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変わらないものなんてない。

じゅくしんさんの記事で知った、こちらの本を読んでみました。

KindleUnlimited対象。マンガなのでサクッと読めます。
ただ、内容はサクッと…とはいかない話。

どんな話か?
コロナ渦で陰謀論にハマってしまった母親を持つ、息子とその家族の話。セミフィクション。
結末もリアルで、なんとも言えない気持ちになる本。

陰謀論にハマった人を身近では見たことがないのですが…
もしこれが自分の家族や親戚、友だちだったら?と考えたら、複雑な気持ちに。

いや、それだけではなく
自分自身がそうなる可能性だってあるかもしれない。

主人公の視点が中心ですが
陰謀論にハマった母親の視点も描かれています。

正直なところ身の回りでは起こってほしくないけど、起こる可能性はある。
主人公が色々と模索したり、困惑したりしていた様子が痛いほど分かった。

特に主人公の父親(陰謀論にはハマっていない)が、
「どんなに変なことを言っていても、自分の妻なんだ」
というようなことを言っていて、そうだよな…一緒に住んでいる人はもっと辛いよな…と。

正直、読後なんとも言えない気持ちになりましたが…
色々と考えさせられたし、何よりこうやって実体験に基づいた話を読めてよかったなと。

だって今後、もし似たような事例が周りで起きたとしたら、多少は冷静に捉えられるのかもしれないなと思ったから。

「全く知らない」と、
「チラッとでも聞いたことがある」とでは
その違いは大きい。

知ってるか知らないかで物事が左右されるなんて話は、結構あるよなと。

例え話として適切か分からないけど
例えば事故にあったとして、
救急車が来るまでの初動の止血処置がよかったから重症化せずに済んだとか、そういった話。

経験はもちろんのこと、知識として知ってるか知らないかって結構大きい。
知識として知っていても、それが行動に移せるかはまた別の話ではあるけれど。

で、自身の経験や周りの人の話からでは到底知ることができないことでも、本を通して知ることができる。
これってやっぱり、すごいことだよなーと。

少なくとも、この本が出版されたことで
「こんな経験をしてる人は、自分だけじゃないんだ」
と救われた人はたくさんいるだろう。
そして私のように、経験はなくとも知れてよかったと思う人も多いのではないだろうか。

そう考えると、自分の経験を発信することって
時に誰かを救うことができるのかもしれない。
特にネガティブな面こそ、その要素が強いのかも。

そして、常日頃念頭に置いていることではありますが…
変わらないものなんてないんだよなぁ。


それを改めて感じた一冊でした。

<あとがき>
今の日常が、今後も当たり前のように続くなんてことはないんですよね。このnoteに毎日文章が書けてることも、読んでくれる人がいることも、当たり前ではないんですよね。
みなさん、いつもありがとうございます。




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