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今村夏子「星の子」から見る家族観と、我々の多様性

読了。旧統一教会云々の話題が流行っていた時に買った本。宗教2世について考えてみるきっかけが欲しくて。

#今村夏子  #星の子

客観的に見れば、異常で、危険で、忌避したくなる「宗教どっぷり家族」かもしれないし、ぼくたち読者も「やばいやつらだ」とどこかで感じながら読むことになるのかもしれないけど、本人たちが納得している(大事だと思っている)のであればそれはまた一つの家族のカタチなのだと、ぼくたちのイメージしている多様性とは何かを自問自答しながら読める本でした。

個人的には、血縁者だからと言って無理に一緒にいる必要はないし、虐待やDVが起きてしまう環境にわざわざ「家族」という縛りを設ける必要はない(むしろない方がいい)という家族観を持っています。逆に、映画「万引き家族」などで描かれていた様な、金銭の結び付きや利害関係の一致で団結した疑似家族は「家族」ではない、という価値観でもありません。また、複数の家族が共同で生活するスタイルや、配偶者の恋人と3人で住む、みたいなポリアモリー的な考え方も最近では認知される様になってきました。

「多様性」とは、その在り方に制限がないことだと思っているので、本質はカテゴライズではなく「何でもあり」なんだと思うのですが、当人たちの納得感があれば別になんだっていいんじゃないの、というのがぼくの持論です。

その在り方に対して批判的であったりベキ論を返してしまうことは、似た事例を他に知らないから、その事実から距離を置いてしまっているというか、無知ゆえに受け入れられる物事の幅の外の事象が起きているだけのことだと思っています。

要は宗教に関しても同じで、側から見たらやばそうな行動や思考だと思うかもしれない(非科学的・非論理的であることは宗教の大前提だとも思うので)。他人に迷惑や被害を及ぼしてはもちろんいけないと思うけど、わからないものをわからないから批判してしまう(距離を置いてしまう)のはただ分断を生むだけ。

分断を生むことの是非はここでは置いておきますが、こういう「知らない考え方や世界を知ること」は自分自身の多様性レベルを上げるものだと思っているので、こういう今村夏子さんの本みたいな題材の話は、積極的に読む様にしています。

#宗教2世  #分断 #ポリアモリー

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