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子どもが苦手な私が親になった。【出産後の最初の試練編】

赤ちゃんや小さい子どもに、勝手に恐怖心を抱き、
極力触れ合わずに生きてきた私ですが、

参照↓


実際に出産したら赤ちゃんと触れ合わずに生きるのは当然無理。

そりゃそうです。
あんたの子だよ!となるので。

処置室から戻ってきた息子は、小さな赤ちゃん用のベッドに寝ており、
私も出産を終えたばかりだったので横になった状態で覗き込むのがやっとです。

お前だったのか
私のお腹の中で好き放題してたのは…
毎回手で顔を隠したり、後ろ向いてたけど、
そんな顔してたのか…
なんとも言えん顔やねぇ…

と、ボーッと見ていると


「お母さん、抱っこされますか?」


助産師さんが特上スマイルをお見舞いしてきます。

この何気ない一言が実は凄くて、

「お母さん、
あんたは今日からお母さんやで

抱っこされますか?
もちろんするよね?むしろめちゃくちゃ抱っこしたいよね?)」

という、かっこ書きが浮き彫りになるようなニュアンスを感じました。

人様の赤ちゃんでさえ、
ほぼ触れ合った事がないという私のバックボーンなど、
もちろん誰も知るはずもなく。

そもそも、
赤ちゃん苦手などという人種がいるとは、
しかも母親になる人が赤ちゃん苦手などとは、
誰も思うはずもなく。


自然な流れでその時はやってきました。

出産後の初めての試練、
それすなわち、

自分の子を抱っこする時!!!

(ババーーーン!!!)
(ほんとよく親になったね)


ドックン…

ドックン…

ドックン…

と、テレビだったら効果音が流れ、
スローなコマ送りになる位の一世一代感!!!

ほとばしるパルス!!!

映像的には変哲のない病室の、
出産後の幸せなワンシーンなのですが、
それとは裏腹な私の心の中を荒れ狂う緊張!

…赤ちゃんて

…赤ちゃんてどう抱くのーーー?!


と、まじで聞きたかったのですが
そんなバカみたいな事聞けるはずもなく

「あ、はい。」

と平然を装い、普通に身体を起こして言っておりました。


助産師さんが座った私の腕にヒョイと赤ちゃんを乗っけます。

その瞬間!!!

身体に稲妻が走ったような衝撃が!

親になる責任という名の重圧が!!

ビビビ!と!!!

…走るわけもなく、

乗っけられた腕の中を見下ろしながら、
腕を1ミリも動かせず、フリーズする私。

それを優しい眼差しで見つめる旦那。
(さすが親の資格しかない男です)

息子を抱っこしながらなんと言ったか覚えてませんが、恐らく
「おぉー……」
とか、声にならない声で言った位でしょう。

冴えないファーストコンタクトです。

テレビならお蔵入りです。

すぐさま旦那へバトンタッチし、

私の最初の試練
「赤ちゃん抱っこの儀」は、静かに幕を下ろしました。

とりあえず思ったのが、

「首、据わってないってコレか!!!」

でした。
(母性の覚醒までは少しタイムラグがあります)

巷でよく耳にする、
赤ちゃんの首が据わった?据わってない?
という会話。

そういう会話の中にいたことはありますが、
結局抱っこしたことがないので
響きだけ知っている感じでした。

首が据わっていない赤ちゃんて、
結局支えながら抱っこされているので、
全く支えのない首の据わらない赤ちゃんを見たことも無く。

なので、息子を抱いた時、
全体の不安定さは勿論の事、
首のグラグラ具合に衝撃を受け、

首据わらない状態=目の前の息子

という、実感を伴った言語学習をしました。

まじで赤べこどころじゃないわ!
まじで首ってこんな据わらないんだ!
そりゃ皆、首据わる据わらない問題について話すわ!

他の動物に比べて、明らかに手を差し伸べないとどうにかなりそうな息子…

神様はどうしてこんな不安定で脆く儚い生き物をこの世界へ与えたのか…
(主に首とかが)

この気持ちは、数日後に何百倍にも膨れ上がり、
涙となり溢れ出て、
私の母性のダムは決壊し、
これがマタニティーブルーというのかと、
再び実感を伴った言語学習をするのは、また別の話です。

ちなみに2人目の息子が誕生した時は、
産声が聞こえた瞬間に涙が溢れ出て、
抱っこした息子を見て、なんて可愛いんだろうと心から思えました。
旦那も泣いていました。

思い返すとドラマのワンシーンやん。

私に人間の心を与え、
人間適合者になれるよう訓練してくれたのは、
長男だったのかもしれません。

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