今宵この曲、歩兵の本領
映画「太平洋の奇跡−フォックスと呼ばれた男−」は、2011年に公開された日本映画。敵として戦った米軍人の書いたドキュメント小説が基になっている。
ただし映画である以上、演出やフィクションは入る。過剰な箇所もあるだろう。だがラストの日本兵の投降式は写真が現存しているし、映像もあると言われている。ともかく原本が戦った相手国側の記録であり、作中の主要な出来事は概ね事実に沿っているはずである。
太平洋戦争はまだまだ「生乾き」の歴史であり、その解釈は様々だと思うが、民間人を護ったこんな軍人がいたという事実は、もっと知られるべきであろう。
この映画や、部隊を率いた大場栄については、この動画がわかりやすかった。
縦横比が悪いが、ラストの投降シーン。
これも実際に近いのだろう。
敗れはしたが負けてはいない。そんな気概や気高さを感じさせる行進である。
ということで、今宵は「歩兵の本領」をしみじみと。
ちなみに大場栄とは別に、サイパンでゲリラ戦を展開していた特異な日本兵がいた。米兵たちから「サイパンタイガー」と恐れられた、般若の入れ墨を背負った兵隊ヤクザ、堀内今朝松(ほりうちけさまつ)である。独立愚連隊を率いて暴れていたが、大場隊を救うために囮となって死んだらしい。一人で数百発の銃弾を浴びて。
うーん、ここまで粛々と大場栄を紹介してきたのに、一瞬で堀内今朝松に持っていかれたような気が……。
ともあれ、よい映画です。ぜひご視聴を。
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