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暦の思い出と暮らす日々

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きわめて個人的な暦のはなし
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#家族

父の苦しみを知った日(暦のはなし・6月)

父の苦しみを知った日(暦のはなし・6月)

 6月上旬は芒種(ぼうしゅ)といって、穀物の種をまく時期です。農家さんにとっては忙しい頃。そして下旬になると、1年で最も昼が長い夏至(げし)がやってきます。本格的な夏も、もうすぐそこ。

 夏至の少し前、6月20日は父の日です。

 私の父は転勤の多い仕事をしていました。私も幼稚園から中学校に上がるまでに5回転校をしました。その度に友達と別れ、寂しい思いをしましたが、父を責めたり恨んだりはしていな

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適度な距離と時間が、母と私には必要だった(暦のはなし・5月)

 GWが終わって日常が戻ってくる頃、暦の上ではもう夏の訪れ、立夏(りっか)です。晴天のもと、新緑が美しく木々に揺れて、外へ出かけたくなりますね。そして5月後半に差しかかると小満(しょうまん)といって、農家さんが田植えの準備をはじめる頃です。

 5月といえば、母の日。私は毎年なにかしらのプレゼントを贈るのですが、何にしようかいつも本当に困ります。

 母には、とくにこれといった趣味がありません。読

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