながら、ぼくはとりあえず911に電話をかけていました。警察の方にも来てもらって小一時間あたふたしていたんですが、結局レッカー会社に撤去されていたことが発覚し、なんとか罰金(と延滞料金)を払って、無事レンタカー会社に返却することができた、という、なんとも非日常な体験をしてきました。

他にも、入国審査で引っかかってそのまま日本に帰らされたとか、盗られたわけでもなくパスポートを紛失したとか、「そんなことある!?」みたいなことってぼくの周りでもよく起きてるんですけど、こういうのって人生のネタになると考えればむしろおいしいし、そういう経験をしたことのある人ほど、何か起きても冷静に落ち着いていられるというか、「まあそんなことも起きるよね」みたいな余裕さえ感じられる人、いますよね。

結局、第2章でお伝えしていた「感情のコントロールができる人」という観点でいうと、この予想外に対応した経験値がどれだけ高いかによって決まるものだと思うので、笑い話にもなるし、対応力も磨けるし、旅行は人生戦略上に「勝ちパターン」を取り入れることのできる、非常に有効な戦術だと思っています。


自己投資は、人との出会いに

旅行に行くと、その土地の未知の文化に触れたり、非日常の生活を体験することができ、既存の価値観という枠組みから大きく外れることができる点も、大きなメリットとして挙げられます。「未知に触れ、アップデートし続けている人」は、人がしたことのないユニークな経験をしている希少性を発揮することで、信頼関係を築きやすい、ということも第2章ではお伝えしていましたが、その観点で考えても、旅行はやはり有効です。

こうした旅行のような経験に時間もお金も使うことを勧めてきたわけですが、いわゆる「自己投資」という発想ですね。新たな世界を知り、世の中で起きていることを捉え、生き方のパターンを知る、そういう経験を重要視しているのが、今回お伝えしている戦略上の大事な価値観になります。

さて、人生の武器になる要素とは「お金」「人脈」「能力」の3つである、ということをあらかじめ共有して、この後のお話に移りますが、冒頭からお伝えしているように、あいにくぼくたち凡人には武器と言えるような「能力」も、20代など若い世代は特に「お金」も持ち合わせていません。

最低限、世の中のルール(資本主義・金融)などの知識を押さえていれば「お金」に関しては生み出すことができるのかもしれませんが(今回は詳しく書きませんが、お金というものに囚われ過ぎると、人生戦略上うまくいきません)、そもそも、しっかりとした「人脈」、つまり人間関係さえ築けていれば、「お金」や「能力」がなくても補うことができる、という点は人生戦略上かなり重要な考え方になります。

この考え方で「自己投資」を捉えたときに、3つのうちの「人脈」への投資が最も効率的だと思いませんか。自分の人生でかけられるものなんてたかが知れているわけですが、時間やお金、スキルなど、自分が持っているありったけの資本を投資する先を「人との出会い」に注ぎ込むことで、最大限にレバレッジを効かせた自己投資を実現することができるわけです。

ぼくが実践している自己投資は、よりレベルの高い人たちとつながれるように、とにかくセンスを磨き、あらゆる手段で教養を身につけることを重視して行っています。実際に取り入れている方法をいくつかご紹介しようと思います。


読書をしよう

まず1つ目は「読書」です。

お世話になっている元大手出版社の編集をされていた方から聞いた、読書こそ最大の自己投資だ、という言葉が印象的で、取り入れています。その方は1日1冊読めるようになれと仰るわけですが、まだまだ未熟なのでぼくは月に4〜5冊読めればいい方です。自己啓発本やビジネス書なんかに多いのは、1回のセミナー参加費が10万円を超えるような講師の方が普段話している内容を、たった1,500円程度で読むことができる、という点で非常にコストパフォーマンスがいいのだと言います。収入と読書量とが比例する、という主張もよく見かけますが、実際のところ、本当なのだろうとぼくは思ったりもしています。

また、ぼくがどういう目線で本を読み、読書から何を学んでいるかという点が重要かと思いますのでそのお話もしておきます。

1つは、知らない言葉を知る、という視点が非常に重要だと思っています。世の中で起きていることを知るためは当然知識が必要ですし、第2章で言語能力の重要性をお伝えしたかと思いますが、その言葉を知らなければ当然その事象を認識することができませんので、戦略を立てる前提として世界のことを知るときに、言葉を知らないほど、なかなかハードルが高くなってしまうわけです。この観点でぼくがオススメしているのは、いわゆる自己啓発書やビジネス本などではなく、小説や、学術書など、言葉の難しい本を読破することだったりします。

結局、自己啓発本は何も考えなくても読めてしまうし、わかりやすいから多くの人が手に取れる。ベストセラーの自己啓発本を読むことも良いのですが結局ぼくたち凡人にその内容を再現することは難しかったりするので、古典文学や学術書なんかの方が勉強になるんじゃないかなと思っていますし、この本でもぼくはあえて難しい言葉を混ぜながら書いているわけです。(うそです、簡単な言葉に置き換えるのが苦手なだけです。)

ご存知の方もいらっしゃるかも知れませんが、「夜と霧」という本を推薦しておきます。使われている言葉や背景知識を理解しながら読まないと趣旨のつかみにくい難易度高めの本で、これから読書をされる方にはオススメしておきたい1冊です。

そして、2つ目は、歴史から学ぶ、という視点。歴史は繰り返す、などとよく言われますが、200年も300年も生きながらえるわけではない人間は、過去と同じ過ちを、いつの時代になっても繰り返すわけです。ということは、歴史を知り、時代の流れを掴んでいれば、今の時代の流れを捉えたときに、次どうなっていくかという予測もできてくるわけです。

「モンテ・クリスト伯」という1800年代にアレクサンドル・リュマが書いた古典文学がありますが、結局そこで描かれているものは、現代の「昼ドラ」のようなドロドロした話だったりするわけです。政治的な話でいうと。1945年に書かれた「動物農場」というジョージオーウェル作の小説がありますが、これも結局支配構造というか、ヒエラルキーというか、そういうものをいつの時代も人間は生み出してしまうものだという内容が描かれているわけです。これらの小説の内容と現代社会とを照合すると、その本質の部分を捉えることができるようになるため、こうした視点をもって読書することもオススメします。

そして3点目は、世界で起きていることを知る、ということ。ドキュメンタリーのエッセイ本や、戦争・貧困・差別・犯罪など、実際に世界で起きている事象を取り上げて問題提起している内容の本などは非常におもしろいのですが、結局ぼくたちが日常的に触れていないものって認識しにくくて、世界の「闇」の部分を知らないと、自分たちの環境が「光」の中にあることにも気付きにくいんですよね。

平和な日常が当たり前ではないことを認識する、それだけで、人生が明るくなり、感謝できる日々がくるような気がしませんか。感謝とかいうとちょっとスピリチュアルなニュアンスを含みそうで嫌なんですけど、結局感謝できる人にチャンスは回ってくるようにできていると思いますし、より深く歴史的な観点からも世界で起こっていることを文脈で捉えられるようになれば、この世の中で生きていくための戦略が打ちやすいと、そういう話だと思うんです。


映画から学ぼう

こうした視点で、読書を自己投資のひとつとして位置付けているわけですが、映画もまた然りです。映画からは、いろんな人生のパターンを知り、作品の中で追体験できる点に非常に価値を感じます。どれだけ人生のパターンを知っているか、またその中で見えてきた本当に重要なものとは何か、それをどれだけ知っているかに応じて、自分の生き方・ビジョンがクリアになるものだと思うので、目指すべき場所を定めるためにも有効かと思います。

また、交渉術が巧みな主人公などを見ていると、結局物事をうまく運んでいくのはそういう人だよなと、身につけておきたいスキルについても意識させられますし、そもそもたくさんの配役をして1つの作品を完成させる監督の視点というのも、なかなか勉強になります。

ぼくは普段プロデューサーとしても活動をしているわけなんですが、監督の視点というのはまさにプロデューサー的というか、なぜこのシーンではこのカットが使われたのかとか、あの役者が一瞬出てきたのってどういう意図があったんだろうとか、仕掛ける側の視点として映画を見ながらその意図を掴む練習の場にもなります。

そして、先ほどの読書と同じく、世界で起きていることを認識するために、ドキュメンタリー映画や、白人主義・黒人差別、同性愛、権力の闇、麻薬カルテル、宗教対立などをテーマにした作品を見ることが多いです。最近だと「チョコレートドーナツ」という、正義とは何か、というテーマだとぼくは捉えていますが、この映画が非常に考えさせられてよかったのでオススメです。

結局、いつの時代も多数派や権力者が「正しさ」を作っているのだということを再認識させられる内容でしたが、普通に考えればそれっておかしくない?ということにすら気づけないのが大衆の言語能力の低さであり、また、それを利用して、美しさや笑い、感動などで大衆をコントロールする政治的手法をヒトラーが用いていたこと、そして、最近の日本の自民党の動きからそのような手法を感じることなど、ぼくは映画から見えた本質から要点をつなぎ合わせて、ぼくたちが生きる世界で何が起こっているのかを捉えるようにしています。


美術館に行こう

世界を捉えるためには、非言語を捉える感性を養い、言語能力を高めていくことが重要です。感性を高めるために美術館に行くようにぼくはよく勧めるわけなんですが、非言語を捉えるための感性は、結局その作品が作られた時代背景や意図を掴むことと相違ありません。つまり、結局これも知識・教養の有無によるものなので、そのボキャブラリーを増やすことで、美術品作品などの非言語情報を捉えることができるようになっていくものだと考えています。そういった教養や知識がないと、上質な情報を理解してキャッチすることができません。

デザインにおいてもセンスが問われますが、センスとはすなわち知識のことであり、どれだけ良いデザインを目にしてきたか、認識しているデザインパターンの数でアウトプットの質は変わるものだと言えます。美術館に行けば、その作品の時代背景や作者の意図がキャプションに書かれていたり、音声ガイダンスなどを通して言語化された情報をもとにインプットすることができます。実際に足を運ぶよう勧めているのはそういう理由だったりします。


教養を身につけた先に

結局、知識として本や映画、美術などを捉える家庭の中で、重要なこと、本質が見えてきます。ぼくたちが生きている世界で起こっている出来事から得られる情報も、点と点が繋がり始め、どんどん加速度的に増えていきます。そういう人ほど深みのある会話ができますし、立てている戦略の精度も上がってくるわけです。そうすると、この本の着地点である「上流層へのアクセス」という勝ちパターンにたどり着くことも、現実味を帯びてくる気がしませんか。

ここまでに挙げたような視点で教養を身につけるインプットを心がけている人は、そんなに多くいません。もちろん経営者や成功者と言われる人たちには共有されている考え方なのかもしれませんが、ぼくたち凡人の、とくに20代30代のひとでそんなことしてる人、周りにいますか?ということは、頭一つ抜けるチャンスなんです。積極的に教養を深め、カルチャーを語れる人間になる。これに時間もお金も割く自己投資こそが、ぼくの最大の戦略とも言えます。



人脈を引き寄せる、戦略的デザイン仕事術

さて、自己投資について、具体的な戦術を何パターンかお話ししてきたのでぜひ実践してほしいなと思っているのですが、結局、今回お伝えしている自己投資の先にあるものは「人脈」であり、人生戦略上の位置付けとしては、「勝てる手札」をどれだけそろえられるか、という部分お話に当たるわけです。主に教養を伸ばすニュアンスでの自己投資を提案してきましたが、ここからは実際に人脈を築いていくときに、どうやって信用を勝ち取っていくか、というかなり実務的なお話をしようと思います。

ぼくが仕事をする時に意識していることなどもお話ししておこうと思いますが、今後フリーランスとしての働き方や、起業などを考えている人なんかには特に有効な考え方かなと。

ここで改めて意識したいのは、世の中にはルールがあるということ。「勝つためのルールをおさえる」というポイントについては、第2章の「人生が好転する人の特徴」という観点からひとつお伝えしていましたが、実はこの人生を攻略するための「勝つためのルール」は戦術レベルでみれば他にもいろいろありますので、ぜひ実践してほしい戦術を、ここでは仕事術に置き換えてお伝えしていきます。


戦術① ハッタリをかます

まだ一緒に仕事をしたことがない人との関係性を構築していくフェーズは非常に重要で、とにかく「信頼されること」が最重要ミッションなわけです。過去の実績に加え、はじめの1回の仕事で相手の印象は決まってしまいますし、その後、その人から仕事が来るかどうかを大きく左右してしまうものだからです。しかし、過去に実績でもあればある程度の信用の中で仕事が見られるわけですが、実績のない人はまったくのゼロベースで相手に信用されなければいけないわけです。経験値も少ないのにいきなりハードルが高いのがこのフェーズですが、ぼくや多くの人がこぞって言うのが「ハッタリをかませ」です。

「これ、できる?」って言われて、素直に「できません」と返していては、いつまでたっても仕事を任せてもらえないわけですよね。もちろんその度合いや人間関係にもよるのですが、とにかく、できるか聞かれた「できます」と答えるし、やるか聞かれたら「やります」しか答えはないと思ってぼくなんかはずっとやってきたわけなんですけど、結局その仕事の納期というのがあれば、その納期までに作品を納品すれば全く問題はないし、その過程でできるようになってしまえばいいのであって、最初から素直に断らず、ハッタリをかましながら仕事を取ってくる、そういうしたたかさは、個人で食べていけているひとみんなが通ってきている道なんじゃないかなと思います。

もちろん、ハッタリを使うなら責任は必ず果たしましょう。言いっ放しでできずに終わった時点で、その関係性における信用は一瞬でなくなります。既存の関係性でどうしてもハッタリを使いたくないし、それでも信用を勝ち取りたいんです、という場面になった場合は、次の戦術を使ってみましょう。


戦術② 無料で引き受ける

信用を勝ち取るためには、目先のお金に釣られないことが非常に重要です。お金で繋がってる関係は、友人であれ、仕事関係であれ、うまくいきません。雇用関係も然り、お金を払ってるんだから、という大義名分に、人間関係は狂わされるのだと思っています。とにかく今後も長いお付き合いができるような信頼関係を築こうと思うなら、目先のお金は後回しにして、信用を先に勝ち取る必要があると思うのですが、ここで取るべき戦術はつまり「やらせてください。お金は要りません」です。

お金にならないことを徹底的にやれるかどうか、やってもらった側からすれば感謝する気持ちになりますし、仮に失敗してしまっても「まあ無料だからな」と、その1回で信用を損ねてしまう結果にはなりにくいと思いますので、新しく信用を築きたい人間関係があるなら、そういう考え方で接するべきかと思います。

また、これから技術を身につけていく人たちも、いきなり中途半端な技術で報酬を請求してしまうのではなく、ある程度実績を積むためにも無償で受ける仕事を増やしていくことが重要だと思います。練習させてもらう、という発想ですね。クリエイティブ関連の仕事であれば尚更ですが、実際にそこで作成した作品が自分のポートフォリオ(作品集、実績)になりますので、今度はそれを抱えて次の仕事を取りに行けばいいのです。そのときはまた、ハッタリを使いましょう。


戦術③ 相手の期待値を上回る

ぼくが考える「仕事」とは、相手が報酬を支払うに値する価値を感じさせることであると思っていて、価値を感じさせるためには、最低でも相手が期待している基準値以上のものを提供する必要があるわけです。この視点を持っているかどうかで、仕事の質というのは格段に上がりますし、相手に与える印象もガラッと変わると思います。相手の期待値以上のこと、と言っても、そんなに難しいことではないと思っていて、あくまで自分にできる範囲で、それをすればいいのです。

例えば、ぼくにできることのひとつとして、圧倒的なスピードで対応する、というのを武器にたくさんの仕事をしてきました。

夜中1時にWEBページ制作の依頼が来た時のお話があります。他のタスクも詰まっていたので、通常なら1週間くらいかけて納品するような規模の依頼だったのですが、「これ、朝起きた時に納品できてたらかっこいいな」という謎の見栄を張り、他の全てのタスクを後回しにして、徹夜で翌朝に納品する、というのをやったことがありますが、その後もその方との関係性も良好で、いつもお仕事を任せていただける関係になり、大きなプロジェクトにも混ぜてもらえるようになり、ここから人生はなんとなく好転し始めた気がしています。

結構いまの話は泥臭い根性論みたいなやり方なんで、それ自分にはできないな、と思う人がいるかもしれないんですが、先ほどもお伝えした通り、大切なのは「自分にできる範囲で、いかに相手の基準値を上回るか」という考え方なので、その視点で動くことができれば、きっと成果につながります。


戦術④ 周りの人に協力してもらう

信用を勝ち取ってある程度の人間関係が自分の周りに構築できてきたら、その人脈が自分の手札になります。引き続き自分の元には仕事がきたり、新しく仕事を取りに行ったり、そういう動きがあると思うのですが、ここで重要なのは、自分一人で戦う必要はないということです。受けた仕事を達成するために、完成に必要なスキルを今から伸ばすことは、ハッタリをかます時に必要な発想なのでぼくも推奨はしているんですが、仮に、自分の専門外の、明らかに習得している時間がないようなものであれば、誰かできるひとに任せてしまえばいいと思うんです。まあ当然ですよね。

重要なのは、仕事を獲得するときは、自分がそれをできなくても「できます」で受けてしまえば、より大きな案件を獲得することもできる、という視点を持つことです。自分が築いてきた人間関係も自分の手札として最大限活用させてもらえばいいと思いますし、その人たちにも仕事を与えることができるのですから、みんなにとっていい話になるはずです。もちろん、とってくる仕事は、誰かがやらないといけないので、そこの責任もしっかり果たしましょう。

人生は、個人戦ではなくチーム戦だと、ぼくたち凡人ほど理解した方がいいのかもしれません。


戦術⑤ 誰にでもできるけど、誰もやらないことをやる

これが一番重要なんじゃないか、と思っているのですが、結局ぼくたち凡人にはこれと言った能力もなくて、他の人たちとどこが違うの?って思われて、埋もれてしまっている人だらけだと思います。フリーランスとして働こうと思うなら、その状況は少々難しいと思うので、ここでお伝えしたい考え方は「誰にでもできるけど、誰もやらないことをやる」というものです。戦術②でお話したスピード感の話とも通ずる内容かと思うのですが、一言で言うと、相手目線にたった気遣いができるかどうか。これがめちゃくちゃ重要だと思っています。

例えば、依頼が来たらすぐに返信できるかどうか、できるか聞かれれば「やります」と即答できるかどうか。即レス、というやつですが、これができないだけで相手の時間を奪ってしまうことになると思うんですけど、これって誰にでもできますよね?気遣いって、誰にでもできることだと思うんです。反対に、これを徹底してやっているだけで信用されますし、面倒見てやろうって思ってもらえると思いますし、紹介してあげようって思ってもらえると思うんです。「いかにえこひいきされるか」みたいなこともぼくはよく伝えるのですが、結局のところ、気遣いしてくれる人に、ぼくも惹かれるんですよね。

気遣い。ほんとこれだけ徹底すればいいと思います。約束を守るとか、そういう最低限のことから、第2章でお話しした「先読み力」のところで、相手が必要としていることを先回りして済ませておくような仕事のできる人になろうと思えば、「気遣い」をどれだけ無意識的に行えるかという訓練の話になってくるような気がしているので、誰にでもできるこの「気遣い」を積極的にしましょう。いろいろ戦略や戦術を並べていますが、これしかないです。


戦術⑥ 勝てるポジションで戦う

最後に、「勝てる場所で戦う」という戦術。

例えば、ぼくはWEBデザイナーを名乗りながら活動してきたんですけど、自分はどの分野で進めばいいのかをずっと考えていました。スピードや、コミュニケーションの部分を売りにはしてきていましたが、どの分野に強いとか、WEBデザイナーとしての強みを見出せずにいました。ある日、そもそもWEBデザインのオペレーターをずっと続けたいんだっけ?と思い直したのと、結局このデザインの業界には美大や芸大出身者、広告代理店のクリエイティブ関係者という化け物が揃っている中で、勝負する場所を間違えているんじゃないかと思ったんです。

そこで、自分の手札や、得意なこと、したいことなんかを考えながらたどり着いたのが、「マーケティングとクリエイティブ、両面を理解し、事業を推進することのできるクリエイティブディレクター」というポジションでした。数字を読めるクリエイターや、セールスライティングが理解できるクリエイターの方が希少価値が高いという判断で肩書きも変えました。そこから、取り組む仕事の内容もだんだん変化し始め、自分にあった、勝てるポジションで、いまは仕事をすることができています。

客観的に自分が戦おうとしている業界の数やレベルを分析し、自分の強みや人脈など総合的に判断して、自分をどのポジションにおくか、これもレイアウト(配置)という戦略的デザイン思考の発想のもと行うことのできる、人生戦略上の最適解の出し方なのです。希少価値が高いほど、周りの人からは重宝され、覚えてもらいやすく、紹介もしてもらいやすい。つまり、上流層へのアクセスへ一歩近づくための戦術なわけです。


運を理解して、人生をデザインしよう

運の構造を理解する

ぼくが実践している「セルフデザイン戦略」についてお伝えしている本章も、終盤に差し掛かってきました。最適な環境を選択し、勝てる人脈を広げるための自己投資、それから具体的な仕事術をお伝えしてきました。かなり濃い内容をお伝えしていると思うんですけど、まだ頭のメモリに余裕はありますか?新しいことをお伝えするというよりかは、今までにお伝えしてきた考え方の整理ができるようにお話ししていこうと思いますので、最後までついてきてくださいね。

さて、戦略を立てて、具体的な戦術を実行する準備もできました。最後に元も子もないようなことを言うようですが、結局人生がうまくいくかどうかを決めるのは、最終的には「運」でしかないわけです。運、つまり偶然性ですね。人生なんて、うまくいくときもあれば、うまくいかないこともあります。まずはそれを知ることが重要なわけです。

ぼくたちがすべきことは、運をコントロールすることではなく、ずばり、人生の波を読み、状況に応じた適切な行動をすることと、偶然性を高め、運のいい人間になることです。

平凡な人生から抜け出そうと、みさなんはそう思ってらっしゃると思うんですけど、楽しい人生にしたいと思っているなら、安定にしがみついていてはいけません。不安定こそが、人生を楽しく、おもしろくするものだとぼくは捉えていますが、結局不安定な人生には、大きな山も、大きな谷も、当然ながら訪れるわけです。それを理解した上でぼくたちは適切な行動をしなければいけない。

ぼくがお世話になっている人がいつもおっしゃっている言葉があります。「うまくいかないときは、淡々と種を蒔きまくれ。一気に芽がでる瞬間が、いつか来るから。蒔いた点が、繋がる時が来る。それがいつか、大きなチャンスになる。」と、うまくいくときはうまくいくし、うまくいかないときはうまくいかないから、目先の失敗とか気にせず、淡々とやるべきことをやれと、そうおっしゃるわけです。

つまり、チャンスが来たときに掴めるように準備をしておくことが、日頃から淡々と継続しておくべき準備であり、とにかく準備期間に蒔いた種の数が多いほど、当然巡ってくるチャンスも多くなっくるわけです。つまり、運を高めるとはそういうことで、とにかく継続して手数を撃ち続けることなのだと、第2章の「継続力」の部分でもお伝えをしてきました。でも、継続って、凡人がすぐにサボってしまうあれですよね。習慣化すればいいっていうのもなんとなく知っているけど、習慣化するまでにやめてしまうんです。そこで何度もお伝えしている通り、「環境の力」を使えばいいのです。


環境そのものをデザインする

先ほどは最適な環境の選び方についてお話をしていましたが、そもそも、ないならつくってしまえばいいのです。というのはやや暴論ですが、いまいる環境をよくする行動さえできれば、よくなった環境の力がまた自分に作用するので、結果的に自分の人生の好転スピードが加速すると考えられます。

先ほど仕事術でお伝えしました、GIVEの精神が非常に大事です。お金が発生しなくても、環境を良くするための行動をすることができるかどうか。これができる人に信用は集まりますし、環境を良くしていくための人脈も集まり、さらに環境を良くしていくような、そんな好循環をつくるイメージで行動すると良いかなと思うのですが、その環境に対して自分は何ができるのか、自分がやりたいかどうかではなく、その環境で求められる役割を担うところからスタートすればいいわけです。求められていることを察知し、求められている基準値を超えるかたちでその役割を全うする。先ほどお伝えした仕事術の考え方と全く同じです。

もちろん、先ほどからお伝えしている通り、役割を察知するためには、そもそもその環境に不足している役割を探し出すために「戦略的デザイン思考」を身につけていること、また、相手目線で先読みをする力を身につけている前提であることは、改めて強調しておこうと思います。そのような視点があれば、あとは「継続力」を身に付けられるような環境を自ら設定し、実行するだけになるので、難しいことではありません。具体的な方法は、ぜひ考えてみてください。


継続すべきは、情報発信

運を良くするためには、とにかっく手数を打つ必要があると、そう言う話でしたが、ではいったい何を継続すればいいの?と思われるかもしれません。ぼくが勧めているのは「情報発信」を継続的に行うことです。

普段ぼくが情報発信をする際に使っているツールは、各種SNSに加えて、noteというブログサービスを利用しています。先日、試験的に40日間毎日更新というマイルールを設定し、29日間を1500字以上の文章での情報発信、残り11日間は初の試みとして実施した音声配信での情報発信を行いました。日付が変わるまでに更新する、というただそれだけのルールをひたすら40日間続けてみたわけですが、やってみた感想としては、「やらない理由がない」でした。いいことがたくさん起こりました。

先ほど、この1年間の間に起きたいい変化についてリストアップしてみましたが、紹介について書いた部分あると思うんですが、明らかにこの情報発信を始めてからの紹介数が増えたんですよね。横田直也とはどのような考え方をしていて、どのような実績があって、信頼できる人なのかどうかをブログ上で判断していただけた結果だと思うのですが、正直ここまでいい影響があるのかと、驚きました。

情報発信をすれば必ずいいことが起こると言うものではなくて、いつか起こるであろう偶発性のトリガーになっただけだと思っているのですが、そのチャンスを掴むきっかけになり、ぼく自身の運を高めてくれたことは間違いないので、やってよかったと思っていますし、やらない理由はありませんでした。

もちろん文章作成や音声収録に毎日1〜2時間くらいは取られてしまうので時間的制約は生じてしまうのですが、毎日アウトプットをしているだけで頭の中はクリアになってきましたし、ぼくが何者であるかと言う情報を多くの人に認知してもらうことができたわけです。

そう、情報発信の肝はここにあると思っていまして、結局、ぼくのことをブログ上でしか知らない人が持っている情報というのは、ぼく発信してきた情報たちで構成されているわけですので、書き方によっては、めちゃくちゃすごい人、という印象を与えることだって可能なわけですよね。

実はこれ、オフラインの対面でも同じで、ぼくが発している言葉や態度、見た目の情報から相手はぼくのことを判断するわけですけど、そういう意味では「相手が見ている自分」にしか、自分というものは存在し得ないということ、つまり、相手がどう思っているかで、ぼくの人間性が決まってしまう、というわけです。このルール、難しいですけど、非常に重要です。

ぼくたちが人生戦略上重要視している「勝ちパターン」、いかに紹介されるような人になるか、上流の人たちにアクセスできるか、という文脈においても同じで、その人たちがみた自分に価値を感じてくださるかどうかで、その人たちと繋がれるかどうかが決まってしまいます。

相手にGIVEしろとか、相手目線で考えろとか、教養を深めてユニークな存在になれとか、はったりをかませとか、いろいろお伝えしてきましたが、それは全部、相手の目に映る自分が基準になっているということは必ず理解しておきましょう。自分がどう思っているか、などは1mmも関係がないのですから。コミュニケーションの基礎かつ最重要ポイントとも言えます。

他者との関係性の中でぼくたちは生きているということ。他者との関係性の中でぼくたちは評価され、人生を好転させていくのです。

他者との関係性をよくすること、つまり、環境を良くしていくこと。

これこそが、ぼくが伝えたかった「セルフデザイン戦略」の全容であり、凡人であるぼくたちが身に付けておくべき、最大の視点というわけです。


最後に

いかがでしたでしょうか。
以上が、ぼくが提唱する「戦略的デザイン思考」をもとにした「凡人のためのセルフデザイン戦略」の説明でした。

自分が天才ではないことを素直に認めなければ、この戦略を実行することはできませんし、この戦略を実行しなければ、ぼくたち凡人がこの世の中で勝つことはできません。実際にここまででお伝えしてきた戦略に関しては、ぼく自身が実行し、実際に効果を感じたものだけをお話ししてきたつもりです。

一番はじめに問題提起した「他人を変えることはできないけど、自分のことは変えることができる」という、捉え方によってはとてもビジネス的な、スピリチュアル・自己啓発マーケティングでの文脈の中だけで語られそうなこの言葉に翻弄されている人たちのことを思い浮かべながら、過去の自分にその姿を重ねなて今回は本書を書き進めていました。

自分ができない理由は自分の中にあっていいんですけど、その責任を自分の中だけに内在させてしまうのは、本当に恐ろしい。「うつ」っぽくなってしまう人の特徴としても、完璧主義というか、周りの人よりもおそらく自責思考(全ての責任は自分にある、という考え方。)が強めで、自分を追い込んでしまうほどに悩んでしまうような人たちに多い傾向があると思ってるんですけど、こういう人たちに「自分を変えることができる」なんて言葉を使ってしまうのは、彼らに取っての逃げ道を奪ってしまうことになると思っていて、かなり酷な言葉だなと、思っているわけです。

かつてのぼくもどちらかというとそういう「過剰自責」タイプで、「完璧主義」で、周りの評価基準を意識して行動する、いたって真面目な感じの若者でした。

「うまくいってないのは全部自分のせいだから、なんとか自分の悪いところを改善しないと」と独りよがりな思い込みをしてしまって、でもなかなか改善することができなくて、追い打ちをかけるように仕事上の不具合を全部ぼくのせいにされて、身動きが取れなくなって、頭がいっぱいになって、普段はスーパーポジティブなぼくですが、精神的に参ってしまった時期を数年前に経験しました。

ここから抜け出すことができたのは、紛れもなく、環境を変えることができたから。そして、戦略的デザイン思考に含まれる様々な視点をもって、自分自身が置かれている状況を客観的に見ることができたからだと思っています。

凡人だろうが、天才だろうが、必要な考え方や視点を早い段階で身につけて、適切な環境設定のもと、やるべきことを継続していれば、人生が良い方向に進んでいっているような実感を得る瞬間が、きっとどこかのタイミングで訪れます。

楽しくて、おもしろい、クリエイティブな人生が、みなさんのもとに訪れますように。


あとがき

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

この本を読み終えた今、みなさんの中でもやもやしていたであろう「いま、何をすべきか」という点だけでもクリアになって、将来に対する漠然とした不安、みたいなものを払拭できていたら、書いた甲斐があったなぁ、と思います。

本文中でもお伝えしましたが、ここまででお伝えしている内容を理解し、実践すれば、必ず何かみなさんの人生に良い変化が起きると思いますし、良い人生にシフトチェンジしていくんじゃないかな、と思っているのですが、一方で、タイトルにもした通り、ぼくたちは、自分のことを自分でコントロールするなんて、到底できないわけです。

なので、何度も言いますけど、重要なのは、戦略を立てることと、環境設定をすること。これに尽きます。
「どこにいるか、だれといるか。」に人生は大きく影響を受けます。
自分の人生戦略上有効で、良質かつ上質な環境に身を置くこと。
その環境との出会いが、いつ、どこであるかなんて人それぞれだし、
ぼくにはそんなことわかりませんが、ひとつ言えることは、
とにかく早い段階で勝てる戦略を立てて、有効な戦術を、タイミングが来るその時まで淡々と実行し続けること。

それしか、ぼくたちにはできないと思うんです。

自分の人生は、自分でクリエイトしていくもの。

自分の人生に、誰かに用意された意味なんて、ありません。
そして、誰にデザインされるものでもありません。

そういう思いで、このセルフデザイン戦略について書きました。

「せっかく生まれてきたんだし、死にたくないって思ってるんだったら、
死ぬまでおもしろい毎日を送れるように、楽しんで過ごせばいいじゃん。」

そんなスタンスで、ぼくは自分の人生を今後もデザインし続けようと思っているし、ビジョンに共感してくれたり、クリエイティブな人生を送っているひとたちと一緒にいられれば、それでいい。

不安定こそ、人生の媚薬である。

ずっと思いつきでばたばたな人生を生きていきたいし、欲を言えば、未知のものとの出会いを、死ぬまで一生続けたい。会ったことのある人より、会ったことのない人の方が、死ぬまで多いに決まっているし、行ったことがある場所よりも、行ったことがない場所の方が、死ぬまで多いに決まってる。

ということは、行動をやめなければ、実現できるじゃないですか。知らないことと出会った瞬間の喜び、ありませんか?そんな感動体験を一生感じ続けられるなんて、こんなに楽しい人生はない。と、ぼくなんかは思うわけですけど、共感してくれる人いたら嬉しいなあ。

だから、別にサラリーマン反対論者ではないけど、そういう出会いに投資する時間や場所に大きく制限をかける意味では懐疑的にならざるを得ないので、結果的に、早く辞めることを、まあ勧めちゃってますよね。別に無理に辞めなくても良いとは思ってますけど、時間の融通のきく関係性というか、社内のそういうポジションの人、いるじゃないですか。ああいう立ち回りができる存在になっておくことは、必須かと思います。

これは、先ほど説明した「戦略的デザイン思考」さえ身についていれば、比較的難しくないんじゃないかなと思うので、ぜひ試してみてくださいね。


そうだ、いまぼくが取り組んでいることの紹介なんかも、最後にさせてください。

冒頭の自己紹介で書いたようなクリエイティブディレクターとしての仕事や、デザイナーとして依頼を受ける仕事なんかもしていますが、今後、もっとクリエイティブな生き方ができる人が増えた方がいいと思っている、っていう話は先ほどもした通り。

なかなか日の目が当たらない埋もれた才能の応援をしたり、マニアックな趣味やこだわりに全精力を注いでいる、むちゃくちゃおもしろい「GEEK(おたく)」たちを発掘したり、魅力的だけどうまくいっていない地域を盛り上げたり、とにかくぼくのアンテナが反応した「価値」を世の中に届けていきたい!という気持ちで、プロデュースの仕事をすることも増えてきました。

先日「SpotifyがPodcat事業会社を2社買収した」というニュースが流れていましたが、動画に続き、今後は「音声メディア」の台頭も十分に考えられる中で、そういったメディアなんかも企画・設計からはじめてみよう、なんて思いながら準備を進めているところです。

あとは、そうした事業を加速させたり、実際に手に職をつけて食べていける人が増えたりしたら良いなと思って、クリエイターやマーケターの育成に力を入れてみているのと、言語能力の高い人たちが周りに増えて欲しい(あまりいなくて寂しい)と思っているので、みんなで美術館に行って感性を養ったり、作家の視点に触れられるような機会を提供したりしているわけです。

昔からあれこれ思いつきで手を出してしまうので、いつもやっていることは変わってしまうし、同時並行でいろいろ進めてしまうので、「いま何やってるの?」ってよく聞かれるし、いつもうまく答えられません。ただ、どれもこれも一貫して言えるのは、すべてぼくのビジョンを達成するための戦略思考の中で、目的を持って取り組んでいるものばかりだということは、特筆させてください。

ひとりでできなければ、みんなで。

2019年夏、大企業とクリエイティブチームとの資本業務提携や、クリエイティブ・キャピタル(人材やスキルなどのクリエイティブ資本)をスタートアップ事業に対して提供するクリエイティブチームが結集したり、クリエイティブ界隈のニュースを見ていると、時代のトレンドは明らかに「チームの時代」になっています。

こうした潮流の中で、自分をどこに配置して、今後どのポジションを取っていくのか、これを考えるのが楽しみで仕方がありません。

これを読んでくださった方の中で、戦略的デザイン思考を身に付けたかったり、
クリエイティブな仕事をしてみたい、みたいな変わった人がいれば、ぜひお声がけください。

ぼくは環境を重視しているから、自分の属する環境は、自分で良くしていくことに決めています。
平凡から抜け出せないすべての人へ、成長を提供する環境も用意しています。

共感してくださった方、何かを感じてくださった方、興味を持ってくださった方、ハマらなかった方、いろいろいらっしゃると思いますが、最後まで読んでくださった皆様に本当に感謝します。ありがとうございました。

もし今後のことが不安なら、いつでも声、かけてくださいね。
ぼくでよければ、お力になれるように頑張ります。

本の作家とだって、SNSで出会える時代なんだから。

2019年8月22日
correlate design 横田 直也


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著者: 横田 直也
表紙デザイン: 藤田 晃平
校正・校閲: 金子 泰之、喜多山 玲
出版:correlate design


◆著者プロフィール◆ 

横田 直也 / クリエイティブディレクター
1990年生まれ。 クリエイティブチームcorrelate design代表。新卒で入社した不動産会社を3ヶ月で退職後、庭師や木こり、地域おこし協力隊など、20代前半で様々な職種を転々と経験。やりたい放題な毎日を過ごしている中で多額な借金に見舞われ行き詰まるも、性に合うことが発覚した「デザイン」を切り口に、クリエイターとしての活動で再起する。15万人を集客した夏フェスの運営や、500名ほどの若手が参画しているコミュニティの運営など、様々な事業に従事する中で培った「問題解決のための戦略的デザイン思考」を武器に、クリエイティブディレクターとしての実績を積みながら、現在は、クリエイター育成、音声配信メディア運営、WEBプロモーション事業など、相変わらずの「思いつきで何でも進めてしまうスタイル」で、自ら多数の事業展開を行なっている。

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