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#17社長に質問 社員がどんな方法で貯金をしているか、ご存知ですか?

もっと会社を良くするための、確定拠出年金制度の有効な使い方とは!
中小企業経営者様にそのポイントを解説いたします!

突然ですが、貴社の社員さんはどのような方法でお金を貯めているかご存知でしょうか?
実際、社長がそのようなプライベートな話を根堀り葉掘り聞くことはないと思います。
一部の社員同士で時々話題にあがったりする程度ではないでしょうか。
今回は、私が普段のFP相談で遭遇する、相談者の貯金の方法から、よくあるパターンをご紹介します。

FP相談でわかった、よくあるパターン

FP相談では、貯蓄についてよく相談を受けます。まずはお客様がどんな方法でお金を貯めているかヒアリングします。
たいていは、給与が振込まれる銀行口座に、支払等が済み、残ったお金が貯まっていき、今の残高になっているという方が圧倒的に多いです。

また、子供の教育費は、子供用の口座を作ってそこに積立していく方法、あるいは保険商品(積立型の終身保険・学資保険)を使って高校・大学などの学費を積立しているケースも多くあります。

老後資金に関しては、何も準備していないか、保険商品(積立型の終身保険・個人年金)を使って積立している方が多い印象です。
個人型の確定拠出年金は、誰でもネットで口座開設し積立することができるのに、実は使っている方はまだ多くありません。
なぜでしょうか?

とくに何もしていないケース

上記のように給与口座に残ったお金が貯まっていて、それが今ある貯金のすべてといった場合です。
無駄遣いなどせず、立派に家計収支管理はしているけれど、特別に目的を持って貯蓄しているかというと、そうでもありません。
ですので、老後や目標のために、コツコツ積立をしているわけではなく、実際は何もしていないけれど、使うお金が給料よりも少ないのでお金が貯まっているという状態です。
そして、貯めている場所は銀行の普通預金ですので、金利は0.001%、貯金が金利で増えることはありません。

保険商品を使うケース

老後のために積立をしていますという方は、保険商品を使っていることが多いです。具体的には以下の2つです。

1 個人年金保険
2 積立型終身保険

1 個人年金保険は、60歳・65歳などの期間まで掛金を支払い、支払終了後に年金受取する商品です。
掛金は一定金額までが、年末調整や確定申告で「個人年金保険料控除」の対象になり、税制の優遇があります。

2 積立型終身保険も同様に、60歳や65歳などの払込期間があり、その後解約すると払い込んだ掛金と同じくらいか少し増えて戻ります。(低金利の影響で最近は円建の商品だと元本以上は難しいようです)
こちらも個人年金同様、掛金は一定金額までは「生命保険料控除」の対象になり、税制の優遇があります。

なぜ、保険を使って積立している人が多いかというのは、その人が自ら保険がお得だから、使いたいからと考えて自発的に加入しているわけではなく、保険屋さんの営業を受け、よくわからないけど、良いと言われたからやってみようかということで加入していることが殆どです。

確定拠出年金はどうか?

確定拠出年金は、60歳まで掛金を支払い、60歳以降から受け取ることができます。その部分は上記の保険と同様です。
保険と違うのは、確定拠出年金の掛金は全額が所得控除、「小規模企業共済等掛金控除」の対象となり、保険よりも税制が優遇されています。

確定拠出年金は2017年から、20歳から60歳までのすべての方が加入できるようになりました。その後、加入者は増えましたが、中小企業の社員で加入している人はまだ少ないようです。
なぜ、中小企業の社員は、確定拠出年金を使って老後資金を積立している人が少ないのでしょう?

なぜ、保険と同じく60歳などの老後まで積立して、受取も60歳以降の老後でしかも税制優遇は保険よりも有利なのに、保険のほうが加入者が多いのでしょう?
それは、確定拠出年金は、誰からも営業されないからだと、私は考えています。


税制優遇で比較

新契約2

旧契約

上記は生命保険料控除と個人年金保険料控除の詳細です。
契約日によって控除額が変わります。
新契約の場合で、掛金が所得から控除できる上限は、年間4万円です。
月に換算すると、3,334円です。(円未満切り上げ)
旧契約で月換算、4,167円です。(円未満切り上げ)
要するに、月に1万円を保険で積立していても、税金の控除に使えるのは、3,334円か、4,167円ということです。

小規模控除

こちらは、確定拠出年金で対象になっている「小規模企業共済等掛金控除」の詳細です。上記の通り、掛金は全額が所得から控除できます。

月1万円を積み立てている人は、年間12万円が所得から控除できます。
個人型確定拠出年金の掛金の上限は、一般の中小企業の場合でいうと月額23,000円です。(企業年金制度がない会社の場合)
もし満額の23,000円を毎月積み立てている人は、年間276,000円が所得から控除できるのです。

保険は支払った保険料の約半分(4万円か5万円上限)、確定拠出年金は全額(276,000円上限)です。
これを、60歳までの期間で考えると、相当大きな差がつきます。

今回は、よくある老後資金の貯め方のうち、税制優遇されている確定拠出年金と保険を比較して、どのくらい確定拠出年金が有利なのか検証してみました。
他の貯蓄方法と比較すると、メリット・デメリットはいろいろありますが、それはまた別の機会にお話することにします。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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