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#7中途採用の社員が、前職からの確定拠出年金資産を持っていたら?

もっと会社を良くするための、確定拠出年金制度の有効な使い方とは!
中小企業経営者様にそのポイントを解説いたします!

中途採用で社員を雇用したときに、前職からの確定拠出年金資産を持ち運んでくる場合があります。このとき、企業型を導入している会社と、していない会社では対応が変わってきます。
今回は確定拠出年金のポータビリティについてお話します。

ポータビリティとは?

企業型の確定拠出年金で退職金を積み立てている場合、社員が退職した時点でその積立金が社員に支払われるわけではありません。
確定拠出年金は、60歳まで引き出しができません。
ではどうなるか?というと、次の2パターンに分かれます。

1 次の会社に確定拠出年金制度がある場合は、その制度に今まで貯まっている退職金を移す
2 次の会社に制度が無い場合、自分で個人型の口座開設をして今まで貯まっている退職金を移す(自営業・無職などの場合も同様)

そして、60歳以降の引き出しできる時まで、自分で管理をしていきます。
この、引き出しはできないけれど、60歳以降の老後まで持ち運びができる制度を「ポータビリティ」といいます。

中途採用の社員が、確定拠出年金の書類にハンコをもらいにくるのは、前職からの退職金があり、個人型の口座開設のために会社の証明が必要だからです。(この手続は将来無くなる方向で議論が進んでいます)

中途採用の社員にとって、どちらが好都合か?

いずれにせよ、会社を退職した社員は確定拠出年金の積立金(前職からの退職金)を60歳まで引き出せずに、管理をしていく必要があります。
そして、確定拠出年金の口座を管理するためには、毎月数百円の手数料が発生します。これを「口座管理手数料」といい、金融機関によって金額は異なります。

口座管理手数料は、企業型の場合は全加入者分を企業が負担します。(福利厚生費として損金計上)
一方、個人型の場合はその口座名義人が負担します。

このことから、中途採用の社員にとって、次の会社に確定拠出年金制度があったほうが、自分で口座管理手数料を払う必要がなく、その分、運用効率も上がるのでありがたい話というわけです。

求人活動でポータビリティを強みに!

もし、そこまで考えている賢い社員なら、転職で次の職場を選ぶ際に、採用条件が同じような会社があった場合、確定拠出年金が導入されている会社を選択するかもしれません。

ということは、会社に確定拠出年金が導入されていれば、ポータビリティ制度のおかげで、良い人材を確保できる可能性もでてきます。

最後、若干宣伝のようになってしまい恐縮ですが、このように確定拠出年金の特徴を生かして求人の強みにすることができます。

今回は、確定拠出年金のポータビリティ制度についてお話をいたしました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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